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第百十七話

 どうしたんだよ急に。


 カミサマハ、ココニイナイ


 いやそれは見ればわかるけど。


 ダケド、イル


 え? どういう事だ?


 ウエダ


 上?


 カミサマハ、ズットウエニイル


 なんだか急にスピリチュアルな話になってきな、なんでそんな事わかるんだ?


 どうやら相棒は台座に書かれた文字を読み解いたらしい、まだ全部わかるわけじゃないが相棒によると、獣人は元々家畜としてここに連れてこられた種族の一つらしい。


 大昔ここいら一帯を支配していた上位種族が何らかの儀式で半永久的に生贄を捧げるためとかなんとか。


 だからここのジャングルは異様に成長が早くなっているらしい。この遺跡がジャングルの成長を促す物では無いみたいなので最悪壊してしまっても良さそうだ。


 生贄の理由まではまだ分からないが想像以上に恐ろしい話だ。



 それで、なんで急がなきゃいけねぇんだ?


 一番の問題はそこだ。何時間もかけてここまで来て、偶然残ってた文献を漁ったらすぐに戻らなきゃいけないなんて。



 イイカラ!


 一秒も無駄にしたくないという相棒の必死さがこれでもかと伝わってくる。


 仕方なくその場を離れ急いで地上に向かう。


 一体何が起きるのか想像できず、一方的に相棒からの不安だけが俺の中に募っていく。



 ・・・



 おいおいどうなってんだ!? なんでこんなにウゼェのが湧いてきてんだ?


 行きの時は全く姿を現さなかった不定の怪物が壁から染み出し俺の行手を阻む。


 本来俺に突っかかって来るのはそれなりの強さを備えた化け物だけだ。しかし、コイツらは強くないにも関わらず俺に向かってくる。



 なんだか、機械でも相手してるみたいだな。邪魔くせぇ。


 ハヤク、シナイト、クルゾ!


 だから急いでんだろ! てかちゃんと説明しろよ、一体何が起きるんだよ!!


 イッパイ、クワレンダヨ!! カミサマニ!


 だからなんでだよ!!!


 もうダメだ。これ以上コイツと話しても話が進まない。今は一刻も早く地上に出るのが先決か。それなら……



 おい、もうここ吹っ飛ばしても平気か? それが一番手っ取り早いんだけど。


 ハヤクハヤク


 よーし…… もし怒られたら二人でごめんなさいだ!!

 マナを流せ!!


 相棒がマナを操作し俺では扱いきれない膨大なマナを操り体中に行き渡らせる。



 うおりゃああああ!!!


 瞬間、火山の噴火を優に超える爆発と共に衝撃波と瓦礫を巻き上げ俺は地上に帰還した。


 あとで獣人たちに怒られないか心配するが目の前の光景にその考えが吹き飛んだ。



 なんだよこれ……


 遙か上空の空が神々しく渦巻き、そこから神秘的な光の柱が何本も地上に降り注ぎ、誰もが神の降臨を予感させる。そんな光景が広がっていた。


 その光景に動揺していると、何処からともなく鈴の音が高らかに鳴り響き渦巻く空の隙間から何かがこちらを覗く。


 風が激しく流れ不安を掻き立てる。


 まるで絵画の世界に迷い込んでしまった光景だが。そこからこちらを覗く瞳には、何処となく深淵から覗かれてるようなそんな印象を抱いた。

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