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再会

桜では枝垂桜が一番好きです。


花言葉『優美』『ごまかし』

 訓練場に数歩入った所でシルニアとセラに抱き着かれたので取り敢えず頭を撫でてみた。


 どうやら俺の感情の起伏が極端に薄くなってほぼ平坦なのが原因で何か思う訳でも無い。と思う。


 人で言う表層意識(ペルソナ)なら仮面(ペルソナ)として何とか出来るんだけど、流石に深層心理(シャドウ)までは創れないと言うかなんというか。


 って、まて。俺。思考が人から離れすぎてるから戻れ、戻れ。


 落ち着こう。


「お兄様。もう大丈夫なんですか?」


 俺に顔を埋めてたシルニアが顔を上げて言ってきた。


 演算処理能力にもその他にも異常(エラー)は無い。


 って訳で首肯する。


「セラ、シルニア、離れて」


 背中をポンポンと叩きながら言う。


 シルニアとセラは名残惜し気に離れてくれた。


 そんな俺の視線の先には、カイト、サヤ、リンを筆頭に俺が此処に転移させた奴等と龍神が来た。


 なんか、龍神が無表情(ポーカーフェイス)を維持してるけど気を抜いたら逃げそうになるのを必死で抑えてるのが分かる。


 うん。バレてるからね。当然ごうも......もといお仕置きはあるから。


「ネオ」


 カイトが声を掛けてきた。その声音には覚悟が視える。


「ネオさん。あなたは」


 リンが言う。こちらもカイトと同じく覚悟がある。


「コウ・セイランなんですか?」


 サヤが言う。覚悟を込めて。


 三人に、期待と、希望と、覚悟と、弱い諦観(ていかん)と、色んな感情や想いが交錯して混乱してるのが視える。


 俺は目を閉じる。


「ネオ」


 焦れたカイトが声を掛けて来る。


 俺はそれを聞いて認識阻害を解く。


 訪れるのは静寂。魔力は一般人並みに誤魔化してるけど、所謂雰囲気というモノに中てられたのだろう。


 全ての眼が俺に向く。その場に居た者は例外なく俺へ眼を向ける。


「......言うにしては遅いと思うけど、久しぶり。カイト、サヤ、リン」


 真実だと分からせる為に口元に若干の笑みを浮かべながら言う。


「本当に、(こう)なのか......?」


 目尻に涙を溜めながら、それでも本当は嘘でした。なんて冗談に警戒しているカイト。


 二人は今にも泣きそうだ。


「これで分かるか?」


 俺はそう言って身体構造を一時的に変えた。


 光を纏い、その内側で俺の体が変化する。


 光が晴れ出て来たのは紛れもない静嵐(せいらん)凰の体だった。


 ただし、ほんの少し違うところがあるとすれば、髪と目の色だな。


 髪は短いが創始終焉神王と同じ髪色で、両目は模様の無くなった暗黒と黄金のオッドアイ。


「「「凰(君)(さん)!!」」」


 リンとサヤが抱き着いてくる。


 カイトは立ったまま、リンとサヤは俺に抱き着きながら泣いていた。


 俺は龍神に目を合わせる。


 龍神はしっかりと頷いてくれた。


 しっかりと俺の意思? 的なのが伝わったことを確認して転移する。


 カイト、サヤ、リンを連れて来たのは俺が一目見て気に入った場所だ。


 前にスフェンと来た異空間、いや......まあいいか。


 その異空間と同じ空間内に有るが、俺が建てた屋敷(もど)きのある場所からかなり離れた位置にある山。


 其処の樹木は全て桜だった。


 正確には枝垂(しだれ)桜と言う桜だ。


 当然八重紅枝垂ヤエベニシダレ清澄枝垂キヨスミシダレ紅枝垂ベニシダレもある。


 何処までも美しく儚いこの場所が、人形だったあの頃でさえ好きだと感じていたと、今なら分かる。


 誰もこの場所に来た事に気付いていない。


 それだけ感動してるのか。


「凰君。私ね、頑張ったよ」


 サヤが泣きながら言ってきた。


「私も、(りん)ちゃんも、法幢(ほうどう)君も頑張ったんだよ」


 そこからは、サヤ、リン、カイトの独白の様なモノだった。


 俺が居なくなってから、すなわち死んでからの想いを吐き出した。


 恐怖、寂寞(せきばく)悲嘆(ひたん)、絶望感、他にも安堵、正直視てて眼が痛くなると錯覚する程の感情が渦巻いていた。


 三人が黙った時、俺は言った。


「覚えてるか? 昔、俺が言った事」

「「「......?」」」

「俺はお前らが、大嫌いで、大好きだって、言った事」

「......思い出したの?」

「......全部、全部思い出した。だから言ってやる。お前等は馬鹿だって。愚かだって。だが、それでいい。そのままでいい。それが俺の親友で、助けたいと思わせるんだと、だからそのままで居ろって」


 俺が、『ルイン』が言った言葉で、俺の本心で、この場で最も最適だと思ったから言った。


 そしたら、(せき)を切った様に泣き出した。三人共。


 淡い光が俺達を照らす。


 桜に囲まれ、淡い光に照らされた、美しく、儚く、脆く、そして尊い光景。


 例え俺が壊れても、こいつ等を含めて、こんなに醜く、汚く、愚かで、どうしようもなくて、だからこそ美しく、儚く、脆く、尊い『人』を、守り抜くし、視続ける。


 『俺』は泣いている三人を見つめながら、そう思った。


割と考えなしのアドリブで書いているんですけど、不思議なくらい繋がりますね。正に奇々怪々、不可思議。

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