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侯爵家の捨て駒だった私、王子と組んで全員公開ざまぁ  作者: たま


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4/10

4話 王子の誘い

数ある作品の中から本作をお選びいただき、ありがとうございます。

拙い部分もあるかと思いますが、最後までお楽しみいただければ嬉しいです。

4話 王子の誘い

「——見事だった」

その声が響いた瞬間。

ざわついていた訓練場が、嘘のように静まり返った。

(……?)

足を止めて、振り返る。

人垣が、自然と割れていく。

まるで最初からそこに“道”があったかのように。

そして、その中心を歩いてくるのは——

一人の青年だった。

白を基調とした制服。

胸元には、王家の紋章。

整った金の髪に、静かな威圧感を宿した蒼い瞳。

誰もが、その姿に息を呑む。

「……第二王子殿下」

誰かが、震える声で呟いた。

(王子……?)

思わず、目を細める。

確かに只者ではない雰囲気だが——

それ以上に。

(……強い)

一目で分かる。

魔力の質が、周囲とは明らかに違う。

洗練され、研ぎ澄まされている。

「名を聞こう」

彼は、まっすぐこちらを見て言った。

逃げ場のない視線。

「アリス・フォン・ルヴェールです」

一礼して答える。

その瞬間、周囲がざわついた。

「やはりルヴェールか……」「あの家にあんなのがいたのか?」

王子はわずかに目を細める。

「ルヴェール侯爵家……なるほどな」

何かを納得したように、小さく頷く。

そして——

「単刀直入に言おう」

一歩、距離を詰めてきた。

「私の直属に来い」

「……え?」

思わず、聞き返す。

周囲が一斉に息を呑んだ。

「殿下の……直属……!?」「特待生どころの話じゃないぞ……!」

王子は構わず続ける。

「私は、将来的に王国魔導騎士団の再編を任される予定だ」

静かな声。

だが、その言葉には確かな重みがあった。

「その中核となる人材を探している」

視線が、まっすぐ突き刺さる。

「君は、その候補だ」

(……なるほど)

ようやく理解する。

これは単なる興味ではない。

“確保”だ。

「光栄なお話ですが」

ゆっくりと口を開く。

「少し、考えさせていただいてもよろしいでしょうか」

ざわっ、と空気が揺れる。

「は!? 断る気かよ……!?」「相手は王子だぞ……!」

だが——

王子は、わずかに笑った。

「いいだろう」

あっさりと頷く。

「むしろ、その方がいい」

「……と、言いますと?」

「無条件で従う人材など、つまらないからな」

その言葉に、少しだけ意外に思う。

(この人……)

ただの権力者ではない。

「だが、条件がある」

王子の声が、少しだけ低くなる。

「三日後。学園内選抜戦がある」

聞いたことがある。

上位クラス編入をかけた、実力者同士のトーナメント。

「そこで結果を出せ」

「優勝しろ、と?」

「当然だ」

一切の迷いもなく、言い切る。

「その上で、もう一度聞こう」

一歩、引く。

「その時に、私の誘いを受けるかどうか決めればいい」

(……面白い)

ほんの少しだけ、口元が緩む。

「分かりました」

まっすぐ、見返す。

「優勝、します」

その瞬間。

王子の目が、僅かに鋭くなった。

「いい目だ」

満足そうに頷く。

「期待している」

そう言い残して、彼は踵を返した。

再び、人垣が道を作る。

誰も、声をかけることすらできない。

完全な“別格”。

(……でも)

私は静かに息を吐く。

(あの人も——)

強い。

だからこそ。

「ちょうどいい」

小さく呟く。

今の私が、どこまで通用するのか。

試すには、最高の舞台だ。

そして——

(優勝すれば)

評価も、地位も、発言力も。

全部、一気に手に入る。

「やるしかないか」

誰にも聞こえない声で呟く。

その瞳には、もう迷いはなかった。

——次に無双する舞台は、決まった。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

誤字脱字のご連絡ありがとうございます。

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