3 カフェでデート?
「これが最近流行りの食べ物なのか…?」
「…っ。ど、どうなんだろうね…。」
ハレベルさんのこと。実はまだつかめていない。
今回、本当にそうなのだと実感した。
だってこういう過ごし方をしたことなかったから…。
「う~ん、不思議な味だな…。」
一緒にカフェに入って、毒々しい見た目のドリンクを頼んでいるハレベルさんを横目に
オレンジジュースという無難なドリンクを頼んだ僕。
ハレベルさんの頼んだドリンクは何色かはわからない、しいて言うなら黒っぽい色をした
よくわからないドリンクを飲んでいた。
こんなチョイスをするハレベルさんをみて、僕はまだまだハレベルさんの知らないことが沢山あるなと感じた。
それにしても…
ハレベルさんと2人でカフェ。
学園内ではなく、誰の監視も行き届かない街のカフェ。
僕がこんなふうに誰かと過ごす日が来るなんて、思いもしなかった。
ついこないだまで、部屋の中で閉じこもっていたこの僕が。
こんなふうに…まるで普通の人のように…
今朝、待ち合わせの場所へ向かったらハレベルさんはもうすでに待っていた。
そうして、慣れたハレベルさんの後を追うように学園の外へ出ると
「トランスポートする」と言われた。
これまた慣れた様子で、僕たちはハレベルさんの魔法によって街へ瞬間移動をした。
「…これが街…。」
人の多さ、建物の多さ、色々混ざり合った香り____
きっと何の変哲もない普通の街なのだろうけど、僕はとても圧倒された。
初めて触れる空気がトゲトゲしく感じた。
「こんなにしっかり街に来たのは…歩くのは…初めてかもしれない…。
ちょっと…こわい…。」
溢れんばかりの人の多さに僕は思わず委縮した。
今まで見たことない、色んな人がそこにはいた。
「いつも森の茂みで会っていたからな。街も慣れれば普通だ。学園と変わらん。」
「…っ!」
ハレベルさんはおどおどして前に進めない僕を見かねてか、左手をギュッと握った。
「喉が渇いたな…なにか飲もう。」
そう言ってハレベルさんは僕の手をひいて、街を歩きだした。
「あ、ありがとう…っ」
ハレベルさんはいつも助けてくれる。
ハレベルさんとは、あの日以来…距離が出来てしまったと感じていたけど
それは僕の勘違いだったかもしれない。
ちゃんと謝ろう。謝らなきゃ。あの日のこと_____
「ハレベルさん、こないだはごめんなさい。」
「こないだ…?なんのことだ?」
「合宿の…、手を…手を振り払って…。」
そう言うと、なんのことか「分かった」という顔をしていた。
「あぁ…。気にするな。まぁでも…。」




