おまけ《プロジェクト W》
お読みいただきありがとうございました!!!!!
“婚姻の儀式”を一ヶ月後に控えたある日
レシュ、クレイ、セリーンはセエルに皇帝陛下の後宮内の私室に来るようにと、言われて赴く。
サヤ付きの彼女たちがここに踏み入れることは滅多にない。
異世界の“じゃんけん”で誰が先に入るかを決める。
コンコン
応えがあってドアが開く。
セエルが開けてくれた部屋の中には、ぎっしりと人が立っていた。
彼女たちには見知った顔ぶればかりだ。
「早く入ってドアを閉めろ。」
皇帝陛下の一喝の元三人はギュウギュウ詰めの部屋の中へと入る。
ティルルは皆を見回す。
「集まってもらったのは、ここに居る諸君にあることをしてもらいたいからだ。」
リガードが皆に纸を配る。
そこには大きく《プロジェクトW》と書かれていた。
「今回こそ大丈夫と思うが、イザという時にどんな横槍---マッシュールのヤツとかエステリオのヤツとか国教会のジジイとかシロとか---が入るかわからん。サヤ自身も怖気づいて『やっぱり無理!』などと言い出すかもしれん。今度は逃がさない。」
侍女三人は顔を見合わす。
(相当こたえているね)
(そうだね。)
(旦那様としては生活力がお有りになると思うけど)
セエルの咳払いが聞こえる。
「可及的に速やかに引導を渡すために異世界の---サヤの世界の“婚姻の儀式”を行うことにした。」
これ以上ない目力で拳を握り締め宣言する。
「こんなことを計画していたのですか。平和になったものだ。」
紙をめくり中身を見るアーカネ。
皇帝陛下にズバっといっちゃえるのはこの人くらいだ。
「この親代わりというのは誰がやることになっているのです?」
アーカネのツッコミに気を悪くした様子もなく。
「両方の両親はこの世界にはいないから、俺の方はリガードでいいだろう。」
「はっ。光栄でございます。」
聞いていなかったらしく、顔が上気する。
肉親の縁の薄いティルルはリガードが半分育てたようなものだ。
違う人間が指名されたら落ち込むだろう。
「女親は・・・」
「僭越でございますが、ユリル様がよろしいかと。」
セエルの言葉にユリルが慌てる。
「私ですか?でも身分も歳も」
「非公式の儀式だ。サヤに近しいものしか呼ばない以上無礼講に近い。身分や歳は気にするな。」
「では務めさせていただきます。」
「ユリル様よろしくお願いする。」
「不束者ですがよろしくお願いします。」
少々的の外れた挨拶を顔を真っ赤にして交わす二人。
(?いつの間に?)
(これは事件ですよ)
(チッ!先を越された)
「頼んだぞ。サヤの方だが」
「私が」
「俺が」
セエルとアーカネが間髪いれずに名乗りを上げる。
「・・・・まあ、順当だろう。それと儀式を行う場所だが心当たりはあるか?」
「それならば“召喚の間”ではいかがでしょうか。サヤ様もあの場所から始まっております。」
(禁断の場所ですね)
(私、初めて入るかも)
(ここにいる人のほとんどが入ったことないんじゃない?)
「そうしよう。オーリスには事前に向こうの世界の儀式の祭司をやってもらうつもりで研究させてある。」
「お任せ下さい。」
(わざわざ呼んだってこと?)
(気合入っていますね)
(皇帝陛下・・・不憫な子)
セエルの咳払いがまたする。
「花の手配、衣装の手配はセエルに仕様書を渡すので執り行え。」
「かしこまりましてございます。」
「花嫁のベールをもつ役目がいるわけだが・・・」
三人の侍女たちは目立つために伸び上がる。
「シオ、子供が適任だがやってくれるか?」
「はい!」
母親と離れ急に大人びてきたシオが勢いよく嬉しそうに返事をする。
「ここに呼んだものは列席者も兼ねている。そこの三人はサヤの支度をしたあと、自分たちも身支度を整えろ。いいな。」
「いいんですか!」
「私たちも!」
「やった」
「これ!はしたない!」
「出席してもらう。お前たちはサヤの『友達』なのだろう?」
「「「かしこまりました!」」」
「セリーン。お前は式の間シロを抑えておけ。」
「はい。」
「以上サヤには伏せておけ。打ち合わせの符丁は《プロジェクトW》だ。」
このあとの式でサヤが『うぇぇぇ』と花嫁らしからぬ声で号泣しました。
シロはセリーンに首根っこを抑えられて静かにしていたのを見て、列席のアビス、第四騎士団のメンバーはセリーンのことを『姐さん』と呼ぶようになりました。
そのシロは羽つきのキマイラを捕食したあと体のサイズが一回り小さくなりました。でも能力は上がったので敏捷さが増したということです。
噂ではとうとう空を飛んでいるところ見たという話ですが、シロに関してはもう誰も驚きません。
リガードとユリルはいい雰囲気です。
失恋?したケンジは着々とハーレム作りに勤しんでいます。
最近重力制御で空を飛べるようになり、帝都にちょくちょく出入りしてユリルとサヤに懲りもせずちょっかいを出しています。
マクベインは本国で念願のヒーローになり、芝居の主人公になりました。
ジョニー君は反抗期に入ったようです。
シンは相変わらずですが、運動を心がけるようになったのでいままでよりは、稼働時間が長くなりました。
五人の戦神子は後世『最強の五人』と言われる程になりました
世界の状況はなにも変わっていず何も明らかになったわけではありませんが、人の世界の勢力が強くなり始めた時代の幕開けです。
世界の理は何も変わっていませんし、《奈落の戦神子》という存在についても何もわかっていません。
そのことは・・・そう、サヤとティルルの子供たちが明かしてくれるでしょう
本当に完結です
ここまで来れたのは
「私には読んでくれる人たちがいる!」
と思えたからです
投稿中なるべく読んだ小説には感想を書いていくようにしだしたのが、この小説を投稿してきたわたくしめのささやかな変化でした!
また別の物語でも会えたらいいですね!
じつはこっそりと書き溜めています
カテゴリーはきっとその他だろうな~
もしよかったら探してくださいませ(^-^)/




