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第一章 4幕 『星→闇→異世界』

りゅーの前世、⬜︎⬜︎は、これといった打ち込むこともなく、ただなんとなく人生が進んでいるのを自覚していた。


何不自由ない生活を送り、不満はないと思っていた。

しかし、どこか心の中では、非日常的なことが起こってほしいと思っていた。


その思いは、ゲームをするやらアニメを観るやら、そういう行動で消化していた。


自然の近くの空気を吸うのが好きだった。ふとした時に、町外れの山にある廃墟に行っていた。

管理者はいるようでたまに見かけた。別荘にする予定だったが、中止にしたと言う。


十分に安全であることから、好きに使っていいよと言われ、たまに屋上へ星を見に行った。


その日も屋上へ行った。先客はいたがそう珍しいことでもなかった。昼間には小学生達が遊ぶにくることもあるし、人がいるのは不自然じゃなかった。


柵に手を乗せ体重を預けると、視線は空へと向かった。

目の前の星が、闇、そして地面となった。

その瞬間気づいた。落ちた。落とされた。

微かに何か聞こえた気がした。


目を覚ました、と言っていいのだろうか。

そこに広がるのは中世ヨーロッパのような街並み、獣のような顔立ちの人々、まさしくアニメやらで幾度となく観てきた、異世界転移ではないだろうか。


ただ、少し違和感を感じる。

人々が着ているのは現世でよくみるTシャツと言われるそれ。さらに言えば、電気を使い光っている看板。

そう、現世の文明がかなり持ち込まれているのだ。


壁にもたれかかり座り込んでいた体をゆっくりと起こそうとする。

するとそこで初めて気がついた。肩が重い。見れば、人がもたれかかっていた。

この人を倒さないように支えながら正面から顔を見る。

日が当たり美しく光る空色の髪、頭にはドラゴンの角のようなものがとても小さくちょこんとついている。

目を閉じていてもわかるような整った顔、頬がもっちりとしている。


少女は次第に目を覚ますとうとうとしながらこう言った。

──あれ、寝ちゃってた、、


俺が知る限り、最も腑抜けたヒロインとの出逢い方だ。

1話ってこんなに短くていいものなのだろうか

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