14 疲労困憊
身体は疲弊していたが、どうにか立ち上がることが出来た。
僕は少し身体を休めたいと思い、すぐに体育館の外へ出た。何も言えずに。
先ほど、ラムソ君の「大丈夫か~?」という声も聞こえた気がしたが、それを無視してしまうくらい
頭が働かなかった。
体育館裏は陰になっていて、ひんやりとして湿っぽかった。
その場にしゃがみこみ、ぎゅっと両腕を掴んだ。目をつぶった。
「第2試合目はじめ___っ」
体育館の外にいても、実習の声は届いた。
目をつぶると先ほどの光景が目に浮かんだので、ハッとしてすぐに目を開いた。
「ハレベルさんに引かれたかな…。」
あんな姿、見られたくなかったな…。
今更後悔しても遅いのに、気分が落ち込んだ。
「あっ見つけたっ!」
不意に後ろから聞き覚えのある声がした。
さっと振り返ると、黒いマント姿の___
「…っ。」
僕はもう身体が限界だったのか、急に視界が暗くなり
その場に倒れこんだ_____
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「ハレベルちゃん!頑張ってね!」
「…。」
デオラデは試合が終わると、何も言わずに外に出てしまった。
今すぐにでも後を追いかけたかったが、次の試合は自分の番だったということで
それは叶わなかった。
そのとき____
≪ハレベル、あやつは随分と古い魔法に囚われているようじゃよ。≫
心の声がした___、古くかすれた声___
「お前が話しかけてくるなんて、久しぶりだな。」
私はあざ笑うような心の声に、頭の中で答えた。
≪久しぶりに気配を感じたからな…ハレベル、あやつはまだコントロールできとらんぞ。おそらく、時がたてば飲みこまれる。≫
「わかっている。」
≪おまえさんはあやつのことを知っていて最初から付き合ったのか。≫
「…そんなわけないだろう。私は完全に…。」
私はそう言いかけて目をぎゅっとつぶった。
「デオラデは人間だと思っていたさ____」
「「「「「「「はじめ!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」
試験官の妙に大きな声は響き渡る。合図と同時に魔法で現れる無数の怪物たち。
私は魔法の力によって次から次へと出現する怪物を倒していく。
赤い炎は1ミリもずれがなく、怪物にダメージを与え
何一つ無駄のない魔法の使い方をした。
心臓にヒットさせるんだ___かつて誰かさんが教えてくれたように
私は上手く戦えている。
倒して倒して倒して_____
怪物の心臓にだけ灯る赤い炎、圧巻というほど綺麗にドミノ倒しのように倒れていった。
≪随分と上達したものだのう。≫
心の声がする。
「珍しいな、そんな話しかけてくるなんて。」
≪…ハレベル…良いことを教えてあげようか。
…残念だがやつの気配が消えたぞ。≫
「っ…!!!!!」
私は動揺して、今出した魔法の炎は怪物の心臓にヒットせず、顔にヒットしてしまった。
「消えたって…?」
≪消えたというのは、ここに存在しなくなったということじゃよ。≫
「この学園の外には出れない…そんな簡単には…。」
≪わからんぜよ、誰かが連れ出したのかもしれぬからな。≫
「…っっ!!」
向かってくる怪物に向かって放つ炎はだんだんと荒っぽくなり、まったく心臓にヒットしなくなった。
最後に出てきた大量の怪物たちを一気に赤い炎で燃えつくした。
会場が溶けそうなくらい、暑い熱気に包まれ、周囲の生徒からは「びっくりした…。」というような声が聞こえた。
「「「「「「「「「「「ここまで!!!」」」」」」」」」」」」
試験官の声を聞くと、すぐさま私はこの場から走り出した。
真っ先に体育館を出て、あいつを探す_____
デオラデ…っ!!
どこだ…!
「ハレベルちゃん!!どこいくのーー!?」フィリアの声が聞こえたが、私は一切を無視した____




