深夜、幼女を拾う 14
ゼミが終わり、時刻は午後3時ちょっと前。すぐに帰って、タマを外に連れ出してやろう。
寄り道せずに真っ直ぐ家に帰ると、玄関には既に支度を終えたタマが待っていた。
「お帰り、けーたろー!」
「ただいま。ちょっと待っててくれ。俺もすぐに準備しちゃうから」
教科書の入った鞄を置き、財布や携帯をウエストポーチに入れ替える。準備の様子をじっと観察しているタマの姿は、本当に猫のようだ。
「さて、行くか」
「うん! ねぇねぇけーたろー、どこ行くの?」
行先の候補は、授業中にずっと考えていた。
「そうだな、ゲーセンと映画館、どっちがいい?」
「どっちも!」
即答。資金は間に合うだろうか。長時間外出することは、彼女の方から断ると予想していたので、あまり準備していない。どこかでお金を下ろさなければ。
「まぁいいや。どっちも行こうか」
玄関の施錠をしたことを確認し、二人で駅に向かう。その道中、タマが手を差し出した。
「ん。けーたろー、手出して」
「いや、繋がねぇぞ」
「どうしたの? もしかして照れてる?」
「そんなわけあるか」
ただでさえずっと犯罪スレスレ、と言うか片足突っ込んでいる状況なのに、加えて手を握ったりしたらマズイだろう。蛍太郎は、勝手にそう思い込んでいる。
ぶーぶー文句を言うタマと一緒に電車に乗り、揺られること数駅。目的地の最寄り駅に到着した。やって来たのは、大型複合施設。ここなら、映画館とゲームセンターはもちろん、飲食店やファッション、日用品もある。半日過ごすにはもってこいの場所だ。




