14/15
第14話 終演後
照明の落ちたステージを、
スタッフが横切っていく。
楽屋のドアが閉まる。
リクがソファへ倒れ込んだ。
「疲れたなぁ」
「……だるい」
ヴァルが首元を引っかく。
「もう上がってる」
ユエが言う。
「はやいね」
画面の中では、
照明だけが揺れていた。
「また来たいって」
「へぇ」
「よかった」
遠くで、
重たい扉が閉まる。
「もうやりたくねぇ」
「えー」
「うるせぇ」
「……増えるかも」
「最悪」
◇ライブ映像が、
少しずつ上がり始めていた。
どれも短い。
画質も悪い。
照明で色が飛んで、
顔もよく見えない。
『なんか怖かった』
『でもまた見たい』
『説明できない』
動画だけが、
少しずつ増えていく。
「増えてる?」
リクが寝転がったまま聞く。
「ちょっと」
ユエが画面を見る。
「だる……」
ヴァルが小さく舌打ちした。
『また見たい』
『なんか頭から離れない』
『怖かったのに、落ち着いた』
『なんかちゃんと眠れた』
リクが少しだけ画面を覗き込む。
「落ち着いてる人、多いね」
「よかった」
「……ちゃんと沈んでる」
ユエが小さく言う。
「戻れてるならよくない?」
「お前はな」
ヴァルが低く返す。
『また行きたい』
『理由わかんないけど好き』
「……早いね」
「なにが?」
「沈むの」
「効きすぎなんだよ」
御覧頂きありがとうございました。




