11 最終日
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「ハレベルさんごめんっ…。」
ハレベルさんから逃れ、飛び出してきたものの
僕は少し…いやかなり後ろめたい気持ちになった。
辺りはすっかり明るくなり、鳥のさえずりが聞こえる。
どうしても一言だけあいつと話せれば…
その一心で残り少ない体力を振り絞って散策を続けた。
どこにっ…どこにいるんだ…っ。
「っあっ…。」
僕は身体がふらっとしてその場にしゃがみこんだ。
軽いめまいと吐き気で、視界がぐらついた。
自分でもわかっていたが、やはり体力の限界を感じていた。
手先がピリピリとしびれてきている…。
もうここまでなのか…っ
そう思って、一瞬視界がさらにぐらつき、地面にしゃがみこんだ。
「やぁ、呼んだかい?」
「っ…!!!!!」
ここまでだ…と思った矢先に、目の前にすっと彼が現れた。
「…っもっ…もう一度…はぁっはぁっはぁ…。」
せっかく探し求めていた彼が目の前にいるのに、視界がぐらついて上手く話せそうになかった。
気持ち悪いっ…あまりにも視界がぐらつくので吐きそうだった。
「大丈夫?デオラデ兄ちゃん?」
「…!?」
まただっ…!
目の前の彼の姿は僕の弟に変身をしていた。
心配そうにしている顔があまりにも…あまりにも僕の遠い記憶と合致していて、混乱した。
だけど、なぜか胸がきゅってするような嬉しさを感じてしまっていたのも事実だった。
朦朧とする中、僕は弟に話しかけずにはいられなかった。
「ごめん…ごめんなさい…っ。全部僕のせいで…っ、僕のっ…。」
「謝らないでデオラデ兄ちゃん。デオラデ兄ちゃんのせいじゃないよ。」
「でもっ…。」
自然と涙が出てきた。手足がしびれ、このままどうにかなってしまいそうだった。
「くくくっ。幻影にばかり甘えちゃだめだよデオラデ君。
さぁ、僕の元へ来ることを決めたのかい?」
「はっ…!!」
目の前の弟の姿はそこにはなく、目の下に黒いクマが染みついた男の顔にすっかり変わっていた。
「どうして…っどうして、僕の弟を知っているんだ…っ。
も、もう一度だけ…ジュンニに…っ」
「はははっ。それは内緒さ。でも、君が僕についてきてくれるなら答えてあげないこともないけどね。」
「つ、ついていくって…?」
「この学園を出て、僕の元へ来るということだよ。ふふふ。」
「え…?」
「君が僕の元についてきてくれるのなら、君の願いを1つや2つ叶えられるかもしれない。」
「僕の願い…。」
僕は彼と目を合わせたくなくて、下を向いて目をぎゅっとつむった。
「でも…っ僕は…!」
頭にすっとよぎったのはハレベルさんの顔だった。
「一体何を迷うんだい?君は何のために生きている?何ための魔法を使って___何のためにこの人生を全うするのかな…?
わからないかい?そうかい…でもきっと僕の元へ来ればきっと…きっと答えがわかるようになるよ。」
「僕は…っ。」
「君が犯した罪の償いをしたくはないのかい?」
「はっ…!」
下を向いていた顔を勢いよくあげた。
「な、なんでそこまで…。」
「ん~。僕は君のことならなんでも知っているかもしれないよ。」
彼はにこりと微笑んだ。
どうしてどうしてどうして…・っ
ゴーンゴーンゴーンゴーン______
大きな鐘の音が鳴り響いた。
「何の音…?」
次の瞬間、僕の視界は一瞬で切り替わり…
実習前にいた大きな広間に戻っていた。
「じ、じっしゅうがおわったのか…?」
辺りを見回すと、僕らと同じ服を着た生徒たちがくたびれた様子で座り込んでいた。
一斉に森からトランスポートされたようだった。
「デオラデっ!!」
茫然としている僕に話しかけてくれたのはラムソ君だった。
「おい!大丈夫か!?心配したんだぞ!!」
ラムソ君の態度はいつもと違った。本当に、心の底から心配したといったふうで、ラムソ君にしては珍しく酷く動揺している感じがした。
「ご、ごめん…、心配かけてごめん…。」
「ったく…またボロボロじゃねーか。なにしてんだよ…。」




