45章 勇者と魔王 24
―― 1時間前 リードベルム級戦闘砲撃艦『ウロボロス』 統合指揮所
『皆さんお疲れ様でっす。お怪我はありませんか~』
「ありがとう、私たちは大丈夫。ところで『ウロボちゃん』は、先生がどうなっているかわからない?」
『魔力の探知だけしかできませんが、先ほどから魔王城内で強力なマギエネルギーの放出が始まったようなので、艦長と「魔王」の戦いが開始されたのだと思いまっす』
「そう……。それで、先生が言っていたことなんだけど……」
『はい~。艦長から先ほど指示されたことですね~。早速開始したいと思うのですが、皆さんは大丈夫でしょうか~』
「ええ、私たちはすぐに戦えるから問題ない。地上のモンスターは『ウロボロス』や『ヴリトラ』に任せて、私たちはアンドロイド兵とともにダンジョンのオーバフローを潰せばいいのよね」
『すでに勇者艦隊の全艦艇は惑星大気圏内上空に待機していまっす。各大陸のダンジョンの位置も90パーセントは捕捉済みですので、すぐに作戦に入れまっす』
「わかった。すぐに始めましょう。先生が私たちになにか頼むなんて今までなかったし、きっと大切なことなんだと思うから」
『了解でっす。ではまず地上のモンスターを薙ぎ払いまっす。手薄になった場所から皆さんとアンドロイド兵を降下させますので、ダンジョン内はよろしくお願いしまっす』
「任せて。『魔王』の相手はできないけど、普通のダンジョンなら問題なく攻略できる」
『銀河連邦の支援艦隊も惑星上空へ降下してきましたので、協力を打診したいと思いまっす。速やかに艦長発案の作戦を完遂しましょう~』
―― 同時刻 レザルスティス級要塞艦『レザルスティス』 統合指揮所
「メンタードレーダ議長、『ウロボロス』より通信が入っており、こちらに作戦の参加を求めております」
『どのような作戦でしょうか?』
「惑星上の全モンスターの駆除です。地球艦隊の指示に従って、各艦分散してモンスターを攻撃して欲しいそうです」
『そうですか。先ほど強大な力が2つ、ぶつかりあうのを確認しました。ミスターアイバと「魔王」の戦いが始まったのだと思われますが、恐らくその戦いに勝つために、惑星上のモンスターが邪魔なのでしょうね』
「では、作戦に参加をいたしますか」
『ええもちろんです。艦長、「ウロボロス」にそちらの指示に従うと応答してください。この「レザルスティス」のデータも与えて結構です』
「よろしいのですか?」
『こちらの能力を知らないと効率的に指示できないでしょう。彼らは我々に対して技術的に優位にいますし、この艦のデータを渡したところで問題はありません』
「承知しました。では『ウロボロス』に応答いたします」
『ええ、頼みます。それから先ほど連絡のあった増援艦隊は今どこに?』
「惑星『X-0192』の衛星軌道上に到達しております」
『すぐに惑星に降下し、こちらの作戦に参加するよう要請してください』
「はっ」
『どうやらライドーバンも間に合ったようですね。しかし今感じるこの「魔王」の力。これに対処するのは相当に大変そうです。我々の働きが、少しでもミスターアイバの力になればいいのですが』




