9 実情を語る
世界はまだ混迷を続いている
どこの国が強いとか弱いとか。
誰が強いとか弱いとか。
この世界には魔法で栄えた名家が存在する
彼らはとても慎重に、時には大胆に発展を遂げた。
人間と敵対して、協力もしてきた。
強い力を持った名家は家紋を持ち
絶えず、一族が滅びぬように
語り継がれている
「ハレベルさん…この国は戦争が近いの…?」
「なにを言っている…世界はいつも戦争をしているだろう。
だから、あの場所にも怪物が現れたんじゃないか…。」
「あれは…っあれは人間が作り出したもの…だったっけ?魔女は人間とまだ敵対しているの…?」
「…?まぁ、この国は少し特殊だけど…
世界規模でみると敵対しているかもしれないな。」
ハレベルさんは少し首をかしげながらそう答える。
当たり前のことを教えるかのように。
「僕は昔…魔女と人間は共存して生きていて
戦争のない世界が保てていると聞いた…。」
「だれに?」
それは、まるで何かを突き刺すようなずるいどい声だった。
「…お、おとうさまに…。」
僕はいつもの癖で様付けをした呼び名で言ってしまう。
言ってしまって、少し後悔する。
「…やっぱり箱入り息子なんだな…。」
「え?」
「いや…なんでもないよ。
じゃあ、デオラデの魔法はなんのために使うって教わったの?」
「……それは…それは…
誰かを助けるために…守るために…」
淡い記憶が蘇る
それは…僕がまだ…
僕らが幼かった時の記憶_____
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「僕の魔法って凄いでしょ!!」
自慢げに語るのは小さな男の子。
幼き日のデオラデだった。
「うん…!すごい!お兄ちゃんの炎は凄い綺麗…!!」
弟のジュンニはデオラデの小さな手に灯る青い炎を見てそう言った。
このころの僕は本当に魔法は美しいと思っていたし
それが誰かを傷つけるなんて
考えたこともなかったんだ__________________




