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2-3話 彼氏の浮気疑惑が黒確定しました。 



「成る程。失恋して帰る家がない」

「はい」



あれから五分。事の経緯を告白すると二人は困った顔になった。



「・・・ いや、実際現場見てないなら勘違いじゃない?」



ウエイターは話を聞くと少し目を開いて無言だった。同情してくれているのだろうか。



しかし店長の反応は違った。



「だってまだ黒か分からないじゃん!このまま終わらせて何もなかったら上手くいってたのに、ほらスマホに見てみたら?」

と言われ動揺する。



まあ一人で見るよりは気が保てる気もする。

意を決してアプリを開くとズラッとメッセージが画面を埋めていた。



『大丈夫?あと十分したら警察呼ぶから!』と書いてあり反射的に『大丈夫!』と返信してしまった。



その画面を店長とウエイターに見せる。



とりあえず、仕事場から消えて食事してたとは言えない空気だ。



「とりあえず病院行っていたって事にする」

あーくんには『ごめん!みんなにプレゼント買いたくて近くのコンビニ走っていったら気分悪くなっちゃって病院行く事になってスマホ見てなかった』

ひとまず嘘はいれたが返信は返せた。



メッセージを送り「とりあえず、今日は早く帰らなきゃだね」と店長に言われ不本意だが嘘のメッセージを送った以上帰らなければ行けない。



「話聞いてもらってありがとうございました」



(本当はもっとここにいたい)



そう思ったがお辞儀をし店を出る。二人は出口まで送ってくれて

「大丈夫だって、それかなんかあったら家がなんとかしてあげるって!ほらうち人出欲しいって言ってたし」 



(ん?自分の店なのに〝言ってたし〃?)

と気になったが「ありがとうございます。またご飯食べに来ます」



ご飯は本当に美味しかったので贔屓にしたい。

「うん、またよろしく〜」と引き戸を開けようとすると「待った」とウエイターに呼び止められた。



「え?」何か忘れ物があったかと思い彼を見ると手には透明なセロファンにラッピングされたトナカイや南天の実をかたどったアイシングクッキーが数個入っていた。



「かわいい・・・ 」




「コイツが作った」と店長を指差すと「味も美味から食べて、食べて」と店長が勧めてきたので「店長何でも作れるんですね!」と言うと「あんま言うとコイツウザくなるから」とウエイターが苦言をこぼすと「ウザくありませ〜ん。マジで美味いだけで〜す」とウエイターに返す。「ほら、ウザ絡み」とウエイターがまた苦言を吐いたのでクスッと笑いが出た。



「はい。帰りながら食べます」

そう言って出口から外に出て二人に会釈する。



「またね〜」と店長が手を振りウエイターは軽く会釈し私は進む気はなかったけど家時にタクシーで無事に帰る事ができた。



二人にもらったクッキーは美味しくて満腹なのにすぐ平らげてしまった。



「愛莉、心配したー!」よかったーとあーくんに抱きつかれる。大丈夫?どこか痛くない?執拗に心配してくれるあーくんは忠犬みたいでかわいい。



(・・・ やっぱり勘違い、なのかな?)



「大丈夫。少ししたら病院で治ったし帰ってきたから」

と言うと「じゃあなんか食べたりはできる?」と聞かれ「うん。少しなら」と答えると「少しかあ」と何か思わせる回答が返ってきた。



「いや、バイトの子にケーキもらったからさ。一緒に食べようと思って」冷蔵庫に入れてるんだけど。



ケーキ!と反応したが魔窟でたらふく食っている。



「食べたいけど明日にしない?」確か冷凍庫に保冷剤は残っていたはずだ。



「分かった。起きたら一緒に食べよう」そうあーくんは返事すると「ほら荷物は持って帰ってきてるからお風呂入るんだよー」と言うと二人で使ってる寝室に行く。



起きてるからと律儀に言ってくれるあーくんは優しい。



(やっぱり私の勘違いだったのかな?) 



そう思うと感情が忙しい一日で疲れを取って早く寝たい。



寝巻きをとってお風呂簡単に入って冷蔵庫を開けるとケーキの箱が入っている。



一人様にしてはデカい。



確かにあーくんは甘いもの好きだけど。



リビングのテーブルにケーキが入った箱を置き保冷剤追加しようとする。



しかし箱からケーキを出すとまた黒い感情が取り巻く。



チョコとイチゴのケーキの上にサンタとトナカイが可愛く載っている。



もみの木の間にはダークチョコレートの板には『♡♡♡Merry Xmas♡♡♡』と書かれていた。


ゆいピの字だ。

ただの店長に♡はこんなにもつけるのか? 

 

たしかに自分もメニューにケチャップやソースをかける時は書くが♡が多い。



(あーくんもどんなつもりでもらったんだろ)



楽しみにしてたケーキだが食欲が減退される。



保冷剤なんて入れなくていい。傷んでしまえ!!



雑に箱にケーキを直し冷蔵庫に突っ込む。



あーくんのいる寝室に戻る。



「上がったよ〜」努めて明るい感じでドアを開けるとあーくんはスッとスマホを横に置きおいでと布団を巡り招き入れる。



「なんか見てた?」と聞くと「一応バイトの子に愛莉から連絡あったってグループラインで送って返事返って来てたから送ってた」



「そうだった。ありがとう。私からも送らなきゃ」

そう言ってメッセージを打ちながら「ねえ、あーくん」と明るい調子を崩さず質問する。



「ケーキ誰からもらったの?」そう言うとあーくんの目が一瞬下に泳いだ気がした。


「あー、うん・・・ 」

「ここねとかグミとか?」


ふゆゆはプレゼントはあげるよりもらう派だ。



そんな事する子じゃないので名前は控える。



「あー宮下さんからはこれ貰った」と靴下を見せると見てよーとここねから貰ったクリプレを見せて来たので話に乗る。



宮下はグミこと宮下めぐみだ。



(あーくん、言いたくないんだ)



「ちょっとトイレ〜。先に寝てて」と断りトイレに篭る。



カラカラ!とトイレットペーパーを乱暴に巻き顔に当てる。



「こんなの黒じゃん」



トイレに持って入ったスマホの通知にはふゆゆからあいり無事でよかったー!マジ心配さすんな。

と返ってきていた。



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