第七十八話
最近、エピソード投稿に慣れてきた気がする。
暗く閉ざされた場所で二体の化け物が邂逅する。
かつて邪悪なれども神と呼ばれ、一つの時代、歴史に終焉を齎した厄災。一方で何のルーツも因果も歴史も物語も持たない、不慮の事故によりバグ的に発生した制限無しの存在。
この世界でこれ程の力を宿した者達が相対する事は決して無いのだが、すでに二度。この短期間で起こるはずの無いことがこの世界で起きてしまっている。
言葉では言い表せない何かが……
その足音を立て始めた。
・・・
デカくて不気味。そいつを見た時の第一印象はその二言に集約されている。
城と見紛うほどの巨躯を持ちながらも何処か枯れた身体つきで、更に上から見ると三角形の形で三つの体が背中合わせにくっついている。見たところ体に対し頭は一つしかないが、表情を作るパーツが顔には付いておらず代わりに縦に割れた口が付いているだけ。
不気味だがその口のおかげで奴が何処を向いているか分かる。俺と向かい合ってる体の腕で前のめりなった姿勢を支えてるみたいだが、後ろ二つの体の腕は今だ組んだままで動かす素振りが無い。
下半身は地面に埋まっているのか、暗過ぎて見えないのか、はたまた元から無いのか、兎も角確認する事が出来ない。
ついでに言うと奴が今、何を考えているか分からない。
若干開いた口から身の毛がよだつ声が漏れている。ただじっとこちらを見つめて?いる。
意気揚々とこのドームの内部に突撃したものの、入った瞬間水に沈むかのように急速に失速して奴にまで攻撃が届かなかった。
何か膜のようなものを突き破った感触だが、それが何かまでは分からない。まあ、突き破っただけ良しとしよう。
・・・
予想以上。
この領域から奇跡的に出られたにも関わらず再び、しかも自ら足を踏み入れてきた目の前の存在に対し、今一度評価を改める。
傀儡共をこの者に仕向けようとした矢先、突然途轍もない魔を纏いあまつさえ不落の防御術式を力任せに突破した事に驚きを隠せない。
恐るべき魔だ。かつてこれ程の力を持った存在がいただろうか? 否。かつてこの身に不遜にも挑んできた忌々しきかの人の英傑ですらここまでの力を備えてはいなかった。
だが……
邪神の口が空に浮かぶ三日月のように歪む。
目の前の存在は確かに自分をも超えた魔を宿した存在ではあるが、ただ力任せに振るうだけの獣にすぎない事に笑わずにはいられない。
魔の神髄を理解していない獣、知恵無き者など恐るるに足らない。
・・・
あれもしかして笑ってるのか? 気色悪いな。
キモチワルイワルイ。
まあこの際、お前が何を考えているのかなんてどうでもいい。お前がこの国を襲った理由も知らない。この国の人々を弄んだことも俺には関係ない。
俺はただ……
約束を果たす。それだけだ。
・・・
互いに笑い、向かい合う。二体の戦いはおそらく長くは続かないだろう。
なぜなら……
化け物同士だから。




