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39発目 全国高等学校不良選手権大会 その4 私の知ってるハンマー投げと違う!

 この話には「んなこと、出来るわきゃねーだろ!!」という感じのあり得ないことが書いてあります。フィクションです。悪乗りです。お許し下さい。

『さあ、次の試合に参りましょう!次の試合はハンマー投げです!』

《おお!これはタイミングが要求されますね。》


 ハンマー投げか。パワー系だから、松谷に任せるか?でもさっきのことがあるからな・・・。常識は投げ捨てといた方がいいな。


『それでは各校は選手を二名選んでください。』


 ん?二名要るのか?二回ハンマー投げをするのか?何か怪しいな・・・。


「パワー系か・・・。なら、ここは俺が行くぜ、凛堂!」

「二名だからな。俺も行くぜ、兄弟!」

「あっ!二人とも、待って・・・」


『選手が決まったようですね。それでは移動をお願いします。』


 行ってしまった・・・。ああ・・・無事に帰ってきますように。


『では競技の説明をしましょう!まず一人の選手がハンマーを投げます。投げ方は自由ですが、より遠くに飛ばした方がいいでしょうね。』

《競技用のハンマーです。トンカチではないので注意が必要ですね。》


 その忠告は要らねーだろ!


『次に、そのハンマーをもう一人の選手が受け止めます。』

「!?」

『この時、ハンマーを落としてしまうと投擲失敗です。記録は残りません。上手く受け止めることが出来れば、受け止めた場所の距離が記録となります。これを交互に三回繰り返し、一番大きな記録を持っている学校が勝者となります。夢時さん!この競技、気をつけなければいけないのは、どういった点でしょう?』

《やはり、欲張らないことでしょうね。距離をとるか、それとも確実性をとるのか、それが問題ですね~。》

『なるほど、ありがとうございました!さて、選手が到着したようです!』


 ・・・ツッコミが追いつかん。何故この大会は正常な競技にアレンジを加えるんだ・・・。理解ができん。


「え~っと、競技用のハンマーは7.26kgだから・・・衝撃は・・・」


 入間が計算している。無駄だぞ・・・入間。普通に投擲したら受け止められる訳ない。


『まずは殴獄高校の投擲ですが・・・何やら相談していますね。』

《恐らく作戦を決めているのでしょう。お互いの意思を確認することは重要ですからね。》

『おっ!作戦が決まったようですね。松谷君が投擲に入りますが、浜笠君は落下地点に向かいません。夢時さん、これは?』

《殴獄高校は一発狙いですね!一投目は飛距離を見定めるのでしょう。どこにどれくらい飛ぶか分かりませんからね。いい考えだと思います。》


 ・・・あの二人、意外に考えてるな。こんな場面でも冷静だな・・・。


『さあ、殴獄高校の一投目です。』


 松谷はハンマーを持って回り始める。体を三回転ほどさせたところで手を離す。


「うおおおーーーっ!!」


 ハンマーは放物線を描いて落ちた。地面に・・・穴が空いたぞ。


『おっ!結構な距離が出ました!記録にはなりませんが、50mほど飛んだようですね。』

《松谷君は力を抜いて投げましたからね。本気で投げたら世界が狙えるんじゃないでしょうか?》


 松谷・・・校長室に金属バットを投げ入れたのは、伊達じゃないな。


『さあ、続いて酷凄高校の投擲です。おや・・・5m落下地点に人が入ります。夢時さん、これは?』

『酷凄高校は刻む選択をしたようですね。確実性を取りました。』


 相手はケガをしない選択をしてきたか・・・。さっきのバンジージャンプで大ケガしたばかりだからな・・・。無理もない。


『さあ、酷凄高校の一投目です。』


 酷凄の選手はハンマー投げではなく、砲丸投げの投げ方をするのか。まあ、距離と衝撃を考えるとそれが良いのかもしれない。


『おっ!上手く受け止めましたね~。酷凄高校、記録5m30cmです!』

《もう少し行けそうですね!》


 う~ん、堅実だな・・・。どうするんだ?一体・・・。


『さあ、酷凄高校が一歩リードで殴獄高校の二投目です。浜笠君、20m地点に立っていますね。』

《殴獄は狙いますね~。一発で試合を決めるつもりですね。》

『さあ、殴獄高校の二投目・・・・・・どうだ!?』


 松谷が投げたハンマーは真っ直ぐに綺麗な放物線を描いた。しかし・・・


『あ~っと!これはちょっと飛びすぎたか!?浜笠君、取れない!』

《力がありすぎましたね~。これは痛い失敗です。》


 ・・・というか、あの距離取れないんじゃないかな?浜笠がケガで済まないんじゃ・・・。


『続いて酷凄高校の二投目です。今度は6mくらいですかね~?落下地点に立っています。』

《殴獄が失敗しましたからね。ここは手堅く行くでしょう!》


 続く酷凄の二投目。先程と同じく砲丸投げの姿勢から繰り出す。レシーバーもキャッチして、記録6m20cm。これで後が無くなったな・・・。


『さあ、後が無くなりました殴獄高校。運命の三投目はどうするのか?おっと・・・浜笠君下がります。25mの位置に立った!』

《殴獄は賭けに出ましたね!》


 近づくんじゃなくて、遠ざかるのか・・・。飛距離はいいけど受け止められるのか?


『殴獄高校、松谷君。遠心力を使って・・・投げたーー!!どうだ!?』

《距離は良いですよ~!》


「うわっ!?」


 思わず声が出た。レシーバーの浜笠がハンマーを受け止めた瞬間、派手に吹っ飛んだからだ。おい!?正面から受け止めんな!死ぬぞ!?


『さあ、どうでしょうか?落としていなければ・・・』

《落としてませんね。これはすごい根性です。ナイスキャッチ!》


 モニターには顔を歪めながらもハンマーを受け止めきった浜笠の姿が映し出された。よく・・・生きてたな・・・。すごい漢だ!


 結局、この25m50cmの大記録を酷凄が抜けるはずもなく、私達の二勝目となった。いや・・・ホント、松谷も浜笠もお疲れさま。

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