3 さぁスタートです
実習開始日。
僕たちは大きな広間に集められた。
そこには、もうすでに30人…くらいの人数が集まっていて、どことなくチームで固まっている感じがした。
僕とラムソ君は広間に着くなり、ハレベルさんとフィリアさんと合流した。
広い広間の中でも、目立つハレベルさんとフィリアさん。
「フィリアは心配だわ~!もし、ハレベルとデオラデ君に恋の過ちがあった時にはどう対応したらいいのかしら!きゃーー!考えただけでワクワクしちゃう!」
「フィリア…お前は何のために実習に行くんだ…。」
隣でウキウキとしているフィリアに対して、飽きれたという顔をするハレベルさん。
かくゆう僕もラムソ君も、フィリアさんに呆れ顔をしていただろう。
「さぁ~だいたい集まったかな~。」
人数がそろってくるのを感じたのか、ケイト先生は広間の中心に立って、皆を座らせた。
「みんな朝早くからお疲れ~。今日からついに実習合宿だね!
じゃあ、ルールを説明しますよ~。
4人1チームで3日間を過ごす実習合宿ですが、魔法でトランスポートされる空間内では自給自足でなんとか生活してください。
ルールは簡単!3日間で多くの怪物を倒したチームが優勝です!
まぁいちよ言っておくと…怪物は僕らが魔法で作り出した幻影なので…ご安心を。なんてね。
ちなみに、トランスポート先の空間は結界が張られて出入りができなくなるので!」
ケイト先生は朝から元気よく、実習に関する説明をしてくれた。
「なぁ…デオラデ、これだけ聞くと、あんまり難しくなさそうって思うだろ?」
隣に座っていたラムソ君が急に小声で話しかけてきて、そう呟いた。
「…。」
正直、こういう実習に参加したことがないので、全くイメージがつかないというのが本音だった。
トランスポート?魔法空間?3日間の自給自足?
少しだけ楽しそう…と思ってしまった。
「今回の実習で大変なところは…そうだな、何が大変って怪物の取り合いなんだよね。数多くの怪物を倒したい、みんな一人一人がそう思っている。だから、怪物の取り合いなんだよ。どっちが先に手を付けた、などで喧嘩が始まったりしちゃうんだよ…。
過去には死人もでたとかなんとか…。」
「えっ!?そ、そんなに…!?でも、とはいえ実習でしょ!?
そんなに頑張る意味って…。」
僕はラムソ君の発言にびっくりした。
「いやぁ、俺もそう思うけど、やっぱり成績が良いとさ待遇も変わったりするんだよ。特にこの学園においては…。
成績優秀だと早く卒業出来たり、実家に1週間帰省する許可が下りたり…電話や手紙など連絡を取る許可が下りたり…。そういうのがさ…まぁ、そういうことをしたい人も多いんだよ…。
俺はまぁあんまり関係ないけど。」
そういうラムソ君の表情は少し悲しそうな顔をしていた。
「お前は17の時にこの学園に来たから、あんまり寂しいとか思わないかもしれないけど…だいたいこの学園に入学するのは小学生から~、それからずっと親元を離れている人にとってはこんなふうに目に見えて成績を上げられるのは絶好のチャンスなんだ。」
「そんな小さい時から…?」
僕は聞いた言葉にびっくりして言葉が出なかった。
そして、この国に住んでいるのに全くこの国について知らないんだな、と思ってなおさら悲しくなった。
ふと、斜め隣りにいるハレベルさんの方をみた。
もしかして、ハレベルさんが学園の外で会うことが出来ていたのは
彼女が成績がいいから…そういうことも関係してくるのだろうか…。
「さぁさぁ、質問もこれくらいにして…
それでは、そろそろ実習を始めますか。」
ケイト先生は指をパチンと鳴らした。
スタートの合図とともに、みなは一斉に異空間へトランスポートされた。




