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魔剣蒐集録Ⅱ  作者: 健康な人
4章:崩壊と再生の寓話
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【壊れている魔剣】

【壊れている魔剣】


 ある時、商人は学者に相談を持ち掛けられた。

 学者に相談されるような知恵などないと断ろうとしたのだが、

 どうやらとある魔剣の話だという。

 いや、これは聖剣なのだ、なんて主張しているが……

 商人にとって、そこは重要ではなかった。


 大事なのは、目の前の武器が壊れていることだ。

 まあ、知らない仲ではないのだ。

 面倒だが手伝ってやるかと、商人は魔剣を手に取った。


 そして、まずは商人はこう聞いた。

 ――この魔剣、どんな効果を持ってるんだ?

 ――分からない。ただ、友情を壊す魔剣だと伝わっている。


 次に、商人はこう聞いた。

 ――つまり、まず使い方が分かってないんだな?

 ――そうだな。確かに、そうとも言える。


 最後に、商人はこう聞いた。

 ――で、これは魔剣なんだろ? 聖剣じゃなくて。

 ――まあ…… その通りだ。


 最後の問いに、学者は否定しかけてから頷いた。

 その様子を見て、商人は壊れている魔剣を笑って返した。

 ――その魔剣、たぶん壊れているのが正解だ。


 その言葉に、学者は言葉を返せず首をひねった。

 商人は、仕方ないなと半分ほど答えを言ってしまう。

 ――使いたい奴に、直し方を聞いてみな。それでうまくいく筈さ。




 ~~~~~~~~~~~~~~~


 友情を壊す魔剣だとも。

 あるいは、友情の証に送られた聖剣だとも伝わる――「魔剣」

 今更の話だが、魔剣とは便利なものである。

 そして友情とは、本来一人では直せない。

 これはそういう魔剣である。


 ~~~~~~~~~~~~~~~



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