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四人の龍王

 大広間に来て少しすると、ヴェルデ、セラ、シルニアを含めて俺が転移させてきた者達が集まった。


 以外と早かった。


 で、俺の両隣にセラとシルニアが座ってて、サヤとリンに挑発的な視線を投げてた。その向けられてる方は、なんかこう、ハンカチでもあったら『キィー!!』ってやってそうな表情をしてた。


 そして、全員が席に着いたところで、扉から着物を着た給士の人達がそれぞれの前に、盆にのせられた朝食を置いて行った。


 因みに、朝食はご飯(ジャポニカ米に似てる)、味噌汁、鯖の西京焼きモドキ、漬物......完全に和食だった。


 ていうか、この国......国? どっちかって言うと里かな。


 まあいいや。


 この里は基本的に和食で、日本に近い文化を持っている。着物モドキもそれだと思う。俺は黒コートだけど。あ、前のコートとは少し違うよ。


 効果面で見たらもう雲泥万里ってやつだけどね。


「それじゃあ、食べるとするか」

「「「「「「いただきます」」」」」」

「む? なんだそれは?」

「元の世界の食事をする時の挨拶らしいですよ。食べ終わった時は『ごちそうさま』と言うそうです。何でも食材となった者達や食材を作った者達に感謝する言葉らしいです」

「ほう。そんな風習があるのか」

(にい)は言わないけど」


 え? 言う必要ある? 頂きますと御馳走様って本来言わなくても良かったんだよ? 御馳走様は古くからあったけど、頂きますは大体昭和辺りから言い始められたからね。


 と言うか、初めてここに来た時言ってなかったよね。そこには触れないんだ?


 それから、ヴェルデ達と転移組による会話を聞きながら俺は黙々と食べていた。


 俺から話す事何もなかったし。


 あ、ルイさんとエレスさん、オルガはこの場には居ないよ。


 風呂入って終わった後に三人に会って、人間の大陸に戻るって言うから『スタリウム』に転移させた。


 で、俺が半分程食べ終わった頃に、この大広間に向かって来る複数の気配を捉えた。


 俺以外に気付いたのはヴェルデ、シルニア、セラ、カイト、リン、サヤ、シンドウの七人だった。


 いや、お前等今まで何してたの? 油断しすぎでしょ。そしてシンドウ。伊達に【勇者】の称号もって無いんだね。


 ......俺、お前、嫌い。と言うか苦手。


 貴族とか驕ってる奴よりマシだけど。


 俺が若干巫山戯てると、大広間の扉が開いた。


 そこから入って来たのは四人の男女だった。


「ヴェルデ様。至急、お伝えしたい事があります」

「そうよぉ。すっごく大事な事なんだからぁ」

「うんうん。ヴェルデ様も出ないといけなくなるかもしれませんし」

「あ、あの、失礼かもしれないッスけど、そこの人達誰ッスか?」


 喋ったのは上から順に、赤髪黄目で筋骨隆々の男。次に緑髪青目の色々とデカイ女。で、青髪緑目のザ・男の娘。最後に茶髪赤目の女。


 その場に居た全員が視線を向ける中、俺は一人だけ残った物を食べてた。音も無く。


 赤髪の方は俺達の事を気にせず説明し始めた。


 その間茶髪の奴がずっとそわそわしてた。


 なんか俺以外の奴等が色んな反応してたけど、赤髪が説明した事は俺が集めた情報と大差無かった。


 因みに、説明が終わる頃には俺は全部食べ終わった。


「あの、お兄様。これは本当の事なんですか?」

「ちょっと待てシルニア。俺達が集めた情報が信じられないのか? と言うか、お兄様って誰だ。まさかヴェルデ様か!?」

「いえ、違います」

「ん。ヴェルデ様はヴェルデ様。それ以上でもそれ以下でもない」


 え、いや。なんでそう思ったの? 赤髪の奴。しかも口調変わり過ぎだろ。


 俺も人の事言えないかもしれないけど。


「じゃあ誰だよ? 此処に居る奴等全員人間(ヒューマン)じゃねえか」

「それはわたしも気になるわぁ」

「そうだね。シルニアとセラの二人に兄が居たなんて初めて聞いたからね」

「あ、あのあの! そんな事より此処に居る人達の説明して欲しいッス!」

「あ? そんな事じゃねえよ」

「うんうん。これは大事な事だよ。この場では何よりね」

「そ、そうなんッスか!?」

「騙されちゃだめよぉ~、ペトラぁ」

「え!? どういう事ッスか? アウラさん!」


 ごめんね。ナニコレ。


 四人だけで話が進んで行くんだけど。俺達置いてけぼり。


 見てる限りだと、アウラって言うのが緑髪青目の色々とデカイ女で、ペトラって言う茶髪赤目の奴のお姉さんみたい。そんな感じ。


 そして男二人が阿保。そこは分かった。一気に残念キャラにしか見えなくなったのは僕だけなの?


 俺は未だなんか言い合ってる奴等をマルッと無視して、ヴェルデに話しかけた。


「ヴェルデ。訓練場に行っても大丈夫か?」

「む? 今は竜人族(ドラゴニュート)龍人族(ドラゴノイド)が[竜化]と[龍化]の訓練をしているが......」

「大丈夫。って訳で俺は行くね」

「うむ。我も後から行こう」

「って、ちょっと待てテメエ!」

「ちょっと待って欲しいな。君」

「ねえ君ぃ。君はヴェルデ様とどういう関係なのかしらぁ?」

「そうッス! おかしいッス! なんでヴェルデ様と気安く話してるッスか!」


 俺とヴェルデが話し終わったら、今まで騒いでた四人に目付けられた。


 面倒臭い。果てし無く面倒臭い。龍だから実力示さないと納得しないんだろうなぁ。俺のステータスってかなり(いじ)って弱く見せてるし、雰囲気とかも情報操作の延長戦でやってるから、何処からどう見ても唯の子供なんだよね。


 ん? 何時やったかって? この四人が部屋に入って来た瞬間に、咄嗟に発動しちゃった。テヘペロ♪


「お兄様がヴェルデ様と気安く話して悪いことがあるんですか?」

「むしろ、ヴェルデ様の方が気安過ぎ」

「いや、我からすると、あのおしお......ゴホンッ。話し合いの所為でどうにもな」


 俺が内心で悪巫山戯してることが分からない三人が参戦? した。と言うか、シルニアが純粋に疑問だけぶつけているのに、言葉が丁寧だから妙に棘があるように聞こえる。


 ヴェルデの方をジッと見てたら何故か言い直してた。別に何かある訳でも無いのに。


「シルニア。まさかと思うが、そこの黒髪がお前の兄か?」


 赤髪が俺の方を指差しながら言ってきた。


 う~ん。なんか赤髪を見てるとステルを思い出すなぁ。今度会いに行こうかな。


「私達の(にい)

「ああ。そう言えばお前等双子だったな。じゃねえよ。ホントにそこの黒髪のガキがお前らの兄なのか?」

「そうですよ?」

「......ホントにか?」

「しつこい。イグニス」


 四人が四人共目を細めて俺を見て来た。


 あ、ステータス見られた。


「レベル10で全ステータス100。13歳でスキル無し。それがコイツのステータスだが、どうなんだ?」

「しつこい。そこまで言うなら、兄と戦うといい」


 そこで俺に振るのかい? セラさん。


 いや、良いんだけどね。


「ああ、いいぜ。俺達でも看破出来ない程レベルの高いステータス隠蔽をしてる奴なんて早々いねえんだ。どうせ瞬殺だろ」

「たった十三年生きただけの人間(ヒューマン)に、僕達が倒せるわけないけどね」

「いいわよぉ。わたしも気になるからぁ」

「ウチもやるッス!」


 ......たかだか数百年生きただけの小童共が。


 何て、白神龍王の状態の俺だったら思うんだろうけど。


 俺の返事なんて待たずに訓練場に行った四人を追って、俺達も訓練場へ向かった。


 えっと、イグニスって言う赤髪の奴と男の娘は兎も角として、女二人は唯純粋に戦いたいだけなんだよね。


 取り敢えず、あの四人の実力を確かめようかな。


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