雨宮諭について#2 その5
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………。
……。
———て、そんなわけあるかーい‼︎‼︎
「いや、それは無理があるでしょ! 初対面の人を疑うのは理解できますけど、せめて話ぐらい聞く耳を持ってあげましょうよ。それで疑心暗鬼が深まったからって、いきなり鎌片手に首を刎ねようなんてしちゃダメでしょうに‼︎‼︎」
「口調が乱れてない?」
誰のせいだ! 誰の‼︎
なんで僕はこれまで、シリアス、ギャグ、シリアス、ギャグ、のこの順番で展開を追っているんだ。
これじゃ、この先の展開が丸見えじゃないか。ドキドキハラハラもしてこないよ。というか、人生最大のドキハラはさっき味わったよ。なんだかもう色々と興醒めだった。
「んー、何がなんだかよく分かりませんが、とりあえず一悶着終えたようですし、あそこの看板に従って奥に進んでみるとしましょうか!」
「それを言うならひと段落でしょうに……って、ほんとに看板がありますね」
しかも『会場はこちら』なんて書かれている。
——宴会か! この挑戦状は厳かなものじゃなかったのか? 今になって怪しくなってきたぞ。もしや、何かの宴への招待状じゃないだろうな。
「まあ、招待状ってのは確かなのか……」
招待状にして挑戦状。物事には決まって複数の意味がある。あるいは要素。ただ一つの要素を持つものなど存在しない。
水を例に挙げてもそうだ。水素と酸素でできてるし、それに、水にはきちんと意義がある。意味がある。それは、人間の世界に限っての話じゃない。宇宙規模で見てもそうだ。ただ一つの役割を担うものはこの世に存在しない。
正義と悪が二面性のファクターであるように。他の多くのものも多面性を有している。
それはこれからの僕たちにだって言えることだった。
僕ら三人は矢印の指す方へ廊下を進み、そして暖炉室と標された扉の前に行き着いた。
誰だったろうか、僕だったかもしれない。手を伸ばし、二枚扉に触れて、僕らは暖炉室の中に乗り込んだ。
どうやら僕らが最後の訪問者であったらしい。
微かなジャズが流れる薄暗い部屋の中には、少年少女が九人。思い思いに暇を持て余しながら、各々の時間を過ごしていた。
互いが互いを観察し合い、腹を読みあって、牽制している。
まさに一触即発の空気だった。その中に一人、知った顔を見つける。
驚きつつも無関心をつらき、近くにあった広いソファーに僕は腰を落ち着けた。
それと同時に、僕の隣に死神の少女が腰を下ろした。折りたたみ式の大鎌入りの棺を細身の両腕に抱えたままで。
まだ首を狙われているんじゃないか不安に駆られる。この恐怖心は拭われないまま、時は進み。しばらくして、僕らをここへ招いた謎の差出人から新たな挑戦状が届いた。
宛名には【十二人の使徒】と刻まれていた。
そして、以降の文面から、この身体に起爆式の小さな爆弾が四肢に仕掛けられていることを告げられ、挑戦状に命じられた挑戦をクリアできなければ起爆すると脅された。
初めてその文言を目にした時は、そりゃあみんな驚いたり疑ったり反応は様々だったけれど……。
その後、僕たちは難なく第一の挑戦を踏破した。
そうして、僕らは【十二人の使徒】になったのだった。
【十二人の使徒】
———第二席
———【名探偵】《Great detective》
それが新たに加えられた僕の要素の一つであり。
僕に課された新たな役割だった。
———『続』———
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