6 紋章と顔
「へぇ…ハレベルってあんな笑い方もするんだ…。」
デオラデの前で楽しそうに笑うハレベルを見て、少しびっくりした。
かれこれ何年もクラスメートとしてハレベルと過ごしてきたけど
今まで一度もあんな笑い方をしたところを見たことがなかった。
「ハレベルとデオラデってもともと知り合いなんだっけ…?」
俺は思わず、フィリアにそう聞いた。
「いやぁ、知らないわぁ。それにしても、ほんと尊いわね…2人とも…。」
フィリアは興奮しすぎて変なテンションになっていた。
まるでいい夢をみた後のように幸せそうな顔をしている。
ほんと、変わったやつだな…。
それにしても、ハレベルとデオラデは一体_____
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僕たちはカフェを後にして、ハレベルさんと並んで街を歩いた。
お互いに身をよせていないと、はぐれてしまいそうなくらい
この街は人が多かった。老若男女、とても活気があった。
街ではカフェや屋台も多くて、声をかけられることもしばしばあった。
「賑わっているんだね…。」
僕は思わずそう呟いた。
屋敷にいた時は、街に出ることなんてなかったから…
こんなふうに色んな人がいるところにいるだけで
不思議な気持ちだった。
「…デオラデはこの近くに住んでたんじゃないのか?」
「え…?」
「…だって、私たちがいつも会っていた森の茂みはもう少し歩いたところにある。
てっきり、デオラデは近くに住んでいたのかと思っていた。」
「…。」
ハレベルさんに言われて、胸がドクンっとなり
急に気まずくなった。
「…えっと…。」
たしかに、言われてみればそうだ。
僕はいつも部屋の隠し扉を使って、あの場所に行っていたから…街へ来たことはなかった。
というか、街に出てみようなんて思いもしなかった。
そもそもあの隠し扉は…
そうか、ここは僕が住んでいたところに近いのか…。
そうおもうと、なんだか急に胸がザワザワとした。
「…僕は…あんまりあの場所以外は外出してなかったから…このあたりのことは
あまりわからなくて…。」
「…そうか。」
その時だった_____
不意に目に入ったんだ_____
「えっ…。。。。。」
僕は目を疑った。
目の前にあるのは大きな、大きな看板。
人だかりが出来ていた。
みんな夢中になってみていた。
「こ、これは…。」
「あぁ、次の戦争に行く魔女の名家一覧だよ。紋章と代表者名が記載されているんだ。
ざっと今回は10家くらいの参加だな。」
「…。」
僕は言葉を失った。
「…戦争には参加しないって言ってたのに…。」
「…なんか言ったか?」
「…お父様…。」
この看板で1番最初に目に入った…そう、見覚えのある顔と紋章があったから。
なんで…。
《意固地なお前のお父さんもついに折れたんだな!はははっ!息子を無くして、血迷ったか!》
「…っっ!!!!」
また、いつもの声がした___
頭の中で響き渡るあの声____
「大丈夫か?デオラデ、顔色が悪いぞ。」
「…。」
お父様…なんで…
どうして戦争に…
「。。。っ。」
胸のザワザワが止まらず、呼吸が荒くなって
思わずその場にしゃがみこんだ。




