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この状況って、萌? それとも百合ですか?  作者: ほのぼの日記
波乱万丈 文化祭編
79/133

文化祭当日 1

 文化祭当日 一日目。




 早朝。

 学校が始めるよりよっぽど早い時間にあかりが迎えに来た。

 家のチャイムが鳴らされて、閉じそうな眼を擦りながら、玄関の戸を開ける。

「あかね?? どうかした??」

「もうまだ何もできてないじゃない。早く来てよかったよ・・・」

「うん??」

 俺は何か予定があったかなとまだ働いていない頭で必死に考えた。

 しかし、わからなかった。

「ケーキ、取りに行くのよ」

「・・・、・・・、・・・ああ」

 とりあえずあかねには家に上がってもらって、俺は急いで支度を始める。

「髪まとめる?」

「今日はそのまま」

 洗面台で顔を洗っていると後ろからあかねが声をかけてくる。

 俺の言葉を聞いてくしを手に取ると髪を仕立ててくれる。

「おわったよ~」

「ありがとう」

 あかねがくしを元あった場所に戻すのを見届けて、俺はリビングに戻った。

 そしてちょっと急ぎ足で朝食を済ませ、自室へ。




 これまたちょっと急ぎ足で制服に着替える。

 別に制服でなくてもいいんだけど、これが一番やっぱりしっくりくるというか、一応学校だしね・・・・・・

「ねえ・・・」

 そっと部屋に入ったあかねに後ろから耳元で

「後夜祭、空けといてね」

 ぞくっとくるような声で言われ、思わず声が跳ねる。

「ひゃい・・・・・・」

「何その声」

 あかねに笑われてしまった。

「もしかして耳、弱いの?」

「そ、そんなことないと思うけど」

 正直、そういうのはわからないから強くは出られない。

「え~、ほんとかな~~」

 疑いの眼差し。そして小悪魔っぽい笑みを浮かべて迫ってくる。

 俺は自然と身を引いて行って、そのままベッドに躓いて尻もちをついた。

「追い詰められちゃったね」

 耳をかぷっと加えて、そのまま舌で舐められる。

 俺は感じたことのない感覚に思わず身もだえ。あかねにはその反応が面白かったのか、攻めが激しくなる。俺は声を出すまいと指をくわえて耐える。

 と、そこへ

「お兄ちゃん? あかねさんこっちに・・・って! 何しているんですか!!」

「あら、ばれちゃった」

「そんな可愛く言ってもダメ。ってそうじゃないくて、もう・・・目を離すとすぐこれなんだから」

 もうと怒っているところをみるとやはり年下って感じなんだよね~とか思っていると思ってくれるなよ。こういう状況を家族に見られるのが一番恥ずかしいんだからな・・・・・・

 今回ばかりはちょっと恨むぞ。

 と、小さな憎しみを抱えながら恥ずかしさのあまり下を向いたまま静かにしていた。

「はあぁ・・・あかねさん、もう行くよ」

「は~い。瑞樹ちゃん、下で待ってるね」

 楓が気を利かせてくれたのか、あかねを引っ張るように部屋を出ていった。





 ちょっとして着替えて一階に降りる。

「お、降りてきた。では行こうか!」

「うん」

 俺はあかねについて行くように玄関に向かった。

 それで思い出したかのように、見送りについてくる楓に

「あ、楓。昼くらいは俺いないかもしれないから来るなら気を付けろよ」

「わかった」

 ・・・・・・あれ? いつもの楓なら理由を聞いてくると思ったんだが。まあ、今はそんなことはいいか。

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 軽く手を振って玄関の戸を閉めた。




 

 商店街の一角。

 ケーキ屋はまだ閉まっていた。

 まあ、当然といえば当然なんだけど。

「どうするの?」

「あかねさんに任せなさいって」

 あかねは胸にとんと手を乗せて、アピール。

「こっちこっち」

 あかねについて行くと、そこには玄関があった。

「こっちがおばさんの自宅なのよ」

 そう言いながらあかねは呼び鈴を鳴らした。

「は~い」

 すぐに出てきたおばさんはあかねの姿をみて、

「あら、早いのね~」

「ケーキを受け取りにきました」

「ちょっと待って。今開けるからね~」

 そう言って一度家に戻ったおばさんはケーキ屋の鍵と思わしきものをもって、再び俺たちはケーキ屋の入り口に戻った。

 おばさんは鍵を使ってケーキ屋の扉を開け、俺たちを店に入れてくれた。

 そしてそのままおばさんは裏に入っていって、しばらくしてケーキの入ったケースをもって戻ってきた。

「えっとショートとチョコ三個ずつでいいのよね」

「はい。こちらお代です」

「ありがとう。確かに受け取ったわ」

 そして俺たちはそれをもって・・・全部一度に運ぶのは無理と判断してもう一度戻ってくることにし、初めに二個ずつ持っていくことにした。

 おばさんには悪いけれど、ちょっとだけ待っていてもらうことになってしまった。

 ちょっと急ぎ足になりつつ、俺たちは学校へと急ぐ。

 学校に着くと、俺たちよりも早く来ていた生徒が校門の飾りつけをしていた。

 俺たちはその下を潜って、あかねに案内されるままに家庭科室に行った。

「家庭科室?」

「そう。ここには大きな冷蔵庫があるから。これちゃんと許可貰っているのよ」

「いつの間に・・・」

「瑞樹ちゃんが買い物に行っている時」

 家庭科室裏手。普段は先生しか入ることのない空間には、冷蔵庫が廊下側から窓側までずらりと並んでいた。

 ほんと、どうしてこんなにってくらい・・・・・・

「これも女子高の名残ね」

「もしかして・・・」

「うん。顔に出てた」

 俺はその後笑ってごまかした。

 そして俺たちはケーキをしまって、もう一度ケーキ屋に戻った。

 途中、先ほどの女子高の名残について聞いてみると、女性にとっての心得として家庭料理があったとか。それで全クラスの食材を保存しておけるだけの冷蔵庫が必要で、今もその面影が残っているのだそうだ。

 再度、ケーキを受け取って、しっかりお礼をしてから、家庭科室へ向かい、時間も丁度いいというような時間なので、俺たちはそのまま教室に向かった。

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