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テオロッド戦記—異世界転移した俺、式術世界で国家戦争に巻き込まれる—  作者: ヨダカカツキ
第二章

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第二十八話 無敗のS級ランカーと、名議長と。

俺は、ガレオンの部屋に向かっていた。

大芝居のはじまりである。

相手は百戦錬磨の大商人。

少しでも俺の真意を掴まれたら負けだ。

目覚めろ、俺の中の役者魂。


こちらからガレオンを訪問するのは初めてである。

ノックをすると、ひょこっと本人が顔を出す。

……相変わらず不用心である。


俺が今すぐ攻撃してきたらどうするんだろう。

いや、しないけども。

そのあたり、人を見極めてるんだろうか。

物騒な作戦も、考えないことはなかったが、

ガレオンのキャラクターが、何故かそれを選ばせない。


ガレオンに案内され、応接のソファに座る。


「なんだ、〝奇術師〟ユイト。さっきも言った通り、しばらく試合はないぞ。

企画が決まらんとな。魔獣も不足気味だしな。

しかし、観客は試合数を増やしてほしいと言っている。

困ったものだ。需要に供給が追い付かん」

ガレオンは、ぼやくように言った。


「その件なんですが、企画を考えてきました」


「ほう。どんな企画だ?」

ガレオンが、急に目を輝かせながら身を乗り出す。


「対人戦は、どうでしょう」


「なに?」


「〝不殺〟のシャイン対〝奇術師〟ユイト。

無敗のSランク同士が、力を尽くしてぶつかり合う。

観客は大盛り上がりです」


「ふむ!それは確かに、面白いな。

しかし……双方が怪我でもしたら、次の興業に影響が出るな」


よし。食いついた。

この企画が実現すれば、ほぼ俺の作戦は勝ちルートだ。


「そうならないようにルールを作ればいいんです。

例えば……生死にかかわるような強力な攻撃は禁止。

ルールを破った場合の罰則は……

ランクのはく奪、および闘技場の追放。

これなら、お互い戦略性の高い緊張感のある攻防が見られます」


「なるほど……興行的には盛り上がるだろうが……

シャインがなんというかな」


「そうですね……本人に聞いてみるしかないですかね」

俺は言った。すでに本人と話はつけてあるが、

ここはガレオンに〝確認させる〟ことが大事だ。


ガレオンは少し考えると、従者に言ってシャインを呼び出した。

本人に意志確認が取れると……

企画の開催が決定した。


試合は、三日後。

闘技場初の、対人戦。

ガレオンは、儲かるぞこれは!

と大喜びしていた。


──この後待ち受ける運命を思うと

なんだかガレオンに申し訳ない気持ちが出てきた。


でも、目的を達成するには仕方ない。


後は当日を待つだけだ。

気になっている点があるとすれば、

タツオたちに依頼している「ガレオンの正体」だ。


人道にもとる極悪商人なのか、

興行好きの道楽商人なのか、

命を持て遊ぶ魔獣ブリーダーなのか。

あるいはそのすべてなのか。


実態がつかめない。


それ次第では、すこーしだけ、作戦の内容も変えようと思っている。

大筋は変わらないけれど。


そんなことを考えていると、

試合の前日。

例の通信式術がタツオから来た。


『こちらタツオ。ユイト、シャインと闘うってどういうこと?どうぞ』


『こちらユイト。もう名乗るのやめていいか?

作戦の一環だ。うまくいけば、明日には脱出できる。

依頼していたガレオンの身辺はどうだ?あいつは、どんな評判だった?』


『確かに、めんどうくさいね。やめよう。

ガレオンは、興行王とか、カジノ王とか呼ばれているけど、黒い噂は驚くほどなかったよ。

魔獣育成場も、僕らが勝手に秘密だと思っていたけど、普通に一般開放しているみたい。

動物園みたいな感覚だね。焼却炉だと思っていたのも、火葬上で、死んだ魔獣はちゃんと弔って埋めているみたい。

死んでしまった闘士のにも遺族金を払っているみたいだし、現状ただのお金と興行が大好きな名君、って感じ』


やっぱり。俺の見立ては間違っていなかった。

もしタツオの情報が正しければ、俺の作戦はもっともベストな結末を迎えるかもしれない。


でも、やっぱり少しガレオンには申し訳ないな。



当日。会場に入ったのは、過去最大の人数ということだ。

Sランク同士。しかも対人戦ということで、他国からも闘技場のファンが押し寄せてきたとのこと。

元の世界で言えば、ボクシングの世界戦みたいなもんなのかな。

俺は人生で浴びたことのない注目をあびながら、

冷静に作戦の段取りをまとめていた。


高台から、アナウンスが響き渡る。

「Aランク五連勝!超大型新人、〝奇術師〟ユイト!」

檻が開き、歓声の中俺は入場する。


続いて、もう一人。

「これまで無敗!五十四戦五十四勝、

伝説のSランカー〝不殺〟のシャイン!」

俺の時よりもひときわ大きい歓声が上がり、

シャインが入場する。


俺たちは舞台中央に近寄っていく。

歓声が、少しずつ静まっていく。

俺たちはしばらくにらみ合いながら、歓声が消えるのを待った。


歓声がなくなると、シャインが息を大きく吸い込み、叫んだ。

「ガレオン議長!」

シャインが叫ぶと、観客席にいたガレオンがびくっとする。

まさか名前を呼ばれるとは思ってもいなかったのだろう。

周りをきょろきょろ見た後、自分を指さして首を傾げた。

シャインは続けて叫ぶ。

石造りの闘技場に、肉声が大きく響く。

「〝不殺〟のシャインは、今日を持って自分を買い戻し

──闘技場を卒業する」


観客から悲鳴ともとれるどよめきが湧く。

ガレオンは何が起きているのかわからない、と言った顔をしている。


どよめきが収まるのを待ち、今度は俺が叫ぶ。

「ガレオン議長!〝奇術師〟ユイトは

──本日を持って闘技場を引退する!」

奴隷でない俺は、買い戻す必要がない。

つまり、宣言次第でいつでも引退できる。


観客から「ふざけるな!」とか、

「戦え!」と言った声が上がる。

それを遮るように、シャインが叫ぶ。


「安心しろ!今日は約束通り戦う!俺とユイトの……引退試合だ!」

それを聞くと、観客は一気にボルテージが上がる。

歴史的瞬間を目の当たりにしたような興奮だ。


ガレオンだけが、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。

ある程度予想はしていたが、気の毒ではある。

Sランクが二人同時に、いなくなることを宣言しているのだ。


「ガレオンさん、約束を守るのは商売人として当然、と言ってましたね!

承認いただけますよね!」

俺は続けて叫ぶ。


ガレオンは、観衆の反応を見ている。

観衆は、つまりは審判だ。

この国の議長としての器を問われている。

ここで断れば、彼は約束を破る男、として民衆に認識される。


つまり……断れないはずだ。


ガレオンは少し考えていたが、

頭の中で万策つきたのか、観念してこう叫んだ。


「……闘技場のルールは絶対だ!承認する!

ただし、今日は最高の戦いを見せるように!」


それを聞くと、闘技場は今日最高の盛り上がりを見せた。


さすが、名議長。

心得てらっしゃる。

俺は、作戦の成功を内心喜んだ。


しかし、問題が一つ残されている。

この後の戦いだ。


いくら〝不殺〟のシャインとはいっても……

五十四戦無敗の男。

ちょっと戦うには歩が悪すぎる。

しかし、なぜかシャインは戦闘に乗り気なようだ。


「生死に関わるような攻撃は反則、だったよな。

まずは、こっちから行くぞ」


え、この人本気でやるつもりですか。

テキトーに興行やればいいじゃん、と言いたかったが、

両手から氷の柱を出している。

そして、叫んだ。

「フロストランス!」


「それは……生死に関わるだろっ!!」

俺は叫びながら、土の壁を出し防ぐ。


「どうした!技名が聞こえないぞ!」


一体、シャインの琴線のどこに触れたのか。

技名を言うのがルールみたいになっている。


くそ。こっちも攻めてやる。

「ミラージュヴェール!」

紫の式。幻惑の霧を放つ。

が、すぐにそれを氷の霧が打ち消していく。

「クリスタルミスト!」

……知らない技を出してくるな!!


俺は、やむなく火球を放つ。

これは、陽動。

本手は次だ。

「フレアショット!」

タツオの技の劣化版。

花火のような火玉が、シャインを包み込む。


「グレイシアウォール!」

氷の壁でガードされる。

よし、想定内。


「アースホール!」

俺は地面に手を当て、シャインの足元に穴を空ける。

地面に飲み込まれていくシャイン。

そこに、全力で放つ。

「トニトルス!!」

雷が、シャインの脳天に…

——直撃しない。


フロストランスで作った氷塊が、避雷針がわりにそれを受け止める。

シャインは穴から脱出し、再度俺に対峙する。


「そっちも……技名言ってないぞ……」

俺は息を切らしながら言った。


シャインも、息を切らしている。


二人はしばらく向き合う。


「すげえ!」

「互角だ!」


観客のボルテージは最高潮だ。


しかし、この短期間に技を出しすぎている。

恐らく、次の一手が勝負の分かれ目だ……!


すると、シャインは、両手を広げて大きく構える。


え……?

ちょっと待って。


「どうやら……この技を使うしかないようだな」


完全に大技の準備……。


「食らえ!アブソリュートゼロ!」


——食らえ!じゃないっ!!

殺す気か、〝不殺〟のシャイン!


俺は必死で対抗手段を考える。


赤……は火力不足だ。

レゾナンスは……振動の対象がない。

あれ……詰んだ?


その考えている一瞬のうちに、

地面から現れた氷が、俺の足元にまとわりつくのを感じた。


あ。

——やられた。


目の前でシャインが笑っている。


「アイスバインド、だ。俺の二つ名を忘れたか?」


騙された……!


アブソリュートゼロはポーズで、

狙いはこっちだったのか……。


俺は両手をあげ、「参りました」と言った。


その様子を見て、アナウンスが響く。

「勝者、〝不殺〟のシャイン!!」


闘技場は、異様な盛り上がりと歓声に包まれた。


これで、俺の闘技場生活は終わり。

だが、まだ残された仕事がある。




俺は、アイスバインドの拘束を火で溶かし、

シャインと共に控え室に戻った。

そこには、ガレオンが待っていた。

まぁ、予想通りである。

文句や恨み言の一つくらいは覚悟している。


「やってくれたな、〝奇術師〟ユイト。

お前が描いた画か?」

ガレオンは腕を組んで俺に言った。


「まぁ……。ご迷惑かけてすいません」


「全くだ。あの場で言われたら、わしが断れないのを分かっていたな。Sランカーが二人も抜けたら、闘技場はどうすればいいんだ」

今度は深いため息をつきながら頭を抱える。


やはり、憎めない人間のようだ。

これなら、もう一つの作戦も成功するかもしれない。


「その件なんですが……。ひとつ、提案があるんです。

聞いてもらえませんか?」


俺がそういうと、ガレオンは言った。

「なんだ?金になりそうな話か?」





シャインは、寮に戻る途中、

クリスタルミストって、名前どう思う?などと聞いてきた。

面倒くさいので、俺は素晴らしいネーミングだと誉めておいた。

〝不殺〟のSランカーは、

ネーミングにハマってしまったようだ。

最初の頃のクールなイメージより、こっちの方が本性みたいだ。

まだ話したそうなシャインを部屋に戻し、

俺はガレオンの私室にやってきた。

考えていた提案を、ぶつけるためである。


ガレオンは早く聞かせろとせかしてくる。

俺は、それをなだめて、一旦水を飲む。

これから話すボリュームを考えると、喉が渇きそうだ。

生徒会の弁論大会を思い出す。


「さて、ガレオンさん。今日の興行はどうでした?」

俺は聞いた。


「どうもこうも……過去最高の観客数、賭けの売上も最高値。大成功の興行だ。

——お前らがいなくならなければ、な。

やっぱり闘士続けないか?」


「残念ながら闘士は辞めます。

ただ、儲かる手段なら提案できます」


「なに?さっさと教えろ」

ガレオンはまるでお腹のすいた子供のように騒いでいる。

なんだか可愛く見えてきた。


「——まず、大事なのは、今日の試合は〝ルール〟の中で行われたことです。

互いに殺し合わない。

強い攻撃はしない。

その前提で開催されました。

にも関わらず、多くの人が入り、あれだけの盛り上がりを見せました。

つまり、人々は殺し合いが観たいのではなく、

真剣勝負が観たいのです」


「早く続けろ!」


「魔獣が不足している、と言っていましたね?

育成するのも維持するのも、費用がかかるでしょう。

魔獣が死んだら、処置も大変でしょう。

それらを一気に解決する方法があります」


「いいから早く言え!」


……もううるさいな、この人。

もう少しもったいぶらせてほしい。


「分かりました。結論から言います。

この闘技場は、魔獣と戦うのをやめ、

対人戦の闘技場にするのはどうでしょう?」


「人が殺し合ったら、大変だろう!馬鹿なことを言うな!」


馬鹿はどっちだ、と言いかけて止める。

興奮すると子供みたいになるな、この議長は。


「さっきも言いましたね。

ルールがあればいいんです。

例えば——三回倒れたら負け、とか。

あるいは一定回数攻撃を受けたら負け、とか。

前提を観衆を理解すればいいだけの話です。

それに、対人戦なら、もっと近い距離で観戦できます。

拳がぶつかる音、飛び散る汗。

本物の戦いを、すぐ目の前で見ることができます。

どうです?興味が湧きませんか?」


俺は、プレゼンを続ける。

完全に、イメージはボクシングとか総合格闘技のスポーツだ。


「ふむ。確かに、それなら近くの席で見てみたいな。

そこの席だけ値段を上げて……」


「そうです。そうすれば、興行の利益が担保できます。

それに、魔獣の生産、育成も必要なくなります。

その分の運営費用は、完全になくなります。

魔獣が万が一暴れて、街に危険が及ぶことも、なくなります。

想像してみてください。

もし今魔獣たちが育成場や闘技場を抜け出し街中に溢れたら……どうなります?

死者も出るでしょう。

なにより、運営者の責任問題になりますね。

そうしたら、ガレオンさんの立場も危ないんじゃないですか?」


俺はまくしたてる。


「待て。計算させろ。

今、仮の売上を出して、魔獣育成場の費用がなくなる場合の利益を算出している。

——いや待て。

肝心の闘士たちへの支払いや、闘士集めはどうする?」


「利益から配分すればいいですよ。

ランクが上がるほど、報酬が上がる。

人々は、上位ランクに憧れるでしょう。

そうすれば、自ずと闘士は集まってくる。

命の危険がない分、今より集まるでしょうね」


ガレオンは、計算をしながら頷いている。


「ふむ、いけそうだな。

しかし、お前——どこでそんな考え方を身につけた?

……闘士をやめてもいいが、わしの下で働かないか?」


ガレオンが食いついてくる。

よし、最後の交渉だ。


「それはできませんが……定期的にこういった助言をすることはできます。条件付きですが」


「なんだ?金か?」


俺は首を振る。


「マルカドールは、オルディア連邦に加盟していますね。

これを抜けていただきたい」


俺の提案に、ガレオンが目を丸くする。

「……どういうことだ?それでお前になんのメリットがある?」


「今、オルディアとの関係はどうなんですか?」


「……以前は魔獣の供給を受けていたが、今は経済的なつながりだけだ。

どちらかといえば、連邦加入は半ば強制だった。

入らなければ、武力行使する、とな。

ノクスは高圧的すぎて、気に入らん」


やはり、魔獣の供給元はオルディアだったか。

ここで、もう一歩踏み込む。

「シャインさんを解放しても、オルディアは何も言わないんですか?」


「——!お前、何者だ。どこまで知ってる」


「俺は、テオロッドからきました。

ご存知かと思いますが、今テオロッドとオルディアは緊張状態です。一触即発、といってもいい。

俺は、カムイと連携を深めるため、シャインさんの解放のためにここへきました。

マルカドールが悪い国なら、こんな話はしません。

でも、俺にはそうは思えなかった。

金が飛び交う国だが、人々は日々を楽しみながら生きている。ガレオンさん。あなたも」


「テオロッド……なるほど、そういうわけか。

マルカドールを味方にしたいということか?」


「いえ、そこまでは言いません。

ただ、今のオルディアの思想とこの国の思想が一致しているとは、どうにも思えませんでした。

この国にしかない良さを、守った方がいいんじゃないか、そう思っただけです。

——なんか、俺もこの国が好きになったみたいですね。

でも、オルディア連邦に力を貸すわけにはいきません。

なのでマルカドールが独り立ちして歩いていくなら応援したい、そう思っただけです」


ガレオンは、少し考える。

俺は畳みかける。


「ノクスは、魔獣を人工で作り出しています。

それは、知っていましたか?」


「研究でやり取りはしていたが……作り出す?

そんなことができるのか?」

ガレオンは目を丸くした。


研究結果は吸い上げ、魔獣の生成は隠しておいたのだろう。


「オルディアは、すでに神獣——ドラゴンの生成に成功しています。単体で国を滅ぼすと言われる神獣です。

すでにテオロッドは、ドラゴンの被害にあっています」


「なっ……!それは……生物兵器ではないか」


「はい。世界の秩序を守るどころか、乱しているのはオルディア——ノクス=ルミナスです。

魔獣育成が続く限り、マルカドールもその仲間と世界からみなされます」


「なるほど。それは本意ではないな……」

ガレオンは考え込む素振りを見せる。


「シャインを解放し、魔獣育成をやめる。

オルディア連邦を抜ける。

これが全部できれば……世界はマルカドールを受け入れるでしょう。少なくとも、テオロッドは。

さて、どうします?」


「——貴様。どこでそんな弁舌を仕込んだんだ?

商人のわしを言い負かすとは、大したもんだな。

——お前の言う通り、シャインを解放したらオルディアに目をつけられるかもしれんな。

しかし、とやかく言われる筋合いはない。

シャインは、わしがオルディアから買ったのだ。

そして、シャインはそれを買い戻した。

この約束を破っては、この国で生きていけない。

いかに議長といえどもな」


「——と言うことは?」


「オルディア連邦脱退を検討しよう。

ただし、ユイト。

脱退後は、お前のアイデアを惜しまず寄越せ。

それが、お前とわしの〝約束〟だ。

それでいいな?」


俺はそれを聞くと、ガレオンに右手を差し出した。


「交渉成立、ですね」

ガレオンは苦笑いをしていたが、

その手を握り返した。


「お前は闘士より、商人向きだな」

ガレオンが言った。


「それは褒め言葉ですか?」


「最大級のな」





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