お仕置き?
あれから暫く、二十分程経った。
この場所についても一応言ってある。
まあ、俺が転移させて連れて来たとしか言ってないけど。いいよね。
「どうする? 帰る?」
未だに凰の姿で言うが、言葉遣いに違和感を感じているらしい。
ま、戻す気もないけどね。
「そうだな。そろそろ戻るか」
「凰君......」
「ネオ」
「ネオ君。えっと、どうやって戻るの?」
「転移したって言ってたでしょう? 恐らく、空間魔法よ。私は使えないし、文献にしか載ってない魔法だけど......」
リンの敬語が崩れてるが、気にしちゃいけない。
うん。多分反動だろうけどね。
まあいいや。
「戻るよ」
俺の体が光に包まれる。
そしてネオの体に戻る。
凰の体だと力が十全に扱えないからな。
下手したら次元の狭間辺りに飛んでくぞ。うん。
「さて、行くよ」
そう言って、俺は三人と共にあの訓練場に転移した。
――――――――――
「どうなってるの? コレ」
おっと、つい口が開いてしまった。
まあ、いいか。
俺の周りには俺の元クラスメイト。主に男子が倒れてる。
いや、ほら。
転移してきたら襲って来たからつい......いきなりだったから体を黒雷にして男子達を動けなくさせたけど、正当防衛と言う事で。
「お兄様。良いんですか?」
シルニアが聞いてきたけど、多分こいつ等をノした事に対してかな。
シルニアの傍ではセラがしゃがみ込んで倒れてる男子をつついてる。
それは汚物かナニかですか。セラさん。
「取り敢えず回復させておこう」
と言う訳で意識が回復する程度まで回復させた。
「龍神」
奥の方で龍神の肩がピクッと動いたのが見えた。
因みに、周りに倒れてる奴等は全員起きてるよ? 何かにビビッてるけど。
なにかな~アハハハ。僕分かんないや。
うん。巫山戯過ぎたね。
兎に角、龍神にお仕置きしなきゃいけないね。
「俺と遊ぼう?」
「わ、我とか?」
「そう。ルールは簡単。お前は龍になっても良い。俺の攻撃から十分間逃げて。勿論ブレスでもなんでも使っていいから」
「我などではあ、相手にならんだろう?」
「関係なし」
怖気づきすぎ。
認識阻害も何もかも解除する。
ま、創始終焉神王の姿のままだけどね。
「じゃあ、スタート」
「ッ!! グルルァアァァアアア!!」
龍神の体が一瞬光に包まれたと思ったら、二十メートル程の銀の龍になって飛び上がった。
訓練場に張られていた結界が破れ、雨が入って来る。
だけど関係なし。
「さ、逃げ切れるかな」
そう呟いた俺の周囲に龍が湧いた。
黒焔、雹、黒雷、水、嵐、巌、光、闇、血、腐、骨、霊、そして純粋な魔力の塊。
実に十三体もの十メートル級の西洋龍を創り出した。
まあまだ創れたけどね。
技名は、そうだな......
「『龍達の遊宴』」
訓練場に居た龍達や俺が連れて来た奴等全員が驚愕そのままに固まったけど、放置でいいか。
「さあ、逃げて見ろ! ヴェルデ!」
――――――――――
で、結局。
訓練場の中心にズタボロになった銀龍が横たわっていた。
「お、お兄様。流石にやり過ぎでは......虫の息じゃないですか」
「だから言った。怒られても知らない、って」
「まあ、お仕置きはこれで終わりじゃないけど」
言いながらパチンッと綺麗な音を立てて指を鳴らした。
すると、ヴェルデの体を光が包み、強制的に人の体へと変わった。
いや、そんなに引かなくてもいいじゃん。
ただちょっと説教するだけなのに。
って訳で俺の体も光が包む。
すると、光が二つになり、光が晴れると俺の隣に別の俺が居た。
「兄。なに、それ?」
あれ? 見せた事なかったっけ? 結構な頻度で使ってたけど。
「私はこれから少し用事がありますので。失礼します」
翠色の髪と翠眼。白い肌で垂れ目。そしてエルフの様な先の尖った長い耳を持っていて、新緑色と白色の巫女服を着ている。
そいつ。まあ俺なんだけど。
森霊神王の状態の俺は一度お辞儀をするとヴェルデの下まで行き、ヴェルデと共に転移した。
態と口調や性格って言う? そう言うの変えているからかなり違うんだよね。これ。
はぁ。説明とか面倒臭いんだけどなぁ。
はてさて、どうしようか。
因みに、ヴェルデが戻って来たのは二時間後だった。
二時間正座と静かに微笑みと共に説教したからフラフラになってた、と言うか自我が薄い、上の空状態になってた。
あ、ちゃんと回復はさせたぞ? うん。
フハハ! 森霊神王は一度登場しているぞ!!
ハイ。調子乗りましたゴメンナサイ。




