第11話 僕の異世界での新しい家族(8)
サラちゃんも僕の奥さまだから、身体に触れてもセクハラ行為にならないので、
《クチュ、クチュ》
と、くすぐれば。
「うぅ~ん、もう辞めて~」
サラちゃんは大変に可愛い声をだすけれど、最初は我慢を続け、僕にコブラツイストの技で締めつけ抵抗をしてくるけれど。
それから数分も経てば他人に聞かすことなどできないような魅惑的な声……。まあ、嬌声と言う奴を可愛く漏らし、鳴き、蛇のようにクネクネとのたうち回って。
「健ちゃん、サラはもう降参~。許して~。許しておねがいだから~。健ちゃんごめんなさい~」
と僕の勝利と言うか? サラちゃんがいつも夫の僕に対して意図的に負けてくれているよ。
だってサラちゃんはダークエルフの麗しい少女だから、僕が使用できない魔法だって使えるし。サラちゃんが本気で加速して動けば、僕の肉眼では捕らえることができない。
だけどサラちゃん……だけじゃない。エリエさんやプラウムさんも個人の能力は人種である僕よりも優れているけれど。弱小夫である僕のことを立ててくれるから、逆らうようなことはしない、優しい奥さま達だけれど。これから僕が起こしにいくアイカさんは、そうはいかないから気を引き締めないといけないな! と思えば。
サラちゃんとの夫婦のコミュニケーション……。
まあ、じゃれ合いを終えた僕は。
「みんな、アイカさん起こしにいってくるから、食堂へと先にいっていて……。もしも僕が遅かったらいつものように先に食べていてもいいからね……」
と三人へと告げ。
「じゃ、アイカさんのところへといってくるよ」
僕は三人へと微笑みながら手を振り、別れを告げる。
「御方、気を付けて」
「健太さん、御武運を祈ります」
「健ちゃん、生きて帰還をしてね」
僕がエリエさんとプラウムさん、サラちゃんへと手を振りながら部屋を後にしようとすれば三人が今日も顔色変え、悲しそうな顔、声音で。僕の背へと向け大袈裟な別れを告げてくるから。
「みんな~、大袈裟だな~」と。
「今日は大丈夫だから、そんな悲しい顔をしないでよ」とも告げ。
「みんな~、今日は大丈夫! 大丈夫だから! 僕はきっと生還して帰るから、そんな悲しい顔をしないで笑ってよ~」
僕は悲しみに耽るお妃さま達三人へと今日も永久の別れを、満身の笑みを浮かべながら告げ、寝所へと向かうのだった。
◇◇◇




