8 記憶の欠片
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これは昔の記憶
僕が思い出さないように、思い出させないようにされている過去____
「デオラデ兄ちゃん!」
僕には、お兄ちゃんと言って慕ってくれる弟がいた。
その弟の名をジュンニと言った。
「本当にお顔も声もそっくりねぇ。侍女の私たちじゃまったく見分けがつかないわぁ~。」
屋敷ではよくそのような言葉を言われたものだ。
だってそう。僕と弟は瓜二つ。誰が見てもそっくりな双子の兄弟だった___
見分けるのはお父様やお母さまでさえ難しい。それくらい似ていた兄弟だった。
違うところと言えば、性格だろうか。
僕はどちらかというと内気な性格で、人と話すのはあまり得意ではなかった。
一方ジュンニは明るく、人懐っこい性格で甘えん坊だった。侍女たちからは特に可愛がられていた。
生まれてからというものの、長い時間を一緒に過ごした大切な弟。
この屋敷での生活はとても退屈だったけれど、ジュンニがいたから楽しく過ごせた。
一族の掟として、外の世界に出ることは許されておらず
いつも見慣れた風景ばかり見つめることしかできなかった。
僕にとってジュンニは変わらない日常に彩を与えてくれる存在だった。
弟は僕にとって大切な存在で、同じ境遇を分かち合える唯一無二の相方
ずっと一緒に過ごし、一緒に大人になっていくんだ
そう思っていた____
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「っはぁっはぁっはぁっ…!!!!」
「随分とうなされているわね。大丈夫かしら。」
フィリアは心配そうな顔でデオラデの顔をのぞいた。
「ん~。わかんねーけど、俺の治癒魔法で体力は回復していると思うし、ただ悪い夢でも見てうなされているだけだと思う。」
俺たちはあの後、森の奥でデオラデを見つけた。
地面に横たわりボロボロになっていたデオラデを抱え、人目につかなさそうな岩の暗がりに避難した。
そのころにはもう辺りは真っ暗だった。
「それにしても…ハレベルちゃんは帰ってこないし。私たちは変な人に絡まれるし。ちょっとついてないわね~。」
昼間に別れてからというもののハレベルは帰ってきてない。あいつ、どこでフラフラしてやがる。と俺は少しイライラした。
それに…、ケイトだって結界内を上から監視しているはずなのに何故現れないんだ…。
最初あいつはハレベルの姿に変身して俺たちに近づいてきた。
俺たちが気づかなかったらあいつは…あいつは夜な夜な俺たちに何かしようと企んでいたということなのだろうか。
狙いはデオラデか…?
俺たちは各々想いを巡らせながら一夜を過ごした。
実習合宿の1日目を終了し、残り2日となる。
俺は心の中でこんな実習早く終わってしまえ、と思った。
なぜなら、とても嫌な予感がしたから_____




