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【公園】
空いた時間に読めるくらいの文字数で書いていきます
正午の陽光が、広大な芝生を鮮やかな緑に染め上げている。
彼女は、公園のベンチに身体を預け、どこまでも高い青空をぽけーっと眺めていた。
視界を横切る鳥の影も、頬を撫でる心地よい風も、彼女にとっては等しく穏やかな世界の断片に過ぎない。
「よいしょ」
不意に、幼い声が隣で跳ねた。
いつの間にか一人の子供がベンチに座り、不思議そうな顔で彼女を見上げている。
「ねぇねぇ〜お姉さ〜ん、なんでいつもこの公園にいるの?」
直球の問いかけが、彼女の耳に届く。
彼女はゆっくりと、まるで深い水の底から浮上するように顔を向けた。
返事をする代わりに、彼女の手がすっと動く。
すると、ポケットから取り出した小さな銀紙を、子供の胸ポケットへ迷いなく忍ばせる。
言葉よりも先に手渡された、一粒の甘い謎。
彼女はそのまま、何事もなかったかのように再び空へと視線を戻すのであった。
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