【理解した気になる病】
【理解した気になる病】
こんにちは。
いや、今日は魔剣を売りに来たんじゃないんだ。
売るのは薬さ。
隣の国で変な病が流行ってるらしくてね。
なんでも、病じゃなくて、もしかして何かしらの魔剣の効果なんじゃないか……
なんて言われてるんだ。
勿論、噂さ。実際は知らないよ。
まあ要するに、なんか「分かった気になってしまう」病気なんだって言うんだよ。
――いやいや。突っ込まれて聞かれても、俺も分からないよ?
病にはかかってないさ。だから、この病のことがよく分からない。
ほら、病気は持ち込んでないだろ?
という訳で、こいつが薬だよ。
飲んでおけば、物事が簡単に分からなくなるんだってさ。
本を最後まで読んでも、首を傾げるようになるらしいよ。
病にかかったら、読まなくても頷くらしいけど……ほんとなのかね。
――そっちの方が危なくないかって?
さあ……どうなんだろうね。
でもまあ、そこはほら。よく言うじゃないか。
良薬は口に苦し、ってね。
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隣国で広がる、不思議な病……への特効薬だと商人が言っていた薬。
魔剣の効果ではないのかとも噂されているらしいのだが、
真偽は誰も知らないらしい。
少なくとも、この薬を飲んだものは、
理解が終わりではなく始まりであることが理解できず、頭を悩ませるらしい。
そして、薬が切れてこういうのだ。
この薬、魔剣なのではないか? と。
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