15発目 ドキッ!不良だらけの目指せ、甲子園!乱闘もあるよ その3 練習試合・・・したいです
急造のチームで練習をすること一週間。雨の影響もあって守備の連係などは入念にできていない。ただ意外なことに全員飲み込みが速い。基礎体力もかなりある。伊達に不良はやってない、という訳か。まあ野球部の連中が一から練習しないといけない、というのがそもそもおかしいのだが……。
「なあ、凛堂。ちょっといいか?」
「何だ?入間」
「確かに基礎的なことは練習でもできるが、練習が上手いだけじゃ試合には勝てないぞ?」
「うーん、そうだよな……。ぶっつけ本番って訳にはいかないよな……」
「試合ができれば俺の分析力を使って各人の弱点補強をすることもできる。何とかならないか?」
そんな入間の相談を受け、悩んだ私は校長に相談することにした。
「……という訳なんです。何とかなりませんか?」
「ふむ……。そうだな……。心当たりが無いでもない。」
「本当ですか!?」
「うむ。私からお願いしてみよう!」
「ありがとうございます!」
この校長も良いところがあるじゃないか。クビにしろだなんて思って、ごめんなさい。
そして数日後、校長から報告を受けた私は、少し引きつった顔で部員に伝えた。
「「「「「「「何ぃーーーーっ!?桜国高校とーーーー!!?」」」」」」」
「そうだ。そこの……桜国高校だ」
私は桜国高校の方を指して言った。私だって、よく分からないんだ。どうしてこうなった?あの校長に任せたからか?
「女子高じゃねーか!!」
「桜国高校には硬式野球部があるんだって。まあスポーツ学校だから、あっても不思議じゃないが」
むしろ不思議なのは、この不良高校との練習試合をよく引き受けてくれた。この一点に尽きる。
「やっべー、桜国か……。俺、何着て行こうかな?」
「ユニフォームに決まってんだろ、阿部!」
「俺はバラの花を持っていくぜ!」
「お前が持って行かなきゃならないのは、バットだよ!ハゲ!」
「ハゲじゃない!スキンヘッドだ!」
「うるせーよ!」
何しに行くんだよ、お前らは!デートじゃねえんだぞ。まあ、ひょっとしたら一生縁のない桜国と接することができるからテンションが上がるのも理解はできる。私はちっともテンション上がらないけどね。
「腕ガナリマース!」
「アブ、それは腕が鳴るんじゃなくて指が鳴るって言うんだ」
指パッチンでも教える気か?アブと雷同は相変わらず平常運転だし……。まあ……ともかく
「データ取りは任せたぞ、入間。」
「ああ、任しとけ!」
「女子相手に投げるのか……。ちょっと気が進まないな」
「桜国か……。あれ?もしかして、凛堂の彼女とか来るんじゃね?」
「へっ!?松谷くん、何を言ってるんだい?彼女は忙しくて来れないよ?」
「へー、凛堂、お前桜国に彼女いるのか……。ん?っていうか、練習試合はいつなんだ?」
あれ?そういえば……私も知らないな。校長に聞くの忘れてたぞ。
「おーーーい!凛堂くーーーん!」
「あれ?校長じゃねーか」
遠くから校長が全力疾走してくる。途中で何回か、膝に手をつきながら走ってくる。ここのグラウンド、無駄に広いからな……。
「はぁ……はぁ……」
「どうしたんです?校長。」
「練習……試合の……日時を……言うのを……忘れて……おった……」
「落ち着いてください、校長!」
「わ……分かった」
「それで、いつなんです?練習試合」
「明日じゃ!」
「ふざけんな、このポンコツ校長!!」
「お前も落ち着け、凛堂!」
という訳で、練習試合は明日です。




