13発目 ドキッ!不良だらけの目指せ、甲子園!乱闘もあるよ その1 前途多難
「くっそー!何で私がこんなことを……」
誰もいない教室の中で私は書類に目を通す。この学校の部活動記録だ。確かに記録を見る限りはスポーツ学校だったようだ。特に野球部が強かった。甲子園に出場したこともあるらしい。スポーツ学校としての栄光を取り戻すには、うってつけの部だ。私も押し付けられたとはいえ生徒会長になってしまったからな。学校改革には積極的に取り組むぞ!よし、まずは野球部だ!……と言うか、野球部以外は全部出場停止食らっているから他に選択肢は無いけど。
「頼もう!」
私は元気よく野球部が使っている部室のドアを開ける。さて、どんな練習をしているかな?まさか、この不良高校に喧嘩以外でドキドキできる要素があったとは……。
「ローーーン!清一色、一通ドラ1、倍マーン!」
「ゲッ!?マジかよ……」
「ヨッシャ、脱~げ!脱~げ!」
「男だけで脱衣マージャンしてんじゃねえーーーー!!!」
私は机を派手に蹴飛ばした。ばら蒔かれた麻雀牌が元気よく窓ガラスを破り、部屋の外へと飛び出した。
「な……何だよ!?」
「何だよ、じゃねえ!ふざけんな、お前ら!私のドキドキを返せ!」
「お、お前は『アンタッチャブル凛堂』!?」
「知ってるのか!?雷同!?」
「知らん」
いや、お前は絶対知ってるだろ!私のこと通り名で呼んだじゃん。適当な奴等だな……。
「お前ら、そこに並んで正座しろ!いや待て。お前はまず、服を着ろ!パンツ一丁じゃねか!どんだけ弱いんだよ、麻雀」
私は四人を正座させた。そして順番に確認していく。最早、嫌な予感しかしない。
「まず、茶髪!名前とポジション!」
「阿部雄介。ポジションはキャッチャー」
「はい、次!そこのハゲ!」
「和田知男。ポジションはセンター。髪型はスキンヘッド」
「聞いてねえよ!はい、次!ボンバー頭!」
「雷同守道。ポジションはセカンド。好きな女性のタイプは包容力のある人。」
「お前ら、聞かれたことだけ答えろ!最後!・・・アンタ」
「アブドーラ・ゴーダ、デース。ポジションハ一塁手デース。皆カラハ『アブさん』イワレマース!」
「日本人じゃねえーーーー!!!」
コイツらホントに野球できるの?明らかに日本人じゃない奴もいるけど……。あれ?四人?
「おい……他の奴等は?」
「いないよ。これで全部だけど?」
「お……お前ら……野球は何人でやるか、知ってるか?」
「ソレグライシッテマース。九人デース」
「それは違うな!!」
ボンバー頭、雷同とか言ったな。何を言う気だ?
「野球は九人だけでやるもんじゃねえ。いや、やっちゃいけねえ!」
おっ!もしかして、ベンチにいる人間とか、ベンチ入り出来なかった奴等も戦ってると言いたいのか?なかなか良いこと言うじゃないか。
「野球は十一人でやるもんだろ!」
「はい、失格!!」
丸いモジャモジャ頭めがけて飛び蹴りを繰り出した。それはサッカーだ!雷同、お前ボールな!間違いない。コイツら野球分かってねえ!




