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【後輩】
うららかな陽光が降り注ぐ公園。
ベンチに腰を下ろし、どこまでも透き通った青空を静かに眺めるみずは。
「せんぱ〜い…。早く見回り行きましょうよ〜」
その穏やかな時間を遮るように、職場の後輩である森川みなが退屈そうに声を上げる。
「..たまには..ゆっくりするのも..大事だよ..」
「たまにはですよ〜! 一昨日も昨日も今日も、ずーっとこのベンチじゃないですか!。私、飽きちゃいました〜っ!」
「警察官の仕事は..見回りだよ..」
「じゃあ見回りましょうよぉ〜! 暇すぎます!」
みなの止まらないお喋りに、みずはは空を見上げたまま、淡々とした口調で問いかけた。
「....口塞いでいい?」
「ドキィィィィン! いいんですか!? では……お願いします♡」
期待に胸を膨らませ、みなは頬を染めて行儀よく目を瞑る。
みずははそんな後輩の様子を横目に、手近にあった「ある物」を彼女の口元へと無造作に押し付けた。
「むぐっ……。なぁんですか? これ…」
みなが困惑しながら目を開ける。
視界の先にはプラスチックの棒が突き出すみずはの姿があった。
「...チュッパチャプス」
「えぇぇぇ!!ちゅーじゃないんですかぁ!?」
公園に響き渡る残念そうな叫び声。
みずはは相変わらず表情を崩さぬまま、静かに甘い飴を転がす後輩の横顔を、ただぼんやりと眺め続けていた。




