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Noisy Energy ノイジー・エナジー  作者: 小鳥乃きいろ
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#4 高速コーナー #再会の筑波 その一

#再会の筑波 その一


 筑波サーキットのライセンス講習会に行ってきた。慣熟走行などの実技はない。午前中からお昼にかけて、教室のような会議室のようなところで、サーキットの概略、走行するに当たってのルールやマナー、会員制度と走行予約の取り方とか、ひたすら説明だった。

 座学は眠い。筑波サーキットは一周二キロ程で、鈴鹿の五.八キロや、もてぎの四.八キロに比べたら短いが、二輪では全日本選手権でも使用される。こじんまりとしてはいるが設備はちゃんと整っているサーキットだ。ピットのルールやフラッグポストの位置はちゃんと確認しないといけない。でもフラッグの話は聞き飽きてる。隣りの翔吾は眼を開いたまま寝てた。

 会員制度はレーサーでも走れるライセンスと、公道仕様のバイク限定の二種類がある。走行枠によって走れるマシンも変わる。アタシ達はレースを予定しているから前者。でもレーサーってどうするのかな?

 あと、予約の取り方はしっかり覚えた。終わってから早速翔吾と予約をした。マシンやタイムによって走れる枠が違うけど、とりあえずNSRで走れる枠にした。早い日付で空いてる枠があってよかった。

 その日はこれだけだったけど、少しサーキットを歩いて回った。コースではスポーツ走行が行われていた。アタシも次に来る時はあそこを走るんだ。

 アレ?どこかで見たようなCBRが走ってる。まぁ最近多いからね。もし箱根でバトルしたあの子達が走っているなら、リベンジしたいな。


 翌日、春休みだし、久しぶりに夏子の家に遊びに行った。ちょうど天崎先生との論文作業もお休みだったらしい。今日も相変わらず危ない実験をしている。フラスコからガラス棒を使って、慎重にビーカーに液体を移している。夏子はメガネをかけているから、爆発か炎上かするんじゃないかな?アタシは少し下がってドアの近くに避難していた。

 トントンとノックの音がした。夏子が生返事すると、春男くんが顔をだした。

「こんにちは、晴海さん。」

 実験中の夏子を見ると、身の危険を感じたのか、それ以上部屋入ろうとはしなかった。アタシも、どうもって挨拶した。

「あ、この間はクッキーありがとね。美味しかったよ。」

 美味しかったのを思い出してお礼を言った。春男くんは、そうですか、よかったですと、言ったけど、なんだか顔が赤くなって、もごもご言ってる。

 チッ。

 ん?誰か舌打ちした?

「…そ、そういえば…」

 春男くんが話しかけてきた。

「サーキットに行ったって聞きました。今度僕も連れてって下さいよ。」

「はる坊はまだ走れないよ。」

 聞いていたのか。夏子が冷たく言い放つ。

「見に行くだけでいいですよ。」

 じゃあ来る?と言うと、夏子も行くという。二人乗りは出来ないから、ショップワタナベのトランポに便乗させて貰おう。

「体験走行も出来るみたいだよ。」

 アタシが調べて言うと、じゃあ予約しようと夏子が体験走行の予約をした。あれ?夏子ってサーキット好きなんだっけ?でも、夏子と春男くんも行くなら嬉しいな。なんだか楽しみだ。


 と、いうわけで、今日は筑波サーキットのフリー走行です。アタシはNSRにそのまま乗って行きます。翔吾はマグザムで、サクラも一緒です。夏子はゼファーで、春男くんは渡辺店長さんとトランポに便乗します。一応、女子会の皆さんにも声をかけたけど、それぞれ忙しいらしいです。

 今日の筑波での走行を前に、一度懐かしいミニサーキットでリハビリをした。翔吾はFZR400から、YZF-R25に換えたみたい。一応公道仕様だけど、色々いじってあるらしい。

 アタシはサーキット用にタイヤを新調して皮むきをした。店長さんにも手伝ってもらって、エンジンだけでなく足回りや制動系もコンディションを整えた。これで筑波で本格的に走っても心配ないだろう。

 トランポには翔吾のYZF-R25が積んである。一応公道仕様だけど、翔吾は筑波までの運転がかったるいらしい。軟弱者め!


 アタシ達は無事筑波サーキットに到着した。一般道で尻手黒川、246、環七、4号線と来て、川を渡って、畑と林の間を抜けるとサーキットが現れる。4号線が少し渋滞してトランポが遅れて来たけど、余裕をもって出てきたから大丈夫だった。

「ちょっと!ペットはパドックに入れちゃダメだよ。」

 翔吾がサクラを乗せたままパドックへのトンネルに入ろうとすると店長さんがトランポから呼び止めた。

「じゃあ私達が見てましょうか?」

 夏子が春男くんとサクラを見ていてくれることになった。夏子はアタシ達がフリー走行を走り終わった後で、体験走行をする予定だ。

「じゃあ私達はスタンドで見てるから。」

 夏子はゼファーをスタンド近くに停め、春男くんと一緒にサクラを連れて行った。


 パドックではピットのすぐ後ろのスペースを確保した。トランポを停めて、翔吾のマシンと機材を下ろす。スタンドや工具などの他にアタシのレーシングスーツの装備も積んである。

 アタシと翔吾はかわりばんこにトランポの中で戦闘準備をした。レーシングスーツに身を包むと、テンションも上がってきた。アタシ達が着替えている間に店長さんがマシンの準備を始めていた。公道仕様の場合はナンバーは外してはいけない。ライト、ウインカー、ミラーは外すかテープで飛散防止をする必要がある。

「俺のマシンももうすぐレース仕様にするぜ。」

 確かに翔吾のマシンは色々変わっている。ふ~ん?レースではアタシもR25に乗せて貰えるのかな?まぁ、今日はNSRで楽しもう。

 


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