文化祭当日 5
「あ、やっと来ましたね。遅刻ですよ」
「す、すみません」
急ぎ足できた俺を見つけた風紀委員長がめって感じで叱ってくる。
な、なんだ。その可愛い仕草は・・・・・・
「では、全員そろったことでこれからの段取りを説明します」
風紀委員長は周りに集まった皆に向き直った。そこには小さくてかわいい娘や長身でスラっとスタイル抜群の先輩っぽい人、ミスコンに意気込んで出場したと思わしき人、何か間違った感じに極めてきた人などなど数十人がいた。
まあ、見るからにモブの人の説明はいらないよね??
「まず司会は私が勤めます。そして審査委員三名が得点を付ける感じで進めていきます。あなたたちはまず、一人一人順番に壇上に上がってもらい、アピールそして何か一言、言ってもらいます。まあ、ミスコンなのでセクシーな感じでお願いしますね」
「せ、セクシーですか?」
小さい娘が聞いた。
「もちろん可愛いでもいいですよ」
「そろそろ準備始めてくれ」
生徒会長の一言。まだ十分くらいあるけど・・・・・・
「皆さん恰好はそれでいいですか?」
「私は中に水着来てるから脱いで出場するぜ」
セクシーな先輩は水着で行くらしい。グラビア並みの体型だから十分な破壊力がありそうだ。
「私はこのまま」
小さい娘はその黒を基調としたロリータっぽい衣装で行くのか。さすが自分の武器をわかっている・・・・・・
「あ・・・・・・はい」
と、人の解説ばかりしていたが、しまった。メイド服のまま来てしまった。
本当はお嬢様風コーデの服持ってきていたんだけどな~。べ、別に違うよ。孤高の黒姫なんて言われたから用意したわけじゃない・・・・・・よ。
「では順番ですが・・・・・・めんどくさいので上級生が先、クラスは一組からでいいですかね」
「問題ないぜ」
「わかった」
「では、森山先輩からお願いしますね」
「わかった」
・・・えっ!?
あの小さい娘、三年生だったの!?
見えない・・・・・・・・・・・・
「では、スタッフの合図でお願いしますね」
そう言い残し、風紀委員長は壇上に出ていった。
壇上にはステージ中央に備え付けのマイクが立っていて、ステージ脇に審査委員の席が三つ用意されている。
「お集りの皆さま、大変お待たせしました。それではミスコン、始めたいと思います」
風紀委員長の司会が始まり、観客からは盛大な歓声が聞こえる。
「ではまず始めに、審査委員の紹介をさせていただきます。左から、生徒代表、生徒会長。中に先生代表、保健の先生で知られる、花崎先生、そして最後に、右、校長先生。今回はこの三名に審査していただきます」
「よろしくお願いいたしますね」
「ではさっそく行きましょう!」
「お願いします」
風紀委員長の声が聞こえると同時に、スタッフが合図をくれる。
そして森山先輩がステージに向かった。
「一番。森山ちなみ」
森山先輩はかわいらしく一回転し、観客に向かって笑顔。
な、慣れている・・・・・・
「みんな~。応援してね~~」
「おおおお~~~」
森山先輩はステージから下がった。
ステージから下がる前にスタッフから合図が出る。どうやら間髪入れずにどんどん行くらしい。
「よっしゃ、行ってくる」
上に来ていたTシャツを脱ぎ捨てて出ていった。
「二番。安藤かなみ」
安藤先輩は水着を生かすように、グラビアアイドル顔負けの決めポーズをいくつかやって、最後に
「盛り上がってるか~~」
「おおおお~~~おお~~」
観客を盛大に盛り上げて帰ってきた。
「四番。早乙女鏡花」
早乙女先輩は制服姿だけど、見るからに意気込んでいた人。
ただ壇上に上がると・・・・・・
「あ。あわわ・・・・・・」
人見知りだったようだ。
あえなく撤退していた。
「八番。柊黄泉」
柊先輩はその何かを間違ったような恰好の人だ。
柊先輩は壇上に上がり、バッとマントを鳴らして、
「我、ついにこの時が着たり。深淵を見通すこの目に力を・・・・・・」
長かったからよくわからなかったけど、ただの中二病だった。
コンタクトレンズで左右の色を変えた目を抑えながら戻っていった。
そしてほどなくして俺の番がやってくる。
ここまで他人の決めポーズをたくさん見てきたけど、やっぱこの服だとあれかな~。
「十五番。谷崎瑞樹」
俺はステージに立つ。
「う・・・」
ここからみるとすごい数いるもんだ。こういうのはあまり慣れないが、クラスのためにもがんばろ・・・・・・
俺はメイドが主人に挨拶するときのポーズでスカートをすっと少し持ち上げ、お辞儀する。
「ご主人様、お嬢様。メイド喫茶でお待ちしておりますね」
は、恥ずかしい~~~~
「お、おおおお~~~!!」
「姫~~~~」
「絶対行く~~~!」
そして俺は火照った顔で壇上から下がった。
「では、点数を集計しますので、少々お待ちください」
そう言って風紀委員長は審査委員の方々から用紙を受け取って壇上から下がった。




