表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/49

10発目 凛堂の家に行こう! 後編

 そして土曜日。岸那、松谷、入間の三人は手にコンビニの袋をぶら下げてやって来た。飲み物や食べ物を用意して来てくれたようだ。


「お邪魔しま~す」

「おっ、意外に綺麗じゃねーか」

「棚の中の漫画、全部少女漫画だな……」


 靴を脱いで入った三人は、思い思いに部屋の中を見て言う。


「ん?バイク雑誌か。凛堂、お前もバイクに興味あんの?」

「あ、ああ、興味というか……この間乗った時に、な。まあ金が無いから免許を取るとしても大分先だな」

「そうか。まあ、取りたくなったら俺に言ってくれよ。安いところ紹介してやるから」

「ああ、その時は頼むよ」


 岸那嬉しそうだな。もし免許を取れたら一緒にツーリングするのも良いよな。……完全に男の青春だけどな。でもバイクに乗る女子がいたって変じゃないだろ。


 その後の話題は他愛もない事だ。バイクの話もしたし学校の気に入らない教師の話もした。薫ちゃんの最近の様子も聞いた。とりあえず元気そうで安心した。そして話題が現在の殴獄の状況に及んだ時、入間が深刻そうな顔で言った。


「凛堂、お前完全にマークされているな」

「俺が?何で?」

「お前が次々と一年を撃破しまくったせいだ。近々、上級生に呼ばれると思うぞ」

「うわ……面倒くさっ!」


 何?そのステップアップ。いらないよ。私は無事に高校を卒業したいの。人生のステップアップをしたいんだよ。


「まあ凛堂だったら、良いとこまで行けるんじゃね?」

「完っ全に他人事だな、松谷。殴るぞ」

「俺はお前に一撃KOされてから、トップ取りに興味を失ったよ」


 諦めの松谷。


「俺は元から興味ない」


 無欲の岸那。


「俺はお前に期待している。この入間勇気の目に狂いはない!」


 そして委託の入間。お前ら、言いたい放題だな。いたいけな乙女にそんなものを託すな!でも元はと言えば私の失言のせいなんだよなあ……。


「まあとりあえず、それはそれとして……」

「あれ、いっちゃいますか?」

「せーの……」


 ん?どうした、お前ら?まさか……


「「「エロ本発掘タ~~イムッ!!!」」」

「ほらよ!」


 私はエロ本を投げて渡した。即終了だ、そんなもの。クローゼットの中を見られる訳にはいかんのじゃ!


「えーーーーっ!?それ無いわーー、凛堂……」


 三人のテンションが目に見えて落ちていく。萎えるというやつだな。って、お前らその割には本に食いついてるじゃねーか!『おおーー!』とか『これはこれは……』とか言ってんじゃねーか。こら松谷!微妙に腰浮かせるんじゃねー!


 そんなこんなで、くだらない時間はあっという間に過ぎていった。このまま何事もなく終われる……そう思っていたのだが……。


「そういえば凛堂。一つ気になることがあるんだが……」


 唐突に岸那が言い出した。


「うん?何?」

「お前、一人暮らしだよな?」

「そうだけど?」

「じゃあ、朝から外に干しっぱなしになっている女物の下着は何だ?」

「ファッ!?」


 私は振り返ってベランダを見た。女性用のパンツとブラジャーが仲良く風に揺られていた。あ……忘れてた……。昨日部屋の中を片付けた時、せっかくだからと洗って干したんだった。夕方に干したから……すっかり……忘れてた……。葵ちゃん……失敗……失敗。


「凛堂……お前……まさか……」


 三人とも疑いの眼差しで見ている。オワタ!これはアウトでしょ。ご愛読ありがとうございました、凛堂葵先生の次回作にご期待ください!……そんな感じだ。


「まさか!彼女がいるのか!?」

「……は?」


 あれ?どうなってんだ?何言ってんの岸那くん?


「あれ、彼女の下着だろ!」

「あ、ああ」

「何だって!?一体誰だ!?まさか……桜国生か?チクショウ!ちょっと顔がいいからって……。悔しいですっ!」


 お前も結構食いつくな……松谷。お前は桜国生の彼女が欲しいのか?つーか、泣くな!


「なるほど……棚の少女漫画は彼女の趣味か。おかしいとは思ったんだよな」


 入間、お前も変な納得の仕方をするな。それは私の趣味だ。悪かったな!


「「「それで?彼女と、どこまでいった!?」」」


 ……お前ら仲いいな……。これが男子特有の団結力ってやつか。


 結局、私は桜国生の彼女がいることになった。嘘の上塗りだ。昔からよく言うよな……。一度嘘をつくと後が大変だって。ホント、そう思う。もう二度と人を家に呼ばないと決心した日になりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ