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第14話 アイカさんを起こします! (3)

「うぐっ、ぐっ、ぐぐぐ……。ぐ、ぐるじい、ぐるじい……。助けて、助けてよ……。ア、アイカさん……」


 まあ、この通り……。いつもの通りと言うか? 異世界冒険譚のお約束というか? 僕の許へといつものようにラブコメの女神さまが降臨され。この僕にいつもの試練を与えてくれたのだ。


 そう僕は只今異世界冒険譚のヒロインさまの超巨大な胸の谷間へと抱き枕の如く、自分の顔が埋まって、今日もまた凝りもしないで窒息死寸前でね。僕は今必死になってアイカさんの巨乳の胸の谷間から脱出しようと試みているのだが。


 当の本人であるアイカさんの方が相変わらずこの通りで、


「健太、ムニャムニャ……。愛している……」


 と寝言を漏らしている様子でね。


 まあ、アイカさんの寝言を聞けば、僕も夫としては大変に嬉しい限りではあるのだが。


 でもさ、この通りで、僕はアイカさんの超柔らかくデカイ胸の谷間から解放されずに息ができず苦しんでいる訳だから。


 僕はこのままだと下手をすれば窒息死をしてしまうようになる訳だから。


「アイカさん!」、「アイカさん!」、「起きて!」、「起きてよー!」、、「お願いだから!」


 僕はアイカさんの名を呼びながら、自分の両腕を使用して、お妃さまを退けようと試みる……と言うか? 先ほどから僕は何度も試みてはいる。


 でもその都度、アイカさんの口から。


「いや~ん、健太~、離れないで~、いけず~」と。


「いや~ん、いや~ん、うぅ、ううう……」


 と蛸さん唇が襲ってくるのと。


 まあ、その他にもさ、夫婦間の愛情表現が色々とあるけれど。早朝から夫である僕のことを襲ってくる訳だから。


『ちょい! ちょい! あんた~! 起きているだろう? 只の狸寝入りだろう?』


 と僕はアイカさんへと告げ、尋ねてやりたい衝動に駆られるかれど。


 僕の筆頭奥方さまが。異世界人で何の取柄もない夫の僕のことをこんなにも愛して、可愛がってくれるのだから、亭主冥利に尽きると言う物だから。僕は我慢……。今日も耐え忍んでいる。


 特に我が家の筆頭奥方さまがこんなにも僕に甘えるのは人目がない時だけでね。基本アイカさんは朝目覚めて身支度が終わり、今日の仕事が始まれば、一族の者達に対して示しがつかないからと威厳のある振る舞いを夫である僕の前でも平然として冷たく当たる、ツンツンとした悪役令嬢さま……。お妃さまへと変貌をするから。


 僕と二人きりの時はいつもこんな感じでね、外とは正反対な、寝たフリまでする甘えん坊さんだから。


「アイカさん~、もう、そろそろいいだろう? 僕に甘えるのは?」


 と僕は呆れ声で奥方さまへと告げ。


「そろそろ僕の頭をアイカさんの胸から、解放してくれないと、僕はマジで窒息死してしまうから、腕を離してよ、アイカさん……」


改修中なのでご迷惑をおかけしています(o*。_。)oペコッ

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