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もうちず─俺が妄想で描いてた地図の異世界、なんと実在してたんだが。〜隣の席の子はその世界のお嬢様らしい〜   作者: 晴れドコロ
第1章 俺の半・異世界LIFE、スタート

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第1話 露見する俺の妄想地図


女子がほーんの少しだけ苦手な高校生の学校生活において、絶望することは主に3つある。


 1つ。トイレから戻ったら、クラスの女子が自分の席に座っていること。


 2つ。女子に急に話しかけられること。


 そして3つ目は…陽キャ、特に女子に自分の黒歴史趣味を知られることだ。


─今まさに、俺は陽キャのとある女子に自分の妄想ノートをまじまじと見つめられているのだ。ニヤニヤとした、その目で。












 妄想。それは誰もが一度はしたことがあるだろう、一種の憧れ。

 だいたいそんなものはすぐに頭から弾かれる。

 でも、俺は続けた。ネット小説を書くために。

 その証拠、授業中に描いた異世界の地図。それがクラスの陽キャ女子・麻湯來瑠あさゆ・くるにガン見されている。

 

終わった、終わった終わった。俺の平穏な学生生活。


 それが俺が出した答え。


來瑠「鳳梨くん…何これ?地図…?ふぅ〜ん。君、授業中にそんなもの書いてるんだねぇ?ふふっ。もっと、真面目なタイプだと思ってたのに。あちゃ〜不真面目さんだったかぁ…」


「うぐっ…」


 事実だ。

 麻湯さんは、意気消沈している俺をまるで面白がるように言った。

 さっきも言ったが、俺は女子が苦手な部類だ。

 反論する勇気もない。


來瑠「反論してこないんだ。じゃあ今日から鳳梨くんは不真面目さんだね。…にしても…この地図…よく描けてるね。どれどれ…?超大陸アージェント、東のレキュンダー諸島…王都グレストアイ。へぇ…すごっ。全部鳳梨くんが考えたの…?」


 どうしよう。俺、イタいやつ確定じゃんか。

 麻湯さんの言葉遣いからは、本当に褒めてるのか、バカにしてるのか、わからないから、心が苦しい。

 なんか獲物を見つけたような目してるよ?麻湯さん。


「…そう。全部、俺の妄想。ほんとは誰にも見られたくなかった」


來瑠「…ふ、ふぅーん?へぇ…妄想でこのレベルはすごいね」


 なんか今声が上擦らなかったか?


「なんか、俺変なこと言った?」


來瑠「い、いや…?鳳梨くんは何も変なこと言ってないよ。ただね。こんなこと言うのもなんだけど…その地図、間違…ってる…んだよね…」


「え?それってどういうこと?間違ってるも何も、これ、俺の妄想なんだけど…意味わからん」


 一体どゆこと?なんで俺の妄想に間違いっていう概念が存在してるわけ?


來瑠「いやぁ…あのね?この地図、私見たことあるの。ありえないくらいにそっくり。強いていうなら、間違いがいくつかあるけど…」


 だから、間違いってなんだ。さっさと説明してくれ…。


「一体いくつだよ?麻湯さん」


 そういうと麻湯さんはしなやかな指先でトンと俺の妄想地図を指差した。


 來瑠「まず…あ、これこれ。この…北の大陸。ラズーン大陸だっけ?はもうちょっと東にある」


 は?


來瑠「南西のハズランド諸島は大きな島の数と位置が違うし…」


 おい。


來瑠「この大陸の中心にあるウェズドラ王国?…は今グランスカル帝国になって、都市も王都ドラキンスから帝都レンスカルに名前が変わったよ。…約1ヶ月前に」


 いや、ニュースか何かですか?


來瑠「まあこんな感じかなぁ…あとはだいたい合ってるよ」


 間違いの指摘多すぎない?!てか俺はなんでただの妄想地図を隣の席の子にダメ出しされてんの?

 それに…なんでただの地図に時間の概念があるの?何?…1ヶ月前って。


「なんで…なんでだよ」


來瑠「え?」


「なんで時間の概念があるんだよ?おかしいだろ」


「1ヶ月前って何?月一更新のブログか何かか?」


「…それじゃまるで、麻湯さんが俺の妄想異世界に行ったことあるみたいじゃんか」


 そう言うと、麻湯さんは「誠に遺憾です!」だと言うような顔をした。

 

來瑠「…まぁそうだよね…。そう思っちゃうか。…仕方ないなぁ。君には特別に、私のヒ・ミ・ツ…教えてあげようかな」

 

 その目は、「もう、戻れないよ?」と言ってるみたいで。









來瑠「そうだよ。行ったも何も、私…この世界から来たんだから」

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