第2話 お家のヒ・ミ・ツ
來瑠「そうだよ。行ったも何も、私…この世界から来たんだから」(小声)
は?いやいや…は?
「はぁぁぁぁぁッ!?!?!?」
思わず叫んだ。
來瑠「うるさいよ鳳梨くん。静かに」
いやいや、無理だろ。
妄想で描いた世界地図を勝手に見られて、添削されて、挙げ句の果てに私は異世界人ですって、どんなファンタジーだよ!
ざわざわ…。
うわぁ…鳳梨くんがなんか大声出してる…どうしたんだろ…。
まずい、大事になりそう。これ以上騒ぐのはやめよ。
「ごめん、みんな。ちょっと自分の好きな俳優が結婚するって聞いてびっくりしただけ。マジでごめん」
ざわざわ…。
なぁんだ…鳳梨くんにも推しがいたんだ…なるほど…。
よし、誤魔化し成功!
「さて、本題へ移ろうか。麻湯さん?…正直ふざけてる?」(小声)
そう言うと麻湯さんはムッとした顔に。
來瑠「別にふざけてはないんだけど?割と大真面目なんだよ。これ」(小声)
確かに、ふざけた顔じゃない。むしろ真顔。
流石に冗談だって思いたい。
でも、俺は不機嫌になった女子が特に苦手…だ。
「……分かった。麻湯さんがそう言うなら俺は信じたいぞ?でも証拠がない…っていうか…。だって…俺が妄想した地図だぞ?それを勝手に添削されてさ」(小声)
「…挙げ句の果てに異世界人って…信じてもらえるか?普通」(小声)
來瑠「結局信じてないじゃん…もう。いいよ。証拠、他にも見せてあげる」(小声)
來瑠「…じゃあ放課後、私の家に来て。一緒に」(小声)
そこまで言われたら、いくら苦手な女子の家でも行かないわけには行かないか…。
証拠、見せてもらおうか。
「ああ。分かった」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
──放課後。
來瑠「私、何気に男子と帰るの初めてなんだよね〜」
おい、それは何が言いたいんだ。
人によっちゃ、好きだと勘違いするぞ。
來瑠「ちなみに鳳梨くんは、女の子と帰ったことある?」
「ない」
來瑠「確かにそんな感じだもん。なくて当然かぁ」
「…仕方ないだろ。俺はそういうの億劫だからさ」
來瑠「へぇ…じゃあこの状況は普通ないってわけね」
今、俺と麻湯さんは、一緒に帰っている。
美人と一緒に帰ってドキドキしてる?するわけない。
「ところで…麻湯さんの家は、もうすぐなのか?」
來瑠「ん〜?うん。もうすぐ、見えると思う。ほら、あれあれ!」
あ〜あれか。
あの…の◯太の家を丸々青くしたようなごくごく普通の一軒家。
「あれか」
來瑠「反応薄いなぁ〜?あのぅ、女の子の家だよ?ガールズハウス!ちょっとくらいドキドキしてくれないと、仕返しできないんだけど」
「そうですか」
來瑠「そっけない…」
綺麗な家。正直うちのボロ家より、こっちに住みたい…って思った。
來瑠「ついたよ。ほら、上がって上がって。…ただいまぁ」
「お邪魔します」
中は思ったより綺麗だな(失礼)。
普通の家だ。
來瑠「私の部屋は2階だから。こっち」
「あれ、てか麻湯さんのお父さんとかお母さんとかは?」
別に早く学校が終わったわけでもない。親がいるなら、挨拶しないと。
來瑠「お父さんとお母さん?…いないよ」
來瑠「…ここには」
「ええ…」
なんか今、気になること言ったな。まあいいか。
階段を上がって…。
ドアの前。この感じ、部屋は広くなさそうだ。
來瑠「ここが、私の部屋。遠慮しないで入って?」
「分かった。入るぞ」
ガチャッ。
ギィィィィ…。
「あれぇ?????!!!!」
はあ!!?!!!??
「おかしいだろ…これ…!!」
いやいやいや!!!
おかしいって!!!
「なんで…!!!???」
來瑠「ふふん♪」
「こんなだだっ広い豪華な部屋になってんだよォォォォ!!!???」
天井が高すぎる。シャンデリアがぶら下がってる。
壁一面が金色。いや、何これ。柱まであるんだけど。
ドアを開けたら、そこは…とんでもなく豪華絢爛な部屋が広がっていて。
麻湯さんは「どーだ!」とでも言うようにふんぞり返っていた。
來瑠「…ようこそ!私の部屋へ!まだまだ、驚いてもらうよ!」




