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2-2話 メリークリスマス!お客様


神様なんてクソ喰らえ!まー元からいないけど。

またクリスマスイブなのがさらに憎らしい。



本来なら今頃帰り着いて準備が終わって彼が帰り着く頃だ。



彼からの着信とラインがコンビニにいる時から止まなくて通知オフに一回したが暫くは冷静になりたくてアプリを開きたくない。



これからどこに行こう。



ここは駅近だと思われるがどこなんだろう?



ぐううう〜っと情け無い音がする。



メイドも人間だ。昼は少ししか食べなかった分失恋したのに腹は空く。



真っ直ぐ歩くと駅に着く。



(早く座ってくつろぎたい)



そう考えてるとオレンジ色の灯りが漏れてる建物、というよりは戸建兼店舗と思われる側を通り過ぎる。



通り過ぎてまた引き返し中を見る。




そうしているとカップルが店から出て行くのが見えた。



それを見て少しイラッとしたが驚いたのが店の様子がチラっと見えた事だ。



カウンター席に反応する。



人がチラホラ座っていて殆どそれぞれ一人で来てますという雰囲気だ。



入り口に近づくと立て看板にクリスマスディナー千五百円!お一人様も大歓迎♪

と書かれている。



これは入れという事か?



そうして入り口で迷っていると



ガラッと引き戸が開いて

「じゃあ、店長メリクリ〜」

「メリクリ〜!またね〜!」と短髪の爽やかそうな短髪の男性が挨拶をし一人客が帰っていくところだった。



開いた引き戸の奥にカウンターがチラッと見える。



先程お客に挨拶をしていた短髪の男性はすかさず私に気づくと「よかったらお一人様でも大丈夫ですよー」と声かけをしてくれる。



「あ、えっと」



突然の事だったので戸惑っていると「ごちゅうもーん」と今度は短髪の男性とは対照的なウエイターらしき人が間に入ってきた。



「分かった、分かったから」

と短髪の男性はウエイターらしき人から伝票を受け取るとカウンター奥へ走る。



側に来たウエイター?は「一元でも大丈夫だから、もうすぐオーダーストップだし」と言うのでせっかく二度も声かけをしてもらったから入ろうとするが今手持ちが少ない事に気づく。



「あの、私電子決済なんですけど大丈夫ですか?」と先程の前髪の長い方の人に聞くと振り返り「ちょっと待て」とタメ口をたたかれたので呆気に取られていると「おい、支払いの件だが」とキッチンにいる短髪の男性、コックに電子での支払いはできるかと聞いていた。



新人なのかなと二人を見守っているとあー、ハイハイ俺が精算するからとコックが彼に話す。



精算できるんだ。っというかコックの仕事多くないか?なんとなく格好で気づいたが前髪が長い彼がウエイターで、そんな彼にレジをさせないのは彼の成長に繋がらないのではないか。と余計な事を考える。



「大丈夫ですよ」とコックが答えてくれたのでウエイターにカウンター席を案内される。



店内は私以外に数人が間隔を空けて座っている。



「上着」とウエイターがハンガーを持って来たが下はメイド服。



暖房は効いているが暑すぎず丁度いい。



食べて暑くなったら渡そうと「大丈夫です。後で渡すかも」と言うとハンガーを入り口隅のクロークに戻す。



ウエイターが水を出しカウンター席に座り改めてメニューに向き合う。



『クリスマスディナー千五百円 一元様可』と白い紙に印刷されている。



他にも通常のメニューにも目を通したが様々な種類のメニューがある事が分かった。



でも、今日はクリスマスイヴだ。



「これをお願いします」



ウエイターにメニューを指差し注文すると「はい」とウエイターは注文表をキッチンに運ぶ。


実はなんとなくだが入ってから他のお客が食べてるのをチラッと見たからなんとなく彩りが豊かなセットメニューという事は分かっている。



キッチンに面してるカウンターなのでいい香りが漂い、カウンターには機敏に調理するコックにマイペースに接客するウエイターがいてあに♡ラブとは違う独自な雰囲気がある。 



ここと自分のメイドカフェじゃ強みが違う。



個性にすら違いがあるがお客様、ご主人様をを持て成すという面では同じだ。



(ウエイターはちょっとマイペースだけど)



タメ口だったり、来る客が常連なのか、いいお客なのかウエイターがお客と雑談していても会話についていけないところで戸惑っていても話題を変えたりウエイターについて聞いてきたり気を遣わされてるから!店は長くあって彼が世間知らずな新人だとか?と邪推してしまう。



そうしてる間に調理は終わりウエイターがメニューを運んでくれる。



「クリスマスディナーです」とカウンターに並べられたメニューに「わ」と感動する。



レモンとハーブの香りがする唐揚げとライス、オニオンスープ星形のにんじんやコーンがカラフルなツリーに見立てたポテトサラダもあり、玉ねぎのスープやフルーツもあり実に賑やかなメニューだ。



しかしカトラリーではなく木製の箸が横に並べてもらってるので洋風ディナーが和風の定食ディナーにも見える。



カシャとカメラロールに収めると

「デザートに後でケーキをお出ししますね」とコックが言ったので「え!デザートは頼んでませんけど?」と尋ねると「コースのヤツのだから」とウエイターがコックの代わりに答える。



すごい、リーズナブルなのに目の前の料理の品数に千五百円という値段に驚きを隠せない。



改めてメイドカフェの方がここよりメニューの値段が高い。たとえばオムライス。

アニ♡ラブは千円だ。ソフトドリンクは六百円。

メニュー以外にも入館料が必要でチェキやなんやで一通り楽しむには三千円以上かかってしまう。



決して他の店よりも高い金額を設定してる訳ではない。



他のジャンルの違う飲食店と比べてもしょうがない。



(そうだ。もうあそこには戻れるか分からない)

いきなり出て行って大丈夫だろうか



トイレでチラッとスマホを確認した時にふゆゆから『どこ行った?』大丈夫ー?とメッセージが入ってるのを見た。



今頃あーくん達と探してくれてたりするのかな?と考えると黒い感情が湧き出て来てまた涙目になりそうになる。


泣きそうになるのを止めるため、目に力を入れ目の前の唐揚げをいただきます!と心の中で手を合わせかぶりつく。



うっ!

(うまーーー!!!♡♡♡)

レモンタレが中に凄く染み込みかつ肉の旨味が際立つ。



ライスも丁度いい食感で唐揚げとポテサラに合っている。



まさにライスは唐揚げとポテサラを食べるにはなくてはならない食べ物だ。


ポテサラはよく作るとあーくんは喜んでくれた。



『そんなに凝ったの作らなくて大丈夫だよ』って。



でも好きでよくにんじんを花や星形に抜いてこんな風に作っていた。



『好きでやってるから』

と言うとあーくんはどこか困ったような表情を見せたがすぐ『美味い』と絶賛してくれた。



いけない。

今は思い出さないようにしないと。



量も食べ切れるかなと思ったが丁度良くスープを飲んでいると普段自分で作ったりまかないやコンビニ飯だったので余計に美味しさを感じる。



しばらくお腹いっぱいで至福な時を感じたい。

そう思いスープが飲み終わり次にケーキが運ばれてくる。



もうその頃になると店には自分一人しかいなくなってしまっていた。



ケーキは生クリームとイチゴのスコップケーキでテッペンにクレジットにメリークリスマスと載っている。



イチゴとクリームが甘くて幸せだ。



「美味そうに食うな」



どこからか声が聞こえたので入り口を見るとウエイターに見られていて呟かれたようだった。


「あ、はい。凄く美味しいです」

あんまり見て欲しくないけど。


そう思ってると前からコックが「ありがとうー!」と嬉し泣きをしていたので「大丈夫ですか?」と聞くと「うん・・・ 。大丈夫ー」グスッと涙をティッシュで拭くコック。



「最近出来たばかりだからそう言ってもらえると嬉しいです!」とコックは美味しいと言われたのが

嬉しかったのかまだ目にうっすら涙が浮かんでる。



「ウザ」

横からウエイターが物申す。



「うるせ〜」とコックとウエイターのやりとりを聞いてると仲がいいのか悪いのか。



いや、一緒に仕事してるから悪くはないのかな?

と思えて来た。



「仲いいんですね」



そう言うと「「全然」」と巻末入れず二人は答えてコントかよ。と思ってしまった。



「違うって、俺はあくまで雇い主。こいつはバイトだから」と言わウエイターは「へいへい」と言っている。



「え、じゃあ店長さん?」と聞くと「うん。あ!やっぱり見えないかなー」なーんか他のお客様からも言われちゃうんだよねえ。

コックと思っていた店長はのんびり答える。



(それはウエイターの方がクセが強いし相互間がなんか逆転してる感じがするんだよな)

口には出して言わないが。



そう思っていると「今日はこれからもう帰る感じ?

」と聞かれ「あ〜・・・ 、まあ、多分そんな感じです」曖昧に答えるとウエイターは

「なんだ、訳ありか・・・ 」

と呟く。

「あはは・・・ 」

話くらいは聞いてもらえるだろか。


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