4 別行動
異空間にトランスポートされて、たどりついた先は…
「ふん、いたって普通の森だな。」
ハレベルさんは辺りを見回すなり、すぐさまそう言った。
「わぁ~うれしいわね。なんだか、ちょっと学園の外って感じね!
プチトリップ気分を味わえるわ!可愛らしい鳥のさえずりも聞こえる!」
フィリアさんの言う通り、鳥のさえずりが聞こえた。
僕は、とても美しい壮大な自然に囲まれた場所だと感じた。
これは間違いなく学園の外…、でも、これは魔法で作られた空間。
作り物の空間とは思えないほど素敵な場所だ。
「ん~海も近いし、もしかしたら美味しいお魚が食べれるかもしれないわね!ワクワク!」
「えっ…魚とかもいるの…?食べれるの…!?」
「そうだよ~!楽しみでしょ?」
フィリアさんは優しそうに微笑みかけてくれた。
自給自足っていうのはそういうことなのか…。
す、すごい…。
「まず最初に伝えておくが、今回の実習で倒したい怪物のノルマは100だ。」
自然に圧倒されている僕を横目に、ハレベルさんは口火を切った。
「あ~めんどくせ。どうせハレベルはガチ勢だと思ったぜ…だいたい100って結構無謀なんじゃ…。」
「そんなことはない。前回は92だった。この数字を超える必要がある。お前たちは嫌ならそんなに無理をする必要はない。私が動く。その代わり、私の自由に行動をさせてもらう。」
彼女はそう告げると、魔法を使いスッとこの場から消えた。
「あいつ…団体行動とかチームで協力って言葉を知らないよな…相変わらずだぜ…。
まぁ、あいつのいう目標を達成するとしたら…ハレベルが90で残りの10を3人で割る感じだな…。」
「はっ、ハレベルさんは1人で大丈夫なの!?も、もう行っちゃったけど…。」
「あ?あいつは大丈夫だろ。どうせ夜になったらふら~と戻ってくるさ。まぁ、気が向かなかったら3日間別行動かもな。
お前は知らないかもしれないけど、あいつはこの学園の成績トップで…
とにかく頭抜けて強いんだよ。だから、心配なんてする必要はない。」
やっぱり…。
ラムソ君にそう言われて、深く納得をした。
じゃあ…やっぱり学園の外でハレベルさんと会うことが出来ていたのは
彼女が成績優秀だからということだったのだろうか。
「そうよ~。ハレベルの心配なんていらないわ。とにかく私たちは私たちのペースでやれることをやりましょう____」
フィリアさんがそう話した瞬間______
「フィリアさん!後ろ!!!」
フィリアさんの後ろにはあの時と同じ…
姿形は少し違えど、あの日見たのと同じような怪物が立ちはだかっていた。
「やだぁ…、もう戦はなくてはならないのね…。」
「…!?」
そう呟いた彼女に忍び寄る怪物は急に動きが止まり、苦しそうな顔をした。
そして、何をすることもなく怪物は目を白くして横に倒れこんだ。
死んでいるようだった。
「なっなんで…!?」
急に倒れた怪物にびっくりして僕は口をポカンと開けた。
「ふふふっ。ハレベルちゃんが気に入るのもわかるわぁ。かわいいわね、デオラデ君は。」
そういうと、横になって息絶えている怪物に刺さった針…大きな針を勢いよく抜いた。
「針…!?」
「そうよ。私の魔法は毒…。毒を作ることが出来る魔法なの。この針には怪物を即死させる毒が塗ってあるから、針を刺すと毒が回ってすぐに死んでしまうの。」
フィリアさんはいつもと変わらずニコニコの笑顔でそう答えた。




