6 強行突破
強行突破…そう彼は言った。
「わぁっ…!!!!!!!!!!!」
彼は僕にめがけて突進し、深く蹴りを入れた。
い、いたい…
想像の何倍よりも深い蹴りだった。
「ちょっ!おまえなにしてんだよ!」
ラムソ君の驚いた声が遠くに聞こえる___
遠くに聞こえてしまうほど、僕は随分と遠くまで蹴り飛ばされてしまったようだ。
何度も何度も木々に当たって、かなり遠くまで来た。2人の姿はまるで見えなくなった。
僕の服や身体には無数の傷がつき、ボロボロになってしまった。
そして____
「さぁ、僕と戦おうではないか。くくくっ。」
蹴りを入れた彼の顔が瞬時に目の前に現れた。
彼はとても余裕そうな不敵な笑みを浮かべていた。
「ぁああああっ!!やっやめ…!」
彼は僕の首元を掴んだ。首元を掴まれたまま、地面にたたき落される。
地面は固くて、僕の一回りも二回りも大きい彼が上から乗っかることで
全身がとても痛かった。
一体…急になんだっていうんだっ
「んっ…!!」
強い力で首元を掴まれ、苦しいっ…。
「さぁ、魔法を見してくれないか。君はかなりピンチな状況だよ。
僕に魔法を見してくれたら、この状況から解放してあげよう。くくくっ。」
不敵な笑みでそういう彼は、とても怖い顔をしていた。
目の下のクマがさらに黒く見えた。
身体を彼の体重で押し付けられているせいか、どうあがいても苦しく、身体が悲鳴を上げていた。
「なっ…、なんで…。何で僕の…」
「君は随分と強い魔法を使うから、前々から欲しかったんだ。
実は内緒なんだけどね…。」
そう言う彼は、僕の首元をさらに強く抑え、僕の耳元に口を近づけて囁いた。
「僕はかつて君を見かけたことがあってね____。」
「…っっっ!!」
思わず息をのんだ。
なぜなら、目の前の彼が僕の予想だにしない違う姿にまた変身をしていたから。
変身した姿を見て、僕の顔は一変した。
「な、なんで…。」
「久しぶり。デオラデ兄ちゃん。」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!」
-----------------------------------------------------------------------------------
「おいフィリア!今の叫び声…」
「えぇ、間違いなくデオラデ君ね。」
随分と遠くまで離れてしまったと思ったが、デオラデの大きな叫び声は俺たちのところまで響き渡った。
「あいつ…何者だ…。とにかく、デオラデのところに急いだほうが良さそうだな。」
「えぇ。なんだか…いえ、とても嫌な予感がするわ。」




