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2-9話 復讐はお好き?


また翌日。



寝る間際、借りてある部屋の入り口にデモンさんが来てノックした。



部屋のふすまから顔だけを出すといきなり三千円を渡された。



「アイツが明日は飯作んなくていいから買って来いだと。朝二人分と昼飯三人分だから」と言われ「分かりました」と受け取り、次の日の午前中イブ以来行っていないコンビニに行く。




ここはメイド喫茶に近く苦い思い出がフラッシュバックしてくるが選ぶ事に集中しなければ。



そう奮い立たせコンビニに入る。



しかし入ってしまえばコンビニは長居するものである。



朝は軽めにサンドイッチ、おにぎりを選ぶと昼食の三種類の弁当を買う。



ふと私用に買い物する為にスキンケアコーナーに寄ると横の本棚に気になる本を見つけた。



『カクテル辞典』と雑誌のタイトルに惹かれて中を覗くと様々なバーの紹介が初めにあり次に家で作る簡単なカクテルがあり中でも興味深かったのはカクテル言葉だ。



写真と共にカクテル言葉や材料が書いてあり見やすいようカクテルの色ごとにいろんな言葉が載っている。



昨日デモンさんに作ってもらったカクテルが気になったのだ。(えーっとグレープ・・・、なんだっけ)とページをめくると『働く事が好きな活動家』とあり

デモンさんはやっぱり見かけによらず「たらし」なんだなと思った。



そしてちゃっかり本も買ってしまった。



早く帰ろとコンビニを出る。しかし一歩外に出ると私は固まってしまった。



「あいりい?」

ふゆゆだ!



「どうして」なんでここにいるのかと言いたげな目に囚われたが私は次の瞬間全速力で駆け出した。



(ヤバい!ヤバい、ヤバい。見つかった!)

ダッシュをして信号でふゆゆを巻けたが多分居場所はバレたかもしれない。



結局三日前以来スマホにメッセージが来てるのは分かっていたが中身は開いてない。



(やっぱりバラされるかな?というか私行方不明扱いになってないよね?警察とか来るかな?折角広報に任せられたのに)



そんな事が頭に巡り気がつけば夕方になっていた。

「木下さん!」と店長に呼ばれて目の前でヒラヒラと手を振られて皿洗い中だった事に気づく。



「大丈夫?体調悪いなら今日は休んで大丈夫だよ」と心配されて「大丈夫です」と言ったものの店長は誤魔化せてない。



「これ、終わったら休憩貰っていいですか?」と店長に了承を得て自室に賄いを持って入る。



しかし食欲がない。しばらくするとふすまの外からデモンさんから声をかけられてた。



「何かあった?」と声を掛けられる。



「バレたかもしんない。ふゆゆに。コンビニで会って逃げたけど多分すぐに場所特定されるかも・・・ 。

出ていかなくちゃかもしれないです」とぽつりぽつり告げると「あてはあるの?」と聞かれ「ないよ!けどホテルとか借りるしかないでしょ」と勝手だがヒステリーになり内心申し訳ないが言葉が強くなる。



デモンさんは何も悪くない。



でも押し掛けて居座って勝手すぎるけど追い出されたくない。



しかしデモンさんは「何でお前が逃げるんだよ。悪いのはお前の彼氏だろ」と言われたじろぐ。



「勝手に出て行ったしバイト辞めた。戻っても気まづいしそんなの地獄でしょ」と弱音が出た。



「地獄だったらこんなとこで拗らせてる暇なんてないな」とデモンさんに言われてさすがに言葉を選べとカチンとして来た。



これには一言直接返したくガラッとふすまを開けて「そんな風に言わなくていいでしょう!」とデモンさんに当たる。



するとデモンさんに口を塞がれ「下(店)に聞こえる」と静かにするよう促される。



「大体、デモンさんはもっと女子はデリケートに扱うべきです」

今度は通常の声量で抵抗すると「成人過ぎて女子は痛い」と言わ言葉にまた大声でキレそうになると「はっ、はは!」とデモンさんが初めて笑った。



その顔は悪戯な猫みたいでふいに(かわいい)と思ってしまった。



しかしすぐ我に返ろうとすると「俺にはキレて『あーくん』にキレないのおかしくね?」とまた図星をつかれる。



「だって、確かに浮気してたよ。許せないし・・・ 。

でもなんでの方が大きいんだよ」



ゆいピの事もそうだ。



尊敬されて嬉しかったけどあれは本心だったのか、あーくんに対して負けないの意だったのか。



昨日はデモンさんに言えなかった本音と涙が一気に溢れ出す。



いつからあーくんは私を気になって、どっちから告ってどういう理由でOKしてあーくんはどこで私じゃなくてゆいピを好きになったのか。



今となっては過ぎてどうでもいい事だが店の看板だった事にあぐらをかかないと言われたら嘘じゃない。



いつあーくんを誰かに取られてもおかしくなかったのだ。



デモンさんは泣かれて戸惑っていたが動揺していたのが落ち着いたかと思うと部屋にティッシュ箱を取りに帰るとスッと箱ごと渡してくれた。



少しして落ち着きを取り戻す。



「ありがと」とお礼を言う。



「べつに。お前みたいに酒出すと泣く客が意外と多くて慣れた」と言われ安堵しプッと笑いが出た。



「なあ、復讐に興味はあるか?」とデモンさんは何か楽しく企んでいる表情を浮かべ自分に質問する。



「なに、暴力とかそういう事じゃない。むしろあーくんと女の本音は聞き出すのはお前に痛みは伴うが」と聞かれゴクリと喉が鳴る。



「それだけ?」

と聞くと「ああ」とデモンさんが頷く。



「分かった。お願い」と言うとデモンさんはニヤッと満足そうに笑い「じゃあ合意は得たからな」と言うとスタスタ店に降りていこうとし途中「あ、お前は明日朝から不動産屋な」と言われ今度こそ下に降りて言った。

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