思い出話ができる状況じゃないですね・・・
閑話休題。
花火大会の後のこと。
就寝前・・・・・・いや、就寝後だろうか。
最近出てこない、あの娘のところに顔を出しに行った。というのは口実で、ただ会いに行っただけの話。
だったはずなのだが・・・・・・
「リリン、いないの?」
夢。
精神との狭間。
自身の精神世界。
そんな風に定義されるこの場所でいるか、いないかなど聞く余地もない。
ここにしかいられないのだからリリンはいるに決まっている。
「こ、こっちよ・・・」
俺は声のした方に歩いて行った。
いや実際はイメージの話だと思うけど。
「どうしたの、こんなところで。いつもならすぐ近くに・・・」
霧がかかるように姿を隠していたリリンのところへと近づくにつれ、その霧が晴れる。
「!?」
「本当は見てほしくないのだけれど・・・・・・最近、瑞樹ちゃんは私を人間のように扱うから、特別よ」
そう言ったリリン。
その姿は、見るも無残に切り刻まれた服、それと同時に負ったのか、傷も多数見受けられる。そしてその身体は、どこからか伸びた鎖に吊るされた檻の中に閉じ込められていた。
「ど、どうしたの・・・・・・」
そんなことを言ってもしょうがないことなんて考えなくてもわかるけど、そんな言葉しか出てこなかった。
「ちょっとヘマしちゃったみたいね」
「い、いま助けるから!」
俺が降りに手を掛けようとすると、それを遮るように
「いいわ。何とかできるかわからないし、この檻も傷も瑞樹ちゃんには影響ないみたいだから」
「そ、そんなこと」
そんなこと関係ない。
その言葉は途中で遮られ、
「この鎖はたぶんこれをやった相手と通じてる。今は下手に手を出してはいけないのよ」
「そんな~・・・・・・」
俺には何もできなのかと思っていると、どうやらそれが表情に出ていたようで、
「大丈夫、これでも回復してきているんだから。それに始めは人間じゃあ、生きてないような深手だったんだから!」
そんなことを堂々と言われても、何の根拠にもならないのに・・・・・・
リリンは俺を安心させようと頑張ってくれていた。
それをよそに俺の脳裏にはいろいろな考えが浮かんでは消えを繰り返す。
檻は破れないけれどもっと快適空間に、とか。
傷口に特効薬を塗る、とか。
服を新着にする、とか。
けれどいい案ではない。どれも打開策の糸口にもならないだろう。
「それっていつから?」
そう言えばこんな状況になっているなんて全く気付かなかったなということから出た何気ない問い。
別に聞くつもりはなかったのだけれど・・・・・・
「もう三週間くらい前かな・・・・・・傷を負った時はたしか・・・縁日を見ていた」
「盆踊りの時・・・・・・」
一体どうやって・・・・・・・・
「もうそんなこといいでしょ」
「で、でも」
「でもじゃないの。ほら、もう行った行った」
檻の中からしっ、しっ、と手で払ってくるジェスチャーをするリリン。
俺は心配ながらもその場を立ち去ることにする。
ただ俺は諦めたわけではなかった。
リリンがただ一つ勘違いしていることがあるとすれば、それは俺に無害であったということ。
別にそのことをすべて、それのせいだというつもりも、言うこともないけれど、あの日、つまり盆踊りの日の次の日、俺が高熱を出したのはきっと、少なからずこのことと無関係ではないという仮説。
仮説を立証するのは不可能だけれど、俺も被害にあったとするならば俺が動く理由くらいにはなるだろう。
それに何度も助けられているリリンは俺の守護神みたいなところがある。
実際は違うけれど・・・・・・・・・
そういうのに詳しそうなあかねに明日、聞いてみよう。
そう思いながら俺は眠りへと落ちていった。
フラグを立ててきているのですがそれが動くのはこの編ではない予定ですので、今は水面下で動かしている感じですね。
満喫編は夏休み中?のキャッキャウフフを含めての出来事メインですので・・・・・・
それでは皆様、コロナには十分気を付けてお過ごしください。<(_ _)>
ではまた次回お会いできればと思います。




