第19話 大変だ!(2)
そう町の人たちが、江乃が慌てて走る姿を見れば。
「姫さま!」
「江乃さま!」
「江乃ちゃん、どうしたの?」
国民、親戚たちが我が家のダークエルフの姫さまへと次々と声をかける。
そして江乃は人々から聞かれるたびに。
「お、お父さまが! 異世界から降臨された!」と答える。
そうぼくがこの世界に転移したのか? 転生なのか?
まあ、ぼく自身もどちらなのか微妙なところだが、雷に打たれて天災の事故で死んだとアイカが言っていたので、どちらとも言えるらしい。
ぼく本人としてはどちらでも構わないが、江乃はまるで神が舞い降りたかのに町の人々に伝えるものだから。
「それは凄い!」
「本当に良かったね!」
町の人々が家のダークエルフの姫さまに労いや励ましくれる。
そう今まで父親がいなかった江乃に向け、温かく祝福してくれるのだ。
しかしツンツン姫さまの江乃だから。
「私はお父さまなど、居ても、居なくても、どちらでもかまわないですわ~。だって先ほどお父さまは大きな声をだして妹たちを起こして泣かされたし、騒がしくてうざいし、面倒だし、それに私のお父さまは若すぎる……まだ子供だし……あれなら伯父上さまたちの方が父親に見えるわ」と。
まあ、家のダークエルフの姫さま冷めた調子で言葉を返すのだった。
(お願い)
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