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GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第四部 ミケ将軍バラムーユンタニア決戦編

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第二百三十話 気楽な地獄

――「鬼」の矜持と、滑稽なる因果の終着。

グスタフ将軍に託された、軍の生命線。ミケ将軍が「浮ついてはいないか」と突き刺した鋭い釘は、単なる叱咤ではなく、失敗が「全滅」を意味する冷厳な事実への宣告でしたにゃ。それに対し、冗談を捨てつつも「失敗なんてする気がしない」と言い放つグスタフさん……。その不敵な笑みは、もはや自信を超えて、運命さえもねじ伏せようとする「強者の傲慢」そのものですにゃ。

一方、街で繰り広げられたマティアスとの追走劇。鹿や熊へと姿を変え、バーニーさんの名声を利用して悪行を重ねた変幻自在の賊徒。しかし、どれほど華麗に自警団を撒き、どれほど醜悪に欲望を貪ろうとも、最後は「腹上死」というあまりに呆気なく、そして気楽な最期を迎えましたにゃ。

捕縛する手間さえ省けた滑稽な結末。バーニーさんが漏らした「男の夢だろ」という呟きと、自らもテロリストであることを棚に上げて立ち去るダン大隊長のシュールな一幕……。戦場に漂う「死の重圧」と、路地裏に転がる「生臭い喜劇」。この落差こそが、ミケ将軍の統べる世界の歪な真実なのですにゃ。

「そうか、自信があるのか。それは結構だ。自信なくして戦に臨むなど、考えるだけで寒気がするからな」


ミケ将軍が低く笑うと、グスタフは胸を張って応じた。


「ははっ!」


しかし、その軽さにミケの瞳が細くなる。


「……心してかかれと言ったはずだぞ、グスタフ。今の口ぶり――どこか浮ついてはいないか?」


空気が、ひやりと締まる。


「補給は軍を生かしも殺しもする命綱だ。俺様がどれだけ暴れても、食い物が尽きれば終い。兵の腹が空けば、勝てる戦も負ける。分かっているのだろうな?」


グスタフの顔から、さすがに冗談が抜ける。


「もちろんです。ここはこのグスタフにお任せを。必ずや万事、滞りなく……」


一拍置き、彼は口の端を上げた。


「――失敗なんてする気がしませんよ。余程のことが起きない限りは、ね」


ミケは腕を組み、相手を見下ろすようにゆっくりとうなずいた。


「その言葉、覚えておくぞ。ならば――やってみせろ。グスタフ」


その声音には期待と威圧が同居し、まるで逃げ道など初めから許されていないかのようだった。


◆◇◆◇◆◇


 それはある時のことであった、バーニー・ロバートとダン・スワンポール大隊長が話し合っていると、天下のテロリストとはなんだろうかという話し合いになるのだった、そこで、バーニーは天下のテロリストとは天下のために人のため、社会のために働くテロリストのことを言うと叫ぶのであった。


 高らかなる宣言にダン大隊長は、素晴らしい意見だと闊達な意見に聞き惚れる、バーニーの名は上がるのであった。


 だが、そこにバーニーにとって許し難いことにテロリストの名を語って女を次々に襲う明らかな賊徒がいた、これは許し難いと言うことでバーニーはダン大隊長と話し合って退治に向かうのであった。


 最初にいくと、一人の優男がおり、この優男が言葉丁寧にバーニーをなだめかすものだから、バーニーは油断して武器を預けてしまった、しかし、この武器を盗んで、なんと、バーニーのふりをして次々に女を襲う恐るべき怪人、これこそが優男の正体であった。


 優男の正体こそはマティアス・レヴィン、恐るべき賊徒の名前である。


 マティアスは武器を盗むと女と交わって大気を我が身に受けんと叫んで襲い成功してしまう。


 ダン大隊長はそれを見て、呆れる思いをしながらも、戦うことを決めるのであった。


「ここで会ったが百年目、女を襲うのはこれ以上やめてもらおうか」


「そういうわけにはいきませんよ、私の聖なる行いを止めることなど誰にもできないのです」


 そういうとマティアスはバーニーの武器である剣をナイフの形まで縮小させて斬りつけてくる、ダン大隊長はそれを華麗に避けるのであった。


 次の瞬間武器は剣の大きさにまで戻る、だが、ダン大隊長はそれを水の弾力を持つスライム状の纏をすることにより防ぐのであった。


「残念だったが、私にそのような小手品は通用せん、このまま捕まってもらおうか」


「そういうわけにはいきません、私はこれから先もやり続けなければならない理由があるのです、私には理由がある以上、これ以上止めるのはやめてもらいましょうか」


 そういうなり、マティアスは巨大な鹿へと姿を変えるのであった、ダン大隊長は突然の変化に驚いたものの、このような事態は慣れている、バーニーと協力して倒そうと試みるのだった。


「バーニー、倒すぞ、協力しろ」


「わかってるよ、ダン大隊長」


 巨大な鹿の角攻撃を仕掛けられたが、これをダン大隊長は避ける、右は左へと避け続けた、バーニーは逆に当たって負傷するのだった、だが、かすり傷を負う程度で済むのであった。


「ダン大隊長、こいつそんなに強くない、当たっても平気だ、取り押さえようぜ」


「いや、油断するとろくでもない結末が待っているに違いない、気をつけることだな」


 そして、ダン大隊長がスライム状のヌメヌメで地面を滑らせて、巨大鹿を転がらせると、巨大な鹿から姿を巨大な熊へと姿を変貌させるのであった。


「私はそう簡単に捕まる気はありませんよ、この姿を見ても、まだ、戦う気ですか?」


「当たり前だ、戦わせてもらおうか」


「では、逃げることにしましょうか」


「あっ、おい待て」


 そして、マティアスに逃げられてしまうのだった、その後、マティアスが女を襲うことに成功したことにより、通報されて、街の自警団が出てきて、犯人だと勘違いされたバーニーを閉じ込めてしまうのだった。


 ダン大隊長はなんとかしなくてはと捕まえにいくのだった、その際にバーニーを逃してやり、一緒になって追われる身となるのであった、そして、二人ともが逃亡流浪の身になっていると、マティアスが見つかるのであった。


 再び大気を我が身に入れんといって、女を襲っているところであった、バーニーとダン大隊長は呆れながらそれを見ていたが、やがて、止めに入ろうとするが、マティアスはその前に行為の途中で心臓が止まってしまうのだった。


 腹上死とは気楽なもんだなとダン大隊長は呆れる思いで呟くものであった。


 バーニーは男の夢だろと呆れた思いで呟くのであった。


 ここに犯人は捕縛され、バーニーは自由の身となり、街の自警団は帰っていくのであった。


 ダン大隊長はそういえば、私たちテロリストなんだけど、逮捕されないのは言わないからだなと呆れた思いで自警団を後にするのであった。

はい、というわけでお届けしました第二百三十話、「偽りの変生、あるいは気楽な地獄」!

皆さん、今回のマティアスの「最期」……。

「脳が震えるほど『呆気ない』にゃぁぁあああ! あれだけバーニーさんをハメて、自警団を動かして絶体絶命に追い込んだのに、最後は行為の途中でポックリなんて……どれだけ強大な権能を持っていても『満たされぬ欲望』の果てに自滅していった大物たちの、あの滑稽なまでの悲哀を感じるにゃ!!」(笑)

全く関係ない悪党が勝手に自業自得でくたばったような、そんな脱力感だにゃ。でも、その「運の良さ」こそが、バーニーさんを救ったというのもまた事実。世界は残酷で、同時に不条理に優しいんだにゃ……。

「ダン大隊長! 『私たちテロリストなんだけど』っていう冷静すぎるセルフツッコミ、最高だにゃ!! 結局、自分のことを言わないだけで、自警団と仲良く帰れちゃうんだから、この世は言ったもん勝ちだにゃ!!」(笑)

次回、「鋼の沈黙、あるいはレイ将軍の決断」。

グスタフの豪語が試されるタズドットへの第一歩。しかし、軍が踏み込んだその地には、マティアスのような小物とは比較にならない「真の絶望」が待ち構えています。ミケ将軍とレイ将軍が話し合います。


お楽しみに!

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