第百四十二話 到着
「ハッハッハ、ここがジャパンか〜 中々悪く無いな」
街中を歩く4人の異様な外国人。1人を除いて体格の大きな男女が固まって移動し横に広がってるわけでも無いのに道を塞いでしまう光景に道行く人は思わず足を止めてしまう。
「ちょっとあんまデカい声で喋んな。ただでさえアンタらは目立つんだから」
「いやいや、センパイは帽子とかサングラスして誤魔化してますけど隠せてませんし、そもそも槍で意味無いですよ〜」
「……」
レックスは相変わらず何か喋ってないと気が済まないのかペラペラ適当なことを話して、イブはあたしに執拗に引っ付いて来て退かしても意味が無い。
煩く無いのはケビンとアタシくらいだが、ケビンはここに来てからなんだかソワソワしてる。
長年コンビを組んでいるからかレックスもケビンの様子には気づいてるみたいだ。
「おいおい落ち着けよ、憧れのジャパンは逃げたりしねぇんだからよ」
「別に……落ち着いてる」
ウソだな
「ウソつけ! そんなにソワソワして誤魔化せねぇよ」
「ケビンはやっぱり日本が好きなんですか?」
「見れば分かる、当たり前だろこんなの。じゃ無かったらわざわざサムライブレードなんか持ち歩かねぇさ! こいつは所謂『オタク』何だよ」
「私も日本大好きですよ! 仲間ですねケビン!」
「違う」
2人が勝手に自分の話を進めるのが我慢できなくなったのかケビンが珍しく長めに喋り始める。
「俺が日本刀を佩てるのはスキルによるものだ。好きで使ってるわけじゃ無い。あくまでスキルだ」
「『剣術』ってことですか? だったらロングソードとか刃の付いた物なら何でもいい気が……」
「違うぜイブ。こいつのは『剣術』なんてありふれたスキルじゃ無くて、何と『日本刀』とか言うピンポイントなスキルで、しかもこいつしか発現させてねぇんだ。笑えるだろ!」
「ええ!? そんな事あるんですか!?」
「確かに珍しいな」
内容の珍しさに思わず話に加わってしまった。ケビンはあたしが参戦したことで変に弁解するのを諦めたらしい。
「国や地域で発現しやすいスキルに偏りが出るっていう研究を見たことがあるけど、日本人でも無いのにそんなスキルが発現することがあるのか……学会にこの事実でも送ったらどうだ?」
「そりゃあいいな! 毎日モルモットとして可愛がってもらえるな!」
「チッ……」
「おお、怖。それより嬢ちゃん、俺はそろそろ腹が減ってきたぜ、ジャパンの飯は美味ぇんだろ? なんか食おうぜ」
そろそろこいつを本気でぶちのめそうか迷うがグッと堪える。
「まずは先方に挨拶してからだ。そっからは好きにすればいい」
「オーケーオーケーそんな睨むなよ、ハッハッハ!」
「私、センパイと観光したーい!」
サラは呆れて何も言えない。レックスとイブは呑気にお喋り。ケビンは未だに上の空。
ハァ……こいつらこれから先に何が待ち受けてるのか分かってんのか?




