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デッドマンズ・クロニクル  作者: 白銀シュウ
第零章   Prologue of Chronicle
11/12

【1‐8】  Sexy Archer



「うおおおおっ!」


 直樹は漆黒色の刃を振り下ろす。

 頭を真っ二つに斬られたドラゴンは断末魔をあげて地に伏せた。


「お見事っ!」

「よせやい」


 大地がパチパチと拍手をする。

 というかこの戦闘で何もしていなかったような気がする。


「殴らせろ」

「や、やだなぁ…お前のポイント集めの為に黙って見てたんだよ」


 戦闘に参加しなければその場にいてもポイントはもらえないのだ。

 大地は直樹と真央が少しでも多く稼げるように傍観していたわけだ。


「まぁまぁ藤元先輩、いいじゃないですか」

「あのなぁ…」


 直樹は頭上のステータス画面を見る。

 この洞窟に来たときはLv.1だったというのに現在ではLv.8だ。


「とにかく、この鍾乳洞の奥に覇龍がいるんだ。それまでにレベル上げしていないと咆哮の衝撃波で死ぬぞー」

「くっそがぁ…!!」


 話は数刻前に遡る。






 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







「このエリアにいる覇龍は『ヤマタノオロチ』。別名“邪蛇龍(じゃいりゅう)”。大量の頭を持った大蛇だと聞いているぜ」


 5人は村の東にある甘味屋で作戦会議を行っていた。

 東洋風の村の甘味屋と言えば団子や餅くらいしかないのだが。


「適正レベルはLv80。覇龍の中じゃ最も弱いと言われているけどそれでも十分に強いわね」

「80!?」


 直樹はお茶を吐いて叫んだ。


「お、おまっ!! 全員格下じゃねぇかぁああ!」

「しゃーねーだろ。ちまちまとドラゴン退治していてもこの世界からは逃げられないんだ」

「藤元くん、邪蛇龍(じゃいりゅう)以外の覇龍がイイの?」

「お断りします」


 大地は疲れを飛ばすように息を吐くと説明を始める。


「確かに覇龍たちはありえない強さだ。だけどな、ヤツを倒せば莫大なポイントが手に入るんだ。…やってみる価値はあるだろ? 大轟龍(だいごうりゅう)氷帝龍(ひょうていりゅう)と戦うよりは可能性がある」

「で、でもよ…俺や小林なんて足手まといじゃねぇか!」

「大丈夫。ボスにたどり着くまでにはレベルも上がるさ。LV.10はあったら咆哮の衝撃波で死なないだろうし」


 大地はそう笑って説明すると立ち上がった。

 花梨や亜衣も立ち上がる。


「体力は30万。つまり、俺が100回近く攻撃して勝てるレベルだな」

「うぎゃあああああ!」


 直樹は悲鳴をあげる。


「大丈夫…。確かにこのパーティには回復役が誰一人としていないが、火力で攻めればどうにかなるだろう」

「うわぁぁぁ……」






 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 『ヤマタ』から南東にある洞窟に目標がいるという情報を大地は掴んでいたので、5人はその鍾乳洞へと入り込んでいたのだが…



「さっきから血の匂いがスゴイわね…」


 亜衣はポツリと呟く。


「どういうことだ?」

「私達よりも先に赴いた奴らがいるんでしょう。悲鳴とかも聞こえるし」

「アタシも悲鳴が聞こえるわね」


 花梨の耳はエルフのように長いので遠くの音でも拾えるらしい。

 亜衣は…吸血鬼だからか?


「まぁ、そいつらが少しでも体力を削っていてくれれば助かるんだけどね」

「鬼か」

「鬼よ」


 直樹の呟きに亜衣はしれっと答える。

 今更人命などに興味は抱いていないし、今の彼女は吸血“鬼”である。


「花梨、音のする方へ案内してくれないか?」

「わかったわ」


 花梨が前方に立って鍾乳洞を進む。

 進む方はどんどん地下へと向かっている。


「……」

「……」


 時間にして1時間ほど潜った頃か、やけに広い広場が見えてきた。


「あそこね」

「あそこにヤツが─」


「うわあああああああああ!!」


 5人は身構える。

 広場の方から龍の鳴き声とプレイヤー達の悲鳴が聞こえてくる。

 真央は両耳を防いで怯えている。


「行くわよ。…慎重にね」


 亜衣・直樹・大地・花梨・真央の順番で広場へと突入する。


「……」


 そこにはとてつもなく長い蛇がいた。

 屋久島で見たスギの木よりも太い身体に余裕で数キロメートルはありそうな長い胴体。

 そして12を超える頭の数。


「ぇ…?」


「キシャアアアアアアアアアアア!!!」


 ヤマタノオロチの頭(左から1~12とする)の一体が威嚇をする。

 大地は両手から黒い色をした禍々しい野球ボールのような物体を発生させる。


「残りの体力数値は…“24万”か」


 殺されたプレイヤーの数、つまり赤骸(デッドマンズ)が300を超えている。

 ポイントはボスなので倒してみないとわからないが、相当なポイントが積まれているに違いない。


「300人の犠牲で6万ポイント…。善戦した方なのかしら?」

「いや、全然すぎる」


 ヤマタノオロチ3が口を大きく広げて5人の元へ突っ込んでくる。


「うわちっ!!」


 直樹は横にジャンプして回避する。

 大地と花梨、真央は後ろへと後退する。


「宮野!!」


 亜衣は黙ってヤマタノオロチ3の噛み付きを見ていた。

 というか、架けていた小瓶を取り出してフタをあけていた。


「危ない!!」


 真央の叫びと同時に亜衣が丸呑みされる。


「おい!!」


 直樹は大地に叫ぶ。

 しかし大地はニヤニヤしているだけで何もしなかった。


「助けないと死ぬぞ!」

「落ち着けって、直樹クンよ。…アイツなら死なないさ」


 大地はヤマタノオロチ3を指差す。

 するとスパンッと気持ちのいい音が聞こえてヤマタノオロチの首が落ちた。


「は?」


 ヤマタノオロチ3の食道部分から勢い良く跳躍してきた亜衣はヤマタノオロチ4の頭に着地するとニヤリと笑った。



「戦闘開始よ」




〓 Lv.08 Hujimoto Naoki(Samurai)

Point:000180/10000

Equip:蛇之麁正(ATK3000)


〓 Lv.08 Kobayashi Mao(Sniper)

Point:00180/10000

Equip:M14(ATK2400)


〓 Lv.40 Miyano Ai(Berserker)

Point:00300/10000

Equip:吸血鬼(ATK5800)


〓 Lv.38 Sudo Daichi(Psychicer)

Point:00300/10000

Equip:漆黒のペンダント(ATK6000)


〓 Lv.32 Dojima Karin(Acher)

Point:00250/10000

Equip:烏号(ATK3800)


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