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目覚め

最近一日で書けなくなってきた。

 あれから一日経った。ヴェルデによるネオの正体バレ? とネオの異常発生という事態以外は特に何事もなく朝を迎えた。


 いや、何事も無かったというのは少しだけ齟齬(そご)がある。


 ヴェルデ達との対話が終わった後、何故か知らないが竜人族(ドラゴニュート)龍人族(ドラゴノイド)や人化した龍達とオルガの力試し的なモノが行われたのだ。どうやら鬼人族(オルグ)と龍達は元々仲の良い種族だったらしく、気心が知れているのだとか。


 凱斗(かいと)や他の者達もソレに巻き込まれて疲労困憊になっていたが、ご愁傷様と言う奴である。


「雨か? そういや、初めてだな。この世界に来て」


 着物姿になった凱斗が外を見ながら呟いた。ヴェルデの屋敷の一室に居るのだが、縁なし畳が敷き詰められた部屋に布団を敷いて寝るスタイルだった為、起きた直後は日本の旅館と間違えたりした。それくらい和風な部屋、と言うより屋敷で感動したのは凱斗の誰にも言えない秘密だ。


 部屋から出て朝食を食べに大広間に向かう。廊下は板張りになっている。だが、何故か入り口はドアだったりご飯はテーブルと椅子を使ったりととても中途半端な感じだ。


 大広間に行くと全員揃っていた。全員が着物を着ている事に若干の違和感を感じるが、気にしない事にして席に着く。


「全員揃ったようだな。それでは、食べるとするか」


 ヴェルデの言葉に皆一斉に食べ始めた。ガツガツと凄い勢いで食べて行く皆にヴェルデとシルニアとセラは呆気に取られていたが、直ぐに自分達も食べ始めた。


 何故皆が勢いよく食べているのかと言うと、和食だったのだ。これまで西洋風な食べ物ばかりだったのだが、日本人として和食が恋しくなっていた事に加え、白米まであったのだ。日本人として歓喜。感激。


 そんなこんなで日本人にとっては感動的な朝食を終え、全員揃って訓練場に来ていた。理由としては施設紹介的な乗りで質問した男子に「では案内しよう」と言ったヴェルデが引き連れてきたのだ。


 訓練場では龍や竜が人化の練習をしていたり、竜人族ドラゴニュート龍人族ドラゴノイドは竜化や龍化の練習をしているのだがそれよりも、上を見れば雨が降っているのに途中で遮られている事の方が気になる。


「此処は結界を張っておる。心配せずとも濡れることは無い」


 「へ~」と声を上げる生徒(?)達の声で気付いた訓練場に居た者達がヴェルデ、シルニア、セラに気付き、頭を下げた。それに片手を上げて答えるヴェルデ。


 その様子を見た者達は各々の練習に戻った。邪魔にならない様に端へ寄って暫く龍達の訓練の様子を見ていたが、次の場所へ行こうとして全員の動きが止まった。


 次いで訓練をしていた者達の動きも止まった。その場に居た者達に聴こえるそれ。頭の中に直接響く様な綺麗な歌。しっかりと言葉というモノは聴こえず、どちらかと言うと曲のようにも思えるそれ。


 その透き通る様な綺麗な歌は段々と訓練場の入り口から聞こえて来るようになった。歌自体が直接動いているかの様な不思議な感覚に陥る。


 そして歌が完全に入り口の方から聞こえる様になった時、


「見つけた」


 歌が止まり、声が聞こえた。感情の含まれない無機質な、それでいてどこまでも中性的な特徴的な声。


「お兄様!」

(にい)!」


 シルニアとセラの嬉し気な声が響く。


 そこに居たのは目覚めてからこの場所に来たネオ(創始終焉神王状態)だった。




――――――――――




 閉じていた目を開けると、和風な部屋の布団に寝かされていた。


 取り敢えず立ち上がって布団を畳む。あれだ、念動力的な力で布団を浮かせたりしてから、浄化しといた。


 で、気配と魔力を感知して誰が何処に居るのか探る。


 皆訓練場と思しき場所に居た。理由とか俺が気絶してた時の事は全部視たので知ってます。俺に隠し事は不可能なのだよ。


 そんな訳で俺は部屋から出て訓練場へ向かう。


 気分転換に歌を歌いながら。あの、セイレーンの歌みたいなインストゥルメンタルみたいなものを歌ってみた。


 そのまま歩くこと数分。訓練場の入り口まで来たので歌を止め、訓練場を見る。


「見つけた」


 シルニアやセラ達を見つけた時に何故か声が出た。


「お兄様!」

(にい)!」


 うん。まあ、良いか。


 俺は駆け寄って来る二人を見ながら訓練場に入って行った。




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