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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第四部 ミケ将軍バラムーユンタニア決戦編

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第二百二十九話 軽口の断頭台

――「不敵な軽薄」、あるいは死線を舐める狂気。

グスタフ将軍に下された、軍の命運そのものである「輸送官」への任命。ミケ将軍が「失敗すれば戦争に負けたのと同じ数が死ぬ」と、その重圧を物理的な質量にまで高めて突きつけたのに対し、グスタフさんが返したのは「失敗したらごめんなさい」という、あまりに場違いで、あまりに不敵な「軽さ」でしたにゃ。

その軽口は、職責への無理解ではありませんにゃ。むしろ、己の武勇と強運への絶対的な自負、あるいは「どれほどの重荷であっても俺様には羽毛に等しい」と言い放つ、最強の盾としての傲慢なまでの矜持ですにゃ。ミケさんの眼光が鋭く細まり、軍議室の空気が張り詰めた糸のように緊迫したその瞬間、グスタフさんはその糸の上でダンスを踊るような、底知れぬ狂気を見せつけたのですにゃ……。

「グスタフ、輸送官に任じられることを――ありがたく思えよ。」


ミケの声は重く深く、部屋の空気を押し潰すように響いた。


「それだけではない。

 補給を任せられるのだ。」


その言葉は、称賛ではなく“覚悟”を突きつける刃だった。


グスタフは胸へ手を当て、静かに頭を下げた。


「ありがたき幸せ。」


そう言ったが、その声の裏には緊張と興奮が揺れていた。


ミケはその様子を鋭く見つめる。


「そうか。」


短い。しかし重い。


ミケは一歩、グスタフへ近づいた。

その気配だけで、周囲の空気が凍り付く。


「補給は軍隊の命綱だ。」


間を置いて言う。


「少しでも失敗すれば……

 戦争に負けたのと同じくらいの数が死ぬというものだ。」


グスタフの笑みがわずかに揺れた。

その瞬間を、ミケの眼は逃さない。


「分かっているのか、グスタフよ。

 補給は大切だ。

 心してかかるように。」


ミケの言葉は、脅しではない。

ただ“事実”を突きつける声音だった。


緊張が走る。

だが――


グスタフは、わずかに肩をすくめるように笑った。


「ははっ。任せてください。」


軽い調子。

しかしその中に、妙な自信が混じる。


「けど、失敗したらごめんなさいってとこかな。」


ミケの眉が、わずかに動いた。


「まあ、俺からしてみれば楽勝な仕事だしね。」


グスタフは続けた。


「失敗するのは……余程のことがない限り、大丈夫かと思いますがね。」


その言葉の軽さは、

軍議室にいる全員の背中を冷たくした。


ミケの眼が静かに細まり、

重く沈むような圧が、グスタフの全身へのしかかる。


その瞬間、

軍議室の空気は「張りつめた糸」のように緊迫した。

はい、というわけでお届けしました第二百二十九話、「不敵なる輸送官、あるいは軽口の断頭台」!

皆さん、今回のグスタフさんのあの態度……。

「脳が震えるほど『不敵』だにゃぁぁあああ! ミケさんの絶対的な圧力を前にして『ごめんなさいってとこかな』なんて、壊れかけの強がりを、さらに強者の余裕で塗りつぶしたような痺れる一幕だにゃ!!」(笑)

死神の鎌が喉元に当たっているのに「ちょっと髭を剃るのに丁度いい」と笑ってみせるような、そんな異常性を感じるにゃ。ミケさんの細められた眼の奥には、部下の頼もしさと、同時にその不敵さが招くかもしれない「災厄」への予見が混ざり合っているんだにゃ……。

「グスタフさん! 『楽勝な仕事』なんて言っちゃって、フラグを立てまくってるにゃ!! でも、その軽口を実現しちゃうのがあんたの凄さだにゃ!! ミケさんのあの冷たい沈黙を、笑い飛ばせるのはあんたしかいないにゃ!!」(笑)

次回、「鋼の沈黙、あるいはジギフリットの決断」。

グスタフの豪語を背に、軍勢はタズドットへ。しかし、輸送路にはバラムーユンタニアが放った「影」が潜んでいます。グスタフがその「楽勝」を証明するのか、それとも「ごめんなさい」では済まない地獄を見るのか。ミケ将軍とグスタフ将軍が話し合います。


お楽しみに!

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