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第百二十八話

 黒いドームが晴れると、天空からこちらを見下ろす女性の顔が良く見える。忌々しくも攻撃に耐えた俺たちに苛立ちが湧き上がってる様子だ。ざまあみろって感じだが悠長に見ている訳にもいかない。マナを長剣に集め先ほどよりも強い斬撃を繰り出そうとしている。



 させるかよ!!


 相棒に両刃剣を作らせマナで強化した膂力と遠心力を利かせぶん投げる。凄まじい勢いと回転で空間を切り裂きながら迫る。女神さま形態? の時に既にこの剣の威力を知っているからか攻撃動作を止めて両刃剣を受け止める構えだ。


 間に合うか心配だったが、何回か相棒にマナを引き出してもらったからかその感覚が少し残っており、いつもの俺より多くのマナを引き出せた。俺もだんだんこの体の扱いに慣れてきた証拠だ。


 今からあのー女神? 戦乙女? いや乙女って感じの年齢じゃないと思うが、まあ変わらず女神でいいか、女神と戦うけどこの集落は俺の作った剣があれば取り敢えずは大丈夫そうだ。いや、一応強化していこうか。


 そう思いウルの傍による。急なことでウルはビックリしているが今はその反応を楽しむ時間は無い。剣を貸してほしかったが仕方なくウルの手ごと剣を掴みマナを送り剣に補充する。


 俺から直接流れるマナがウルの手を経由しているからか、どこか艶めかしく悶えているように見えるが…… まあ気のせいだろう。うん。



 よし。これで、一先ずはオッケーだな。じゃあ早速。


 ここで跳躍すると集落はおろか獣人全員を吹き飛ばしてしまうので一旦大きく集落から離れジャングルから女神に向かって飛び上がることにする。


 相棒は両刃剣を操作してるので再び自分でマナを引き出す。蛇口を捻ったような勢いでマナが俺に流れ出すが、相棒と比べるとイマイチどころでは無い。


 最早ダムが決壊したような勢いでマナが流れ出すので俺とは比較にならない。


 なんて言うか、少しだけモヤモヤした感覚がすると言うか、俺ってこの姿になってしばらく経つけど本質はあんまり変わって無いんだなと思う。


 向こうにいた時も俺はスキルが使えず、逆に親友は使えて、劣等感や喪失感のようなものを結構感じて、俺はコイツと本当に対等な関係なのかと疑問に感じてたりもした。


 今俺が相棒に対して抱いてるモヤモヤも多分これと同じだろう。ここに来て浮き彫りになるあたり、やっぱ俺って少し面倒くさいだなと思う。


 まあ、今そんなこと考えても仕方ないし、ついさっき別の事で悩んでそれについて相棒が呆れてたから、今回も呆れること間違いなしだ。


 また相棒に迷惑をかける訳にはいかない。だけど必ず、追いついてみせる。


 モヤモヤを吹っ切るように俺は高く跳躍した。

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