サキュバス襲来
リリスと鏡越しに会話したあの日の夜、いろんなことが気になって眠れなかったことはさておき、今度直接会うという今度とはいったいいつなんだろうか・・・・・・
気になって授業もろくに集中できない。
「ねえ、お~い・・・」
「・・・・・・?!」
一拍。
そこから数秒。
そしてようやく俺の時は追いつき、あかねによばれていることに気づく。
「え、なに?」
「もう。心ここにあらずだけど、何かあったの?」
あかねが心配そうにのぞき込んでくるが、それにこたえることはできない。
「ん~~。あったわけじゃないよ・・・」
「ふ~~ん」
含みのありそうな受け答えだったが、あかねがそれ以上このことについて聞いてくることはなかった。
「それよりさ、早く食べないとお昼休み終わっちゃうよ・・・」
「え!?」
時計を見ると残り十分くらいで昼休みが終わってしまう。
「もうこんな時間!?」
「そうよ。瑞樹ちゃんが悶々と何かに悩んでいる間に、刻一刻と時計は針を刻んでいたの。私の話も耳に入っていなかったみたいだし、帰りは送っていくから早く帰ることね」
「う、うん・・・」
やっぱり少し根に持っているみたいだった。
五、六限の授業も結局、聞いているようで聞いていない状態で過ぎてしまい、放課後。
あかねに家まで送られ、お礼を言って別れる。
まだ楓は帰ってきていないようで、中はしんと静まり返っていた。
「ただいま~」
誰もいなくても挨拶はする。
いつものルーティーンというやつだ。
二階に上がり、自室のドアを開く。
「あら、おかえりなさい」
「はい??」
そこには、俺のベッドに横になっているサキュバスがいた。
「会いに来たわよ~」
「どうやって。って不法侵入だ」
「ん~。魔術でちょちょいってね。それと家族が会いに来ているのに、その態度はつれないわね~」
「魔術ってなんでもありね・・・」
なんだかどっと疲れた気分だ。
それよりも、
「何しに来たの・・・・・・」
俺は警戒態勢、もとい臨戦態勢を取る。
「私にしては長い間、瑞樹ちゃんにしては短い間でしょうけれど、どの程度こちらに近づいたか聞きに来たのよ」
「こちらに?」
「ああ、瑞樹ちゃんはここに寝てくれればいいわ。あとは身体に聞くから」
「へっ? 身体にってなにする・・・えっ!?」
俺が言い終える前にサキュバスは俺の後ろに回り込んでいた。
あの体勢からいったいどうやって・・・・・・
「ん~~~。ダメね~。私は悪魔に転生、いえ、昇華したのよ。人間と同じ範疇で考えてはダメ」
そう、耳元でささやかれて、なんだかそれだけでぞくぞくする。
そのせいか、俺はその場にへたり込んでしまった。
「なんで・・・足が・・・・・・」
「力はいらないでしょ~。私は一応、サキュバス。声に魔力を乗せていろいろできるのよ~」
言いながら、サキュバスはひょいと俺を抱え上げると、俺のベッド、先ほどまで自分が寝ていた場所に俺を寝かせた。
「な、なにする気??」
「心配いらないわ。傷付けるわけじゃないから。あなたに流れる魔力は私のものだった。覚えているでしょ? だから、ほら」
言いながら、服を脱がしていく。
あっという間に上半身、下着だけ残して裸にされてしまった。
「もうあなたの魔力だろうけれど・・・・・・ふふふ」
すすすっとお腹をなでられ、下腹部辺りに手を乗せられた俺は、次第に身体の高揚を感じた。
「あ、ああ・・・・・・あ、あっ、アアアア」
「身体と魔力に直接経験を聞く。結びつきが強いところはよく使うところね。それに身体は生きてきた経験を蓄える。サキュバスの私からしたら身体はお宝なのよ」
下舐めずりをしたサキュバス。だか、そんなことを考えられないくらい、俺はいま抵抗できず、そして体がいうことを聞かない。
「か・い・か・ん。あなたには刺激が強いわよね~~。でもまだ見せてね~」
「あ、アアアア、あっ、あん・・・・・・」
「ふむふむ。なるほど。ずいぶん可愛がられて育てられた、いえ、作られたが正解かしら。最終兵器と言ったところかしらね。ああ、もう十分ね。ありがとう」
「ん。ん~~~~~」
お礼を言われると同時に、キスをされた俺。
もう何が何だかわからない。
体中ですごい汗をかいている気がするし、全身を襲う快感もすさまじく頭はとうに真っ白だ。最後のキスでなんだか少し落ち着いた気がするけれど、それと同時に意識が遠のいていく。
「それじゃあ、また会いましょうね」
最後にそう残してサキュバスは出て行ったように思うけれど、俺の意識はもうそこにはなかった。
俺が次に目を覚ましたのは、一夜明けてからのことだった。




