マクベインと保坂
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ガストン=マクベイン
身長ニメーター近いで体重が九十キロの堂々たる体格。
高校時代はラグビーの選手でMVPをとったこともある。
大学を卒業後防衛省に入省。
その後本人の憧れの英国情報部に転出。
字面だけ見るとエリートだ。
事実、高校までは『トップクラス』の上澄みだった。
彼は肉体派。
しかし世界が情報員に求めるのものは、アクションではなく、インテリジェンスに移っていた。
ジェームス=ボンドの世界はもうない。
情報解析の能力、ハッキングの能力があるものの方が求められた。
基礎能力は高いマクベイン。
たった一つ、パソコン音痴であるという点を除いて。
彼を弁護するなら、一般人程度の能力があれば不足はないはずだろう。
彼を『お荷物』扱いをするいわれはないはずだ。
だが、彼が生きたいと願う世界は、一般人の水準では満足できないところにあった。
『召喚』されたこの世界はマクベインにとっては、理想の世界だ。
電子機器のない世界。
力が雄弁な世界。
彼にとって力=銃。
能力の発現は、五大国会議前にすでにあった。
同じ時期に召喚された隣国の戦神子はまだだったようだ。
エリート
ヒーロー
この言葉を具現化できる世界だ。
彼は黙々と自分の能力を高めるべく、訓練を開始した。
☆
ウガリッドは苦々しく自国の戦神子を見る。
召喚された時点でひょろっとした優男だと思った。
その第一印象は残念なことに狂っていなかった。
ケンジ=ホサカはソファーに寝そべり、テーブルから果物を取っては口に放り込んでいる。
国王を前にしてその態度を改めることをしない。
「焦らないで欲しいなあ。俺ってさあ、焦らされるとテンション低くなるっていうか、やる気がなくなるタイプだと思うんだよね。この世界に来てまだ、そんなに経っていないよね。」
「『楔うち』が終わっていないうちに王都に戻ってきたのは、どういうことだ。」
「キマイラっていう化物が出るじゃないか。聞いていなかったよ?危険はないからなんて甘い言葉に踊らされて、危うく死んじゃうとこだったじゃないの。」
「出たのは小物だと聞いている。時間が経つにつれ前の戦神子の『楔』の効果が薄れて危険度が増すのだ、とっとと回ってこい。」
「いいのかな、そんな偉そうな口をきいちゃって。戦神子って一カ国に一人しかいないんだろう?それも召喚するのにお金がいる。上納金だっけ?そうほいほい召喚できないから、俺に頼らざるを得ないんじゃないの?」
ケンジはむくっと起きると前のめりになって、ウガリッドを睨めつける。
非常に扱いにくいと思うのは、この男のこういうところだ。
ヘラヘラしていて、万事においていい加減(これをサヤの世界ではチャラいという)でいて、時折人の足元を見すかすような言い方をする。
なまじ五大国会議で、他国の戦神子からいろんなことを聞かされたせいで、都合の悪い知恵も付いている。
「まあね、国王様の気持ちもわかるし、俺もせっかくだからいい生活をさせてもらいたい。この国がヤバくなったら自分のケツにも火がつくわけだから、やることはやる。だけど、今ひとつ能力を決めかねてんだよね。」
「だったら・・・決めかねている?」
戦神子の能力は個性によって発言する。
自分で決めれるというわけではない。
「どうせだったら、カッコイイ能力がいいじゃん。派手な奴。『さっそうと現れて一気に敵を殲滅、俺最強!』ってな能力を考え中なんだ。遊んでいるように見えて実は、頑張っちゃっているわけだ。そういうことだから、ほっといてくれないかなあ。」
「・・・・・」
拳を握り締めるウガリッド。
ふうと息を吐いて、圧力を逃すと
「そう時間は残されていない。自分が可愛かったら早くその『カッコイイ能力』とやらを私に見せるんだな。」
「マッカセナサ~イ」
ケンジはVサインをする。
☆
「わかりました。でも私で良いのでしょうか?」
「あなた様しかおられません。あちらでの身の安全は、国教会が保証します。」
「護衛の受け入れは了承してくれるのだろうな?」
「はい。それは向こうにも申し入れしてございます。」
「皇帝陛下の肌がツヤツヤのような気がするのですが」
「ユリルもそう思われましたか、なにやら明るいような。」
「眉間のしわも少なくなって。」
「『白亜宮』での休暇のせいですかしら?」
「サヤ様ともしかして?」
「それだったら侍女たちが、何か行ってくるはずですが?」
「でも、進展があったことは確かですよね?」
「私もそう思います。皇帝陛下はもともと秀麗な美貌の持ち主でいらっしゃいましたが、ますます。」
「恋する女子はキレイになると言いますが、男にも適応するのでしょうか?」
「どうでしょうか?」




